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第2学期終業式(H27.12.24)校長挨拶

 

  本日で、平成27年度の2学期が終了します。2学期は大きな行事として10月に体育大会がありました。皆さんの頑張りで、けじめのついた楽しい行事になりました。また、9月の地元笠松商店街でのふれあい夏祭りや、神戸地区生活体験発表会、11月の工業教育フェア、12月の福祉施設でのボランティアでは、それぞれ参加した生徒が本当によく頑張ってくれました。さらに、部活動でも、日本工業大学のコンペで1位・日本大学のコンペで2位になった建築設計競技部や、近畿大会で3位になった柔道部を始め、1学期に引き続き頑張ってくれました。

 また、3・4年生では、この2学期に多くの人が就職試験や大学・専門学校の入学試験を受験しました。見事に会社から内定を頂いた人、入学試験に合格した人、本当におめでとう。でも、まだこれから就職試験や入学試験を受験する人もいます。最後まであきらめず、自分を信じて頑張って欲しいと思います。

 さて、今日は皆さんに、金子みすずさんの「星とたんぽぽ」という詩を紹介します。

   青いお空のそこふかく、       ちってすがれたたんぽぽの
   海の小石のそのように、       かわらのすきにだァまって
   夜がくるまでしずんでる、      春のくるまでかくれてる、
   昼のお星はめにみえぬ。       つよいその根はめにみえぬ。
   見えぬけれどもあるんだよ      見えぬけれどもあるんだよ
   見えぬものでもあるんだよ      見えぬものでもあるんだよ

 昼の星は太陽の光があるために見えないけれど、昼の空にも星はあるんだよ。同じように、春になって茎が伸びて花が咲くまで隠れていてわからないけれど、たんぽぽの根は土の中にあるんだよ。そういう詩です。私はこの詩を初めて読んだときに、最後の2行「見えぬけれどもあるんだよ。見えぬものでもあるんだよ」が非常に心に残りました。

 見えないけれどもあるものって、他にどんなものがありますか?「風」「空気」・・・なんかもそうですね。でも、「好きだな、大切だなっていう気持ち」、逆に「嫌いだな、苦手だなって気持ち」、また、「友達を思う友情」、「親の心遣い」といったものも、目に見えないけれどあるものではないですか?

 私たちは、普段、自分の心の中の気持ちをすべて表に出しているわけではないと思います。だからこそ、いろんな人とつきあっていくには、目に見えているものだけでなく、見えないものを見ようとする努力が必要なのではないでしょうか。自分の気持ちをそのままストレートに言葉としてぶつけたり、行動にしてしまったりして失敗したことがある人は、この中にもいると思います。

 実は、皆さんも読んだことがあると思う「星の王子さま」という童話の中にも、おなじような文章があります。少し紹介します。

 「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは目に見えないんだよ」

 見えないものの中にこそ、大切なもの、真実があるのだということだと思います。一度、じっくりと考えてみて下さい。ともあれ、明日からの冬休み、家族や友達など大切な人と、充実した時間を過ごしてください。そして、1月8日の始業式にはまた元気な姿を見せてください。以上で、2学期の終業式の話を終わります。