[ 県立三原高等学校・県立志知高等学校 ]
1 淡路学区新高校の設置について
(1) 設置の基本的枠組み
「県立高等学校教育改革第一次実施計画」に基づき、以下の点を基本的な枠組みとして、三原・志知高等学校新規構想委員会において検討を行った。
@ 三原高等学校と志知高等学校の発展的統合により設置する。
A 両校の取組を発展させる形で統合整備して特色ある普通科を設置する。
B 設置場所は、現三原高等学校(南あわじ市市円行寺)の校地校舎とする。
C 開校は平成19年4月とする。
(2) 基本的な教育理念等
幅広く、深い学びを通して、変化の激しい時代をたくましく生きる力を確実に身につけた人間を育成する。
豊かな自然と伝統ある文化を持ったふるさとを舞台に、地域を愛する心豊かな人間を育成する。
@自己の可能性を最大限に伸ばし、進路を実現する力と意欲を持った人間を育成する。
A豊かな人間関係の中での体験を通して、自己の有用性を自覚し、共生の心と自律の心を持った人間を育成する。
Bふるさとの自然や伝統を愛する心を持ち、地域社会の発展に貢献できる人材、国際的な視野に立って活躍できる人材を育成する。
2 設置する学科及び学校規模等
学科:普通科
学校規模:1学年7学級程度(平成18年度に決定し公表)
(平成19年度)
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普 通 科 |
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(1)(自然科学 系コース) 〈 1学級 〉 |
(2)( 類 型 )
〈 6学級程度 〉 |
(1) 自然科学系コース
@ 設置の目標
数学・理科を重点的に学びながら、将来の学問・研究や職業につながる幅広い学問分野や高い専門性を視野に入れたものの見方・考え方、課題解決力を育成する教育活動を行う。
A 内容の工夫
大学や研究機関、企業等との幅広い連携や、実験・実習、フィールドワークなど多様な実践的活動を工夫する。
(2) コース以外のクラスの類型と学習目標
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類 型 名 |
目 標 |
総合理科系 |
数学・理科に重点をおきながら、将来にわたる教養の基礎とな る普通科目の学習を深め、理工系・農学系・薬学系等の自然科学 各方面への進路をめざす生徒を育成する。 |
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総合文科系 |
将来にわたる教養の基礎となる普通科目を総合的に学習し、人 文科学各方面への進路をめざす生徒を育成する。 |
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人文・社会系 |
国語・地理歴史・英語に重点をおきながら、生徒の個性・能力 を伸ばすための多様な選択科目を用意し、それぞれの分野で活躍 できる生徒を育成する。 |
福祉・ ボランティア系 |
医療・福祉に関する体験的学習により実践力を身につけて、医 療・看護・福祉方面への進路をめざす生徒を育成する。 |
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情報系 |
ビジネスソフトの活用やマルチメディアなどを学習し、情報関 係の資格取得をめざしながら、情報関係への進路をめざす生徒を 育成する。 |
(3) 特色ある教育活動
@ キャリア教育の観点に立ったきめ細かな進路指導の推進
職業のプロを招いたり、大学・専門学校や研究機関、企業と連携することを通じて、一人一人を大切にしたガイダンス機能を充実させ、幅広い進路希望に対応し、生徒の夢を実現させる指導を行う。
A 情報機器を積極的に活用した教育活動の推進
国際化・情報化社会に対応したコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力の育成を目指し、コンピュータなどの情報機器を積極的に活用した教育活動を行う。
B 豊かな自然を実践的に学べる地域の特性を活かした探究活動の充実
「総合的な学習の時間」等を利用し、南淡路の自然環境や地域産業等について、フィールドワーク等による探究活動を行う。
C 豊かな心を育む教育活動の推進
地域の保育所、養護学校、老人ホーム、作業所などの各種施設と連携した福祉・ボランティア活動等、こころ豊かにたくましく生きる力を育成する教育活動を行う。
D 郷土芸能の伝承活動を中心とした学校文化の創造
重要無形文化財である大久保踊りの体験・発表、また、淡路人形浄瑠璃・淡路だんじり唄等の伝承活動を行う地域の小中学校等や伝統文化の伝承に取り組む県内外の高校等との幅広い交流を通じて、郷土を愛する心を育てる教育活動を行う。
(4) 総合的な学習の時間
@ 自然科学系コース
・「自己探求」「職業研究」「学問研究」等としての探究活動を行うことによって、自己の進路を切り開く能力を身につけることを目標とする。
・自然科学系コースの特色を生かして、「自然科学探究」として自然科学に関する分野について深く探究活動を行い、将来の学問・研究につながるものの見方・考え方、課題解決力を育成する。
・展開にあたっては、大学や研究機関等との連携やフィールドワークなどの実践的活動、地域の教育資源の活用を積極的に行う。
A 自然科学系コースを除く類型
・「自己探求」「職業研究」「学問研究」等としての探究活動を行うことによって、自己の進路を切り開く能力を身につけることを目標とする。
・国際理解、環境、政治経済、科学技術、医療分野、防災、福祉等のテーマについて学習することによって、社会への視野を身につけ、自分と社会との関係を考える教育活動を行う。
・展開にあたっては、地域の教育資源の活用を積極的に行う。
3 教育課程
(1) 編成の基本方針
教育課程の検討にあたっては、現在の三原高等学校及び志知高等学校のそれぞれの取組を継承・発展させることに努める。
@ 学年制普通科の趣旨を踏まえ、各教科をバランスよく学び、国民的教養を身につけることを目標とする。
A 三原高等学校の「科学コース」の実績を踏まえ、自然科学系コースを設置する。
B 生徒の興味・関心、多様な進路希望に対応するため5つの類型を設置し、幅広い選択科目から柔軟な選択履修ができる総合選択制的なシステムを導入する。
C 生徒の学習の状況や教科・科目等の特性に応じて少人数授業・習熟度別授業・ティームティーチング等、個に応じた指導を積極的に導入する。
D 生徒の興味・関心に対応し、資格取得をめざす科目を設置する。
E 社会人講師や地域の人材、教育資源を有効に活用する。
(2) 編成の工夫
編成の基本方針の具体化のため、次のような編成上の工夫を行う。
@ 自然科学系コースでは第1学年からコースの特色を工夫する。
A 自然科学系コース以外の第1学年は、芸術科で科目選択するが、その他の教科では基礎・基本となる科目を全員が共通に履修する。
B 第2、3学年では5つの類型を設置し、それぞれの類型の特色を踏まえながら普通科としての基礎・基本となる教科・科目を履修する。必要に応じ、科目内での選択科目を履修する。
C 第3学年では5つの類型の特色をさらに進めた選択科目を履修できるように工夫する。
D 選択科目履修にあたっては、総合選択制的なシステムの良さを生かした柔軟な選択ができるように工夫する。
E 充実した教育課程になるよう、科目・内容等について今後さらに検討を加える。
(3) 設置する教科・科目(予定)
3年間で学ぶ必履修教科・科目に加え、特色ある教科・科目として以下のような学校設定教科・科目を設置することとして検討を進める。
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学校設定教科 |
福祉活動、現代教養 など |
学校設定科目 |
情報リテラシーT、情報リテラシーU、文書処理技術、 ボランティア実践、介護福祉、現代教養、インスパイア キャリアチャレンジ など |
(4) 教育課程
平成18年度中に決定する
4 施設・設備・備品について
(1) 施設・設備についての基本的な考え方
現三原高等学校の現有施設・設備を活用することを前提に、教育課程の検討結果を踏まえた学習展開の実現に必要な改修整備を行う。
(2) 施設・設備の状況
@ 敷地の状況
現敷地面積は50,470u(建物敷地6,191u、運動場19,558u)
A 現有施設の状況
三原高等学校の校舎は昭和49年〜57年に建築され、現在24学級の普通教室を有する。
5 今後の検討組織について
開設準備委員会を設置し、残された課題を県教育委員会と協議しながら検討を続ける。
開設準備委員会は、両校の校長を座長として新規構想委員会の委員を中心に構成され、新高校設置に向けて以下の部会を設置し、具体的な内容について両校間で協議を進める予定である。
6 今後のスケジュール(予定)
平成17年11月〜 開設準備委員会
平成19年1月1日〜 新高校設置
(開校準備委員会)
平成19年4月1日〜 開 校