Memory04
桜ヶ丘校舎
 教師になって3年目、私は風光明媚な大蔵谷にある明石南高校に赴任しました。山陽電車の大蔵谷駅を降りてすぐ、階段状に二階建ての古びた木造校舎と一棟の新しい鉄筋校舎が建っていました。前面には青々とした美しい海とその向こうには緑の美しい山並みをみせた淡路島が見渡せました。
 校内はといいますと、松・桜・ツツジ等、緑あふれる植木です。特に入学時期の桜の咲きっぷりは見事でした。その後のサツキ、ツツジの赤、白等、花が土手いっぱいに咲いているのなどは印象深く記憶に残っています。
 このような自然の環境は人の心を和ませると同時に若者に明日への活力をもたらしたものと思います。
 先生方もすばらしい方々でした。学者肌でいつも泰然とされている方、いつも知識欲、好奇心が旺盛で活動されている方、自らスポーツ万能で、生徒にスポーツを通じて人格を磨かせようとされている方等、一人一人の先生が生徒に知識と同時に人間としての何かをつかませるものを持っておられました。
 わずか1年でこの地を後にして現在の鳥羽の地に移ってきました。

(鷲野 健 元明南教諭)