「総合的な学習の時間」を使った防災教育
平成16年度(2004年度)、総合的な学習の時間を使って、2年生を対象にして、週に1時間、防災教育を通年で展開した。テーマは以下のとおり。
- インターネットを使って防災のさまざまな課題を調べる
- 「語り継ぎたい命の尊さ」【一ツ橋出版 住田功一】を使って「命」を考える
- 阪神・淡路大震災をクイズ形式で総括
- 藍染実習と吉野川の防災の知恵・絵本作り
- 世界の災害を英語で読む
- 歌を通してコミュニケーションの大切さを学び、ボディ・パーカッションで表現
- 阪神・淡路大震災を素材にディスカッションやワークショップ
- 自然や防災、命や仲間をテーマにした童話を読む
- 六甲山の立体地図をつくる
なお、上記の4コマの授業とは別に、学期に1回、防災のフレームを示す授業を行った。内容は災害の定義、自然環境・社会環境と災害の関係、ボランティア、まちづくり、途上国の知恵、防災とは何か、なぜ防災か、いつ防災か、など。4コマのさまざまな学習が防災というフレームにうまく入り、生徒の興味を持っているテーマが防災とつながっていることを示した。
目的
- 防災力を持った市民を育成する。
- 防災教育を通して教科の学習意義を再確認する。
- 多くの教員が参加することで防災教育に広がりを持たせる。
方法
- 実施クラス数+αの教員が、自分の得意な防災の話を用意する。
分野は大別すれば自然環境と社会環境、
細かく分ければ「地震のメカニズム」「災害と文学」「国際貢献」「非常食」「ボランティア」「命」
などさまざま。
- それらの教員が一人4時間を持ち時間として、各クラスをローテーションで回る。
- 生徒から見れば、年間で6〜7人の先生が自分の得意な防災の話をしてくれることになる。
- 防災の骨格となる話については環境防災科の教員が全体を対象に講演する。
時間
- 週に1時間を時間割の中に配当する。
- 一つのトピックについて4時間を持ち時間する。
- 全体への講演は年に3回とする。
成果
- 教員にとって、自分の得意分野から防災にアプローチすることになり、
取り組みやすく、広がりを期待できる。
- 生徒にとってさまざまな分野の防災を聞くことができ、
社会環境と防災、自然環境と防災について知識を深めることができる。