学校長挨拶



   本校は、大正9(1920)年に設立された兵庫県立第三神戸中学校にその淵源を発し、2020年には、創立100周年を迎える普通科高等学校です。

創立以来、近藤英也初代校長の掲げられた「智・徳・体の調和的発達による健全なる人格的基礎の形成」という「神撫(しんぶ)教育」の理念を引き継ぎ、生徒には、学業はもちろんのこと、行事や部活動にも真摯に取り組み、個性を伸ばし、自主自律の態度と自己教育力を育成する教育の実現に力を注いできました。

 これに応える生徒の努力によって、現在では、文武両道の公立高校の「雄」として、「兵庫県に長田高校あり」と評されるところとなっています。

 知識基盤社会といわれる21世紀が本格化し、グローバル化はわれわれの社会に多様性をもたらし、IoTやAIなど高度情報化の急速な進展や技術革新は、生活の質を変化させつつあり、学校教育を取り巻く状況は大きく変化しつつあります。本県普通科高等学校においても、学校の新たな魅力づくりや、県民の多様なニーズに対応する取り組みが一層求められています。


 本校におきましても、魅力ある長田高校づくりへの取り組みの一環として、平成25年度より、新たに「人文・数理探究類型」(定員40名)を設置し、伝統ある「神撫教育」の理念に基づきながらも、時代の変化、社会の変化に対応した教育を進め、高い志(こころざし)を持った次世代リーダーの育成に力を注いでいます。平成28年3月には、「人文・数理探究類型」の第1期生が卒業しました。

 「人文・数理探究類型」では、人文・社会科学や自然科学に対する興味・関心と、それらを積極的に学ぼうという強い意欲を持つ生徒を対象に、各教科の基礎学習を踏まえて、英語によるコミュニケーション能力を高めながら、実験・観察・調査・見学・体験・研究・報告・発表等の「探究」活動を通して、長田校生の科学的思考力・情報発信力・問題解決能力等を一層高める学習活動を行います。

 そのために、「探究」を進めるにあたって、国内の大学や研究機関や企業から第一線で活躍しておられる専門家や研究者10名ほどを招き、調べ学習との違いや探究の進め方、まとめ方に触れながら、専門分野についての講義をしていただき、生徒自身の多様な興味・関心に応じた「探究」活動ができるよう支援しています。

 また、「社会に開かれた教育課程」として、本校の卒業生で各界の第一線で活躍しておられる先輩方の最前線での経験談を聞く機会を、本校ではPTAの支援とOBの協力により、毎年20人程度の規模で実施しています。さらに、グローバル社会で活躍できる人材育成を目指して国際交流関連事業にも力を入れています。JICAの研修生やEU代表部など国際的に活躍している方々からの講義・講話に加え、英語を母国語とする国の大学生と英語によるディスカッションやプレゼンテーションを中心としたコミュニケーションを図る5日間のエンパワーメントプログラムを長期休業中実施するほか、2週間程度、オーストラリアの大学生と協働してフィールドワークを行い、その成果を発表する短期留学の機会を設けています。
 加えて、中国やタイなど、日本のように英語を学んでいる国の高校生との交流を通して、共通語としての英語を使う交流事業を機会を捉えて実施しています。


 こうした「総合的な学習の時間」や「探究」活動、海外の同世代との交流という、主体的・対話的で深い学びの経験を通して、本校生が将来広く国際社会に貢献できる次世代のリーダーとなってくれることを願っています。これからも、本校生が「智・徳・体」のバランスのとれた健全な高校生としてたくましく成長していきますよう、また、国際交流関連事業や「人文・数理探究類型」の「探究」活動が、本校の魅力ある教育活動として一層充実したものになりますよう、地域や保護者、そして卒業生の皆様のご理解、ご支援をお願いいたします。



兵庫県立長田高等学校長 小 山 智 久