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館長室へようこそ!

兵庫県立歴史博物館
館長 端 信行
【プロフィール】
 私は2002年から、兵庫県立歴史博物館で館長をつとめています。
 大阪府に生まれました。専門は文化人類学と比較文明論です。京都大学文学部を経て、1974年に国立民族学博物館助教授となり、1992年からは同館の教授を、2001〜2007年には、京都橘大学で教授をつとめました。
 
 ※端館長は2014年3月末日に退任し、現在は名誉館長です。このページは過去ページを表示しています。
【「館長室へようこそ」について】
 「館長室へようこそ」では、歴史博物館に関する話題や、兵庫県の歴史・文化のニュース、私が折に触れて感じたことなどを、皆さんにお伝えしたいと思っています。「歴史ステーション」にお越しになった時に、気楽に立ち寄って、おくつろぎ下さい。  みなさんのお便りなども、お待ちしています。
あて先 : Rekishihakubutsu@pref.hyogo.lg.jp
 

 趣味を“塾”で学ぶ―江戸時代の豊かさをいまの時代に― 2010年5月15日

 もう、皆さまには、いま当館で開催中の特別展『彩―鶴沢派から応挙まで―』をご覧いただけたでしょうか。展覧会の題名にある<鶴沢派>とは、江戸時代の中・後期に京都で独特の画風を確立しながら全国の門人に画を教えた、京都のいわば“画塾”なのです。

 “塾”は日本の伝統なんですね。いまのわたし達の社会では学習塾が大流行で、幼い子どもたちから大学生、社会人までさまざまな学習塾に通って学んでいます。現代は“学習塾”の時代と言っていいかも知れません。応挙が画を学んだ時代は、画の“塾”があったんですねえ。この展覧会では、地方に住む門人が京都の師匠に画を習う様子が丁寧に紹介されていて、大変興味深いものがあります。

 現代では、趣味を習うというと各種カルチャー・センターや行政の講座などがありますが、趣味を“塾”で習うというのもひと味ちがった学びかも知れません。というより、趣味というものは、師匠に就いて“塾”で学ぶのが本来のすがたではないでしょうか。

 そんなことを考えたこの展覧会、会期は6月13日(日)まで、ぜひお見逃しなく。


   
 
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