神戸工業高等学校ホームページ


平成27年度入学式学校長式辞

 

 寒の戻りでやや肌寒いですが、春の日差しが降り注ぎ、木々が一斉に若葉を開く鮮やかな季節を迎えました。

 本日、この佳き日に、平成27年度入学式を挙行できますことは、私達教職員にとりまして、誠に大きな喜びであります。

 この栄えある入学式に、公私ご多用のところ、ご臨席を賜りました、育友会長様、同窓会長様をはじめとするご来賓の皆様に、高いところからでございますが、厚く御礼申し上げます。

 ただいま入学を許可いたしました107名の皆さん、ご入学おめでとうございます。また、新入生の皆さんを今日まで慈しみ育ててこられた保護者の皆様、お子さまのご入学を心からお祝い申し上げます。

 さて、新入生の皆さんは、ただいまから、県立神戸工業高等学校の生徒として、高校生活を送ることになります。本校は、明治45年に創設され、今年103年目を迎える県下でも有数の伝統校です。1万人を超える卒業生が、工業技術者として、各地で地域産業の発展に大きく貢献しています。皆さんには、伝統ある本校の生徒としての誇りを持って欲しいと思います。

 また、在校生や最近の卒業生も頑張っています。昨年度は、全国レベルの建築設計競技で最優秀賞を受賞した生徒や、高いレベルの工業に関する資格を数多く取得し全国工業校長会から特別に表彰を受けた生徒がいます。部活動でも陸上部、バトミントン部、卓球部、パワーリフティング部など多くの部が全国大会に出場しました。また、今年の2月に卒業した50人の卒業生の中には、3年間あるいは4年間、一度も欠席・遅刻・早退がなかった皆勤の人が4人もいました。

 さらに、本校を卒業して大学・大学院に進学し、大学院2年生の昨年度、本校で講師として勤務してくれた卒業生が、大阪府の教員採用試験に合格し、この春から大阪府の高校で正教員として教壇に立ちます。新入生の皆さんもこうした先輩に続いて欲しいと思います。

 こうした先輩が、必ずしも中学校の時に成績や部活動ですばらしい実績を残していたわけではありません。中学校の時は不登校だった人も、全日制高校を中途退学して本校に入学した人もいます。むしろ、本校に入学してから一生懸命頑張った人が多いのです。昼間仕事をしたあと学校で学び、さらにその後、部活動や資格取得のための勉強に取り組むことは、体力的にも精神的にもつらいことも多くあったと思いますが、それを乗り越えて頑張ったのだと思います。

 
 誰もが「かっこいい人間」になりたいと思っています。では、どんな人間がかっこいいのでしょうか。本当に「かっこいい人間」は、見た目ではありません。つらいことやしんどいことに直面したとき、先ほど紹介した先輩のように、逃げずに正面からぶつかり、そしてそれを乗り越えることのできる人間が一番「かっこいい」のです。

 
新入生の皆さんも、多くの人が昼間仕事をしてから学校に登校することになると思います。仕事を終えてから、夜、学校で授業を受ける中で、時には登校することがつらくなることがあるかもしれません。しかし、そのときどうするかが一番大切です。

 本校に入学したことは、皆さんにとって変わることの出来るチャンスです。本当に「かっこいい人間」になるために、つらさやしんどさを乗り越えて、頑張って欲しいと思います。

 
ただ、「頑張ろうと思っても勉強が難しくて分からない」、そんな人もいるかもしれません。そんな時は、先生に相談してください。本校の先生方は、皆さんの話をしっかり聞いて、本気で頑張ろうとする生徒を、全力で応援します。

 
保護者の方にお願い致します。教職員一同、全力で教育活動に取り組みますので、心配なことがございましたら、どんなことでもご相談下さい。また、本校の教育活動にご理解を賜るとともに、温かいご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 最後に、新入生の皆さんが、本校で有意義な高校生活を送ることができることを心から祈念して、入学式の式辞といたします。

 

 

    平成27年4月9日

                     兵庫県立神戸工業高等学校

                   校 長  中谷 安宏