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第3学期始業式(R2.1.9)校長挨拶

 

みなさん、明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。

さて、今年はいよいよオリンピックの年、開催は夏休みの時期になりますが、日本を代表するアスリートたちの活躍が今から楽しみであります。それから、もう一つ忘れてはならないのは、阪神淡路大震災から25年目を迎えるということです。

私は戦争を知らない世代です。でも、戦争の悲惨さは知っています。それは文学作品から、そして年長の人たちから語り伝えられてきたからです。昨年、三年生のみなさんと訪れた沖縄で、語り部の安田さんが涙ながらに語って下さった沖縄戦の悲惨さが、身をもって感じられるからです。

君たちは震災を知らない世代です。是非、書物から、報道からそして、語り部からその悲惨さを伝え聞いてください。

私は結婚後3ヶ月目に被災しました。ローンを組んで購入し、リフォームしたばかりのマンションは半壊になりました。買ったばかりの電化製品も家具もすべて失いました。激しい揺れの中で私は、「人はこうやって死んでいくんだな」と覚悟したほどでした。現に私が住んでいる伊丹の阪急電車の駅が倒壊しました。神戸では三ノ宮のビルが傾きました。長田の商店街が焼失しました。あの日私たちはたくさんのものとたくさんの尊い命を失いました。 

戦争は人の理屈で起こる悲劇です。だから話し合いで避けることができます。けれども天災は自然の理屈で起こる悲劇です。だから防ぎようがありません。大切なのは、「よそ事」「他人ごと」ではなく「自分ごと」として意識すること。

 1月17日を是非そんな思いで迎えてもらえたらと思います。