![]() 下加茂遺跡の発掘調査成果について −現地説明会資料より− |
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下加茂(しもかも)遺跡は洲本市街の北を流れる洲本川の左岸にあります。このたび、市道加茂中央線道路改良工事に先立ち、洲本市の依頼を受けて6月より発掘調査を行いました。 今回の調査地(洲本市下加茂2丁目)は、大正11年〜昭和41年に営業されていた淡路鉄道の旧鉄道敷部分を含む、幅約14m、長さ約100mの範囲で、調査区の東約数10mには下加茂駅のプラットホームが残っています。調査の結果、以下のような発見がありました。 1.弥生時代中期の方形周溝墓(ほうけいしゅうこうぼ)4基と円形周溝墓2基。 2.方形周溝墓の溝から、ほぼ完形の紀伊型甕(きいがたかめ)のほか壺や鉢が出土。 3.弥生時代前期の水田。 |
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| 方形周溝墓全景(2号墓の上あたりから3号墓・4号墓を見る) |
| 発見!(その1)弥生時代の周溝墓 周溝墓は調査区の西半で発見され、方形が4基、円形が1基あります。 調査区の中央付近にある3号墓は東西約6m、南北約8mの方形周溝墓です。1号墓と2号墓は方形の1隅しか確認できませんでしたが、3号墓よりもかなり大きく、1号墓は1辺が10m以上になると予想されます。溝の底には細粒のシルト層が薄く堆積していて、ほぼ完形の壺や甕、鉢が出土しました。死者を弔う儀礼に使用されたものでしょう。1号墓と2号墓では、その上が洪水砂で一気に埋まっていました。 また、4号墓は径約5mの円形周溝墓で、3号墓の溝が埋まった後に造られています。 出土した土器から、これらの周溝墓は、方形が弥生時代中期前半(約2200年前)に、円形が中期後半(約2100年前)に造られたと考えられます。 ところで、墓には人が埋葬されたところがあるはずですが、今回発見された周溝墓では後世に削られるなどして残っていませんでした。 |
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発見!(その2) 紀伊型の甕 紀伊地方特有の形をした甕形土器で、胎土(たいど)には結晶片岩(けっしょうへんがん)という和歌山市周辺で産する石の砂粒が含まれています。 弥生時代中期前半を中心に多くの土器が畿内〜播磨、淡路などに運ばれていますが、淡路で完形品が出土したのは初めてです。 |
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発見!(その3)弥生時代前期の水田 方形周溝墓や溝が発見された地層から、さらに約60p掘り下げると、黒色の粘土層が堆積しています。その数p上の地層で水田が発見されました。土を寄せ集めた低い畦で1筆1筆を区画したものです。3mほどの間隔で、細長く区画したところを横に仕切って、方形に小さく区画しています。 弥生時代前期の水田は、西淡町の雨流(うりゅう)遺跡に次いで、淡路で2例目です。 |
| 水田跡を発掘するには、畦を見つけることが大切です。洪水で水田が埋まったような場合、砂を少しずつ削ってゆくと少し黒っぽい色をした粘土質の畦の部分が、筋状に見えてきます。右の写真で、おぼろげに見える畦がわかりますか。 | ![]() |
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| まとめ 今回の調査では、弥生時代中期の周溝墓や、前期の水田など、当初予想していた以上に多くの成果が得られました。 周溝墓には方形と円形があり、方形では規模の大小がみられます。一般に、方形周溝墓は中期後半に大型化しますが、1辺10m以上となる1号墓は、前期〜中期前半の例としては県内でも大型のものです。また、円形周溝墓は方形よりも後に造られ、規模も小さくなっています。1・2号墓の溝が一気に埋まってしまうような大洪水があったようで、集落の衰退とも関わりがあるかもしれません。 住居跡などは発見されませんでしたが、周溝墓や水田を残した下加茂ムラの人々は、ここよりも少し高い北側に住居を建てて生活していたのでしょう。 また、下加茂遺跡周辺では、縄文時代〜弥生時代前半の遺跡として東約600mにある武山遺跡がよく知られおり、周溝墓も発見されています。洲本市域での最初の稲作は、下加茂〜武山の一帯で開始され、次第に上流へと広がっていったと考えられます。 |
| 7月26日(土)に行われた現地説明会には、170名もの見学者があり、大変盛況でした。 説明会の後も、8月中旬まで発掘調査は続けられましたが、1号墓の溝の底からあっと驚く発見がありました。赤彩された精巧な杓子(写真右)をはじめ鋤や鍬などのたくさんの木製品が出土したのです。 |
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