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    第2学期終業式(H30.12.21)校長挨拶

 皆さんこんばんは。早いもので、今年も残り10日となりました。「1年の計は元旦にあり」といいますが、皆さんは今年の初めに立てたいろいろな計画を振り返って、目標通りに一年間を過ごせましたか。今年の反省を生かして、来年の元旦には新しい「計」を立ててください。

 さて、来年のえとは?と尋ねられて、皆さんは答えることができますか。答えは「^」です。ところで十二支のことを「えと」と呼びますが、そもそも「えと」って何のことかご存じでしょうか。

中国の古い思想に、例えば明暗、高低、奇数偶数のように世の中のものを二つに分ける陰陽説という考え方があります。陰陽説では陽を「え」、陰を「と」と呼び、それぞれ漢字では「兄」、「弟」と表記します。また、自然界は、木、火、土、金、水の五つのものでできている五行説というものがあり、これを組み合わせて十干と呼びます。例えば木の年の「え」にあたる年を「きのえ」木の年の「と」にあたる年は「きのと」と呼びます。陰陽の二通りの考え方と五行の五通りの考え方が組み合わさるので十干です。ちなみに「きのえ」は漢字で「甲」、「きのと」は「乙」で表します。この十干と十二支の考え方が合わさったのが、いわゆる「えと」と言われる考え方です。皆さんがよく知っている「甲子園」は「きのえね」の年にできたのでそう名付けられました。

十干と十二支が組み合わさると120通り組み合わせがあるように見えますが、実は陰陽が混ざり合うことはないので、奇数は奇数、偶数は偶数の組み合わせとなり、その半分の60通り。つまり、60年で元のえとに戻るので、60歳を迎えた年を暦が返ると書いて「還暦」と呼びます。

 平安時代に伝わったこうした考え方は、例えば五行説は曜日や星の名前、十二支は時刻(午前午後の「午」は午の刻のこと)や方角など、我々の日常生活の中、現在でも使われていて、大げさに言うと1000年以上前の思想の上に現在我々は立っているということになります。

話を戻しましょう。来年の干支は「つちのとい」です。漢字で書くと「己亥」と表します。「己」は三本の線が正しく並んでいる様、「亥」は木偏をつければ「核」という字になるように「種の中に力を蓄える」という意味があります。自分の将来についてしっかりと考え、その実現のために力を蓄える。来年の元旦はこの考え方を元にして是非1年の計を立ててください。