神戸工業高等学校ホームページ


平成28年度入学式学校長式辞

 

 六甲の山並みや神戸の港にも春の息吹を感じる今日の佳き日に、平成二十八年度入学式を挙行できますことは、私達教職員にとりまして、誠に大きな喜びであります。

この栄えある入学式に、公私ご多用のところ、ご臨席を賜りました育友会長様、同窓会長様をはじめとするご来賓の皆様に、高いところからでございますが、厚くお礼申し上げます。

 また、今日まで新入生の皆さんを温かく見守り、励ましてこられました保護者の皆様にも、心からお祝いを申し上げます。

 さて、ただいま入学を許可いたしました七十三名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。教職員をはじめ、在校生一同は、皆さんを心から歓迎いたします。

 新入生の皆さんは、今日から、兵庫県立神戸工業高等学校の生徒として、高校生活を送ることになりました。皆さんには、これから始まる新たな生活に対して、希望と共に大きな不安があると思います。しかし、今のその気持ちは皆さんだけのものではありません。家族をはじめ、ここにいる全ての方々が、皆さんと心を共有しています。この方々と協力して、本校に学ぶ目的を達成して下さい。

 今日から皆さんの多くは、働きながら学ぶことになるでしょう。

 仕事を終えて登校し、世間の人が休息する頃に、学校で授業を受けることは、我慢が必要です。しかし、その我慢こそが、皆さんを大きく成長させる糧になると信じて下さい。時には登校することがつらくなるかもしれません。しかし、学校に来れば、同じように頑張っている友達や先輩に会えます。皆さんのことを親身になって考えてくれる先生方がいます。今日の気持ちを忘れず、一歩一歩進んで下さい。

 本校は明治四十五年に創設され、今年百四年目を迎える伝統校です。一万人を超える卒業生を輩出してきた県下を代表する定時制工業高校です。卒業生は、優秀な工業技術者として、県内各地で地域の産業の発展に大きく貢献しています。皆さんも、本校の伝統を継承しつつ、「ものづくり」を通して、新しい歴史を築いて欲しいと思います。

 先行き不透明で変化の激しい現代を生き抜くためには、漠然とした夢ではなくはっきりとした目標すなわち「こころざし」を高校時代に培い、昨日よりは今日、先週よりは今週、昨年よりは今年と、前を向き一日一日、自らを優れた状態に高めながら、着実に「こころざし」に向かって進むことが大切です。

 将来を切り拓いていくものは、持っている知識も大切ですが、自らの「こころざし」を堅持して生きていくことです。ぜひ、この神戸工業高校で「こころざし」を培って下さい。

 さらに、学校は多様な価値観を持った人達が集団で生活する場であり、ひとつの社会を構成しています。学校で生活する人が、安全・安心で気持ちよく学校生活を送るために、皆さん一人一人がルールを守る意識を高め、互いを思いやる気持ちを持って欲しいと願います。

 保護者の皆様にお願いいたします。新入生の皆さんの人生において、本校が本当の学びの場となるよう、教職員一同、全力で教育活動に取り組む所存であります。皆様には、本校の教育活動にご理解を賜るとともに、温かいご支援・ご協力を賜りますよう高い席からではありますが、切にお願い申し上げます。

 最後に、新入生の皆さんの健やかな成長と今後の活躍を心から期待しまして、式辞といたします。

 

    平成28年4月11日

                     兵庫県立神戸工業高等学校

                   校 長  長船 洋二郎