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     第2学期始業式(H30.9.3)校長挨拶

 皆さんこんばんは。夏休みいかがでしたか。1学期の終わりに、夏休みという機会を生かして普段できないこと、例えば一人旅に挑戦してくださいというお話をしました。なにかにチャレンジしましたか。

 さて、今日は皆さんに2つの話をしたいと思います。1つは9月1日について。もう1つは、この夏の出来事で印象に残ったことについてです。

9月1日は皆さん何の日か知っていますか。答えは「防災の日」です。1960年、伊勢湾台風が襲来した翌年に定められたのですが、関東大震災が192391日に発生したことに由来しています。明治の科学者寺田寅彦は「天災は忘れた頃にやってくる」という有名な言葉を残していますが、科学技術が発達した現在では天災もある程度予測できるようになっています。にもかかわらず被害が出てしまうのは、「自分は大丈夫」、「ここは今まで被害が出たことはないから」と高をくくっているからです。台風21号の進路予想図を見ると非常に強い勢力のまま、明日の日中には近畿地方に上陸するということです。今日のうちから十分に準備を行っておいてください。

 2つ目の夏の出来事についてですが、振り返ると今年の夏は本当にいろいろなことがありました。記録的猛暑、台風、ゲリラ豪雨、スポーツ界の問題など。また、津川雅彦さんや菅井きんさんなど一時代を築いた著名人の死も多く報道されました。

 中でも私にとって衝撃的だったのは、漫画家でエッセイストのさくらももこさんの突然の訃報です。十年近くも乳がんで闘病されていたのですが、近しい人以外にはその事実を伝えていなかったそうです。

アニメの中で描かれる、駄菓子屋でお菓子を買ったり、公園で遊んだりするちびまる子ちゃんの世界は、同年代の私の、子ども時代そのものでした。様々な個性の登場人物たちが、泣き、笑いしながら、最後には認め合っている姿は、きっと皆さんも同じだと思いますが、日曜の夜の物寂しい心を和ませてくれました。

 高校時代に小論文の採点者から「現代の清少納言」と評されたというさくらさん。エッセイ集「もものかんづめ」や「さるのこしかけ」、「たいのおかしら」でも独特の感性を光らせています。

 まだまだ暑い日が続きますが、暦の上では「秋」です。食欲の秋、勉強の秋、スポーツの秋、読書の秋、そしてものおもふ秋。防災について改めて考えるのもよし、さくらももこさんのエッセイで読書に浸るもよし。充実の秋を過ごしてください。