神戸工業高等学校ホームページ


平成31年度入学式学校長式辞

校庭の桜も満開となり、 まさに春爛漫という言葉がふさわしい今日の佳き日に、平成三十一年度第七十四回入学式を挙行できますことは、私達教職員にとりまして、誠に大きな喜びであります。

  この栄えある入学式に、公私ご多用のところ、ご臨席を賜りました、同窓会会長 長田様、 育友会長 山分様 をはじめ、多くのご来賓の皆様に、高いところからではございますが、厚くお礼申し上げます。 

ただいま入学を許可いたしました63名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。教職員をはじめ、在校生一同、皆さんを心から歓迎いたします。

働きながら学ぶ定時制高校の生活は決してたやすいものではありません。時につまずき、立ち止まることもあるでしょう。しかし、皆さんは一人ではありません。皆さんには、同じ思いを乗り越えた友や先輩、そして、いつでも応援している先生方や家族の皆さんがいます。いろんな人たちに支えられ、またいろんな人たちを支えながら高校生活を送ってください。

 本校は明治四十五年に創設され、今年で一〇七年目となる伝統校で、一万二千人を超える卒業生を輩出してきた県下を代表する定時制工業高校です。卒業生は、優秀な工業技術者として、県内各地で地域の産業の発展に大きく貢献しています。皆さんも、本校の伝統を継承しつつ、「ものづくり」を通して、新しい歴史を築いて欲しいと思います。

 さて、平成という時代が終わりを告げ、五月一日からは令和の時代が始まります。令和という元号は、万葉集の梅花の歌三十二首の序文 「時に、初春の令月(れいげつ)にして、気淑(よ)く風和(やわら)ぎ、梅は鏡前(きょうぜん)の粉を披(ひら)き、蘭(らん)は珮後(はいご)の香を薫(かおら)す。」を出典としています。厳しい冬を越え、初春の良い月に、和らいだ風の中、梅が咲き誇り、蘭が香り高く咲いている様を意味するこの序文は、今、希望を抱きながら高校生活を始めようとしている皆さんの姿と重なります。今皆さんが胸に抱いている希望や夢が香り高く花開くよう、教職員一同、全力で応援したいと考えています。

 新入生の皆さんに、私からお願いがあります。情報技術が進む中、時代は今大きく変化しています。ある専門家はAI(人工知能)の発達に伴い、2045年には、現在ある仕事の八割近くが消滅するだろうと警鐘を鳴らしています。そんな来たるべき時代を担うのは、誰あろう皆さんです。社会の変化をしっかりと見極め、今何が必要なのか、自分に何が求められているのかを考えながら行動する力、そして、そんな社会を生き抜く力を身につけてください。工業高校だからこそ身につけられる技術や知識をその種にして、美しい大輪の花を咲かせる努力をして欲しいと強く願います。

 最後になりましたが、今日まで新入生の皆さんを温かく見守り、励ましてこられました保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。お子様方にとって、本校が「本当の学びの場」となるよう、教職員一同、全力で教育活動に取り組む所存でございます。本校の教育活動にご理解を賜るとともに、温かいご支援・ご協力を賜りますよう高い席からではございますが、切にお願い申し上げ、式辞といたします。

 

                平成三十一年四月九日
                兵庫県立神戸工業高等学校
                第二十四代校長  愛川 弘市