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館長室へようこそ!

兵庫県立歴史博物館
館長 藪田 貫
【プロフィール】
 2014年4月1日に、端信行前館長の後任として歴史博物館長に就任しました藪田 貫です。端館長とは年齢は違いますが、大阪生まれ、京都橘女子大学教授を勤めたことなど共通点があり、初対面の時に話が盛り上りました。
 専門は歴史学、とくに日本近世史(江戸時代史)の社会史・女性史です。大阪大学大学院修士課程を終え、大阪大学助手・京都橘女子大学助教授を経て、1990年から関西大学文学部教授を勤めており、今年1年は、館長との兼務となります。
【「館長室へようこそ」について】
 「館長室へようこそ」では、歴史博物館に関する話題や、兵庫県の歴史・文化のニュース、私が折に触れて感じたことなどを、皆さんにお伝えしたいと思っています。「歴史ステーション」にお越しになった時に、気楽に立ち寄って、おくつろぎ下さい。  みなさんのお便りなども、お待ちしています。
あて先 : Rekishihakubutsu@pref.hyogo.lg.jp
 

  ベルギーと姫路(1)  2014年10月1日

 館長就任以来、半年が経ちました。カンチョウと呼ばれるのにも、18畳位ある広い館長室の背の高い椅子にも、新幹線での通勤にも、かなり慣れました。

 そこで先月の後半、館の仕事をやり繰りしてもらい、海外に出かけました。EAJRS、日本語にすると欧州日本関係資料専門家会議という国際学会の年次大会に出席したのですが、一昨年はベルリン、昨年はパリで開かれ、今年の開催地はベルギーのルーヴェン大学。この大学には、神戸・淡路大震災のあった1995年に交換教授として訪問して以降、たびたび訪れています。今回は、2011年以来3年ぶりの訪問。大会テーマは、「史料の保全・修復・デジタル化」。日本からは国文学資料館・国際日本文化研究所・東京大学史料編纂所などからの参加もあり、欧米の参加者とともに議論に加わりました。

 そのベルギーにはシャルルロワという姫路市の姉妹都市があり、隣の市立美術館は、ベルギー絵画の展示館として有名です。さらに歴史博物館自身も、日本ヨーロッパ年に当たる1989年秋、ベルギーの首都ブリュッセルで展覧会「日本の仏教美術」を開催し、鶴林寺の聖観音(国宝)などが展示されたことがあります。いわばベルギーと兵庫県・姫路市との間には、浅からぬ縁があるのですが、その理由はどこにあるのか気になり調べました。

 姫路市によれば、シャルルロワ市と姫路市の姉妹都市提携は1965年(昭和40)に結ばれています。機縁となったのは、前年64年1月のボードゥアン国王夫妻の来日と姫路来訪でした。驚いたことにこの時、国王夫妻は淳心・賢明の二つの学校を訪問しているのです(両校のホームペイジ参照)。

 淳心・賢明といえば、姫路駅から博物館へのバス通勤の途上、本町筋の右手で目に入ってくる学校です。ともに中高一貫の私立学校で男子は淳心、女子が啓明。詰め襟とセーラー服の伝統的な制服も懐かしく、通る度に、なぜこんな城跡に宗教系の学校があるのか、ズーッと気になっていた学校です。

   
 
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