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大蔵谷の牛のり神事
 明石市大蔵本町[おおくらほんまち]の稲爪[いなづめ]神社では10月10日(旧9月9日)の秋祭りに牛乗[うしの]り神事が行われる。
 牛は大統[だいとう]と呼ばれる組から出される。大統の頭屋[とうや]の床[とこ]の間には弓に矢をつがえて立て掛ける。その前に紋入りの黒の紙張笠[かみはりがさ]に五色の短冊で面かくしをし、五色に色分けした尾をつける。尾花三本を束ね、これに杓子[しゃくし]を縛り付けて炮烙[ほうらく]に立てて置く。この炮烙は牛の口取りが、笠がわりに被[かぶ]る。
 8日の宵宮の夜、裃[かみしも]を着た大統の人が宮入りする。10日の神幸式[しんこうしき]に牛のりは頭屋[とうや]から出る。牛に乗る人は白の浄衣[じょうえ]に裃[かみしも]、顔を白く塗り、額に墨で「大」の字を書く。黒の紙張笠を被り、弓に矢をつがえて持ち、黒牛の背に乗る。
 牛の口取りは炮烙の笠を被り、紋入りの襦袢を着る。牛は赤地に唐獅子模様[からじしもよう]の刺繍[ししゅう]のある首輪をかけ、茶色の覆[おお]いを鞍の上にかける。
 牛乗りは大統の人に付き添われ、八幡神社まで引かれる。本殿を向き、牛の背に乗ったまま日の丸の扇を開き、大声で口上を述べる。終わるとそのまま神幸の列に加わり、稲爪神社まで行くと門前の石段下でも同様に口上を述べる。このあと牛のりは大統の人に付き添われて町内を練って帰路につく。

頭屋の床に飾られた牛乗りの持ち物 八幡神社の鳥居の前で牛を回す牛乗り神事 すすきの尾花と杓子をつけた炮絡の被り物をつける口取り 稲爪神社の門前で大声で口上を述べる牛乗り
頭屋の表にかけられた大統の幕