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第3学期終業式(H27.3.23)校長挨拶

 

  3学期の終了にあたり、少し話をします。

まず、先月2月25日の卒業式のことです。50人の3・4年生が本校を巣立っていきましたが、卒業式は本当に厳粛な雰囲気で実施することが出来ました。当日中学校の校長先生が2人来られていましたが、式が終了してから、皆さんの態度をとても褒めていただきました。私も、本当に立派な態度だったと思います。

 また、2月7日には、「高校学校魅力・特色作り活動発表会」に県下の定時制高校の代表として、本校の生徒会執行部の皆さんが、「親子工作教室」や「ふれあい夏祭り」「クリーンプロジェクト」「特別養護老人ホームでのボランティア活動」などの本校のふるさと貢献活動について発表してくれました。すばらしい発表で、兵庫県の教育長からの感謝状も頂きました。当日の発表の様子は、県教育委員会のホームページで動画配信されていますので、皆さんも一度見て下さい。

  さて、今日は「世界一貧乏な大統領」と言われる、南米ウルグアイのホセ・ムヒカ大統領について少し話をしたいと思います。皆さんは、なぜ「世界一貧乏な大統領」と言われるかを知っていますか。その理由は、ホセ・ムヒカ大統領が収入のほとんどを慈善事業などに寄付し、小さな住宅で奥様と2人で質素な暮らしをしているからです。また、国民に気軽に声をかける庶民的なことでも知られています。今年になってからは、仕事が遅くなってバスに乗れず困っていたウルグアイのある国民が、ヒッチハイクをしようと道路で手を上げたところ、多くの車が無視して通り過ぎたにもかかわらず、車を止めてヒッチハイクで送り届けてくれたのが大統領の車だったというニュースも報道されました。日本では、総理大臣の車にヒッチハイクしてもらうなんて考えられませんね。
 実は、ホセ・ムヒカ大統領が世界的に有名になったのは、2012年7月にブラジルのリオデジャネイロで開かれた、環境と開発に関する国際会議でのスピーチです。今日は、そのスピーチの中の一節を紹介します。
「貧乏な人とは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ。」

 この言葉を聞いて、私はとても考えさせられました。私たちは、ものがたくさんある世の中に暮らしています。それなのに、さらにいろんなものを際限なく欲しがっているのではないか。そういう人は、お金がなくて少ししかものを持っていない人よりも、実は心が貧しいのではないか。お金がたくさんあっても、心が貧しければ必ずしも幸せではないのではないか。そんなことを感じました。ホセ・ムヒカ大統領は、スピーチの中でこんなことも言っています。
「私たちは、幸せになるためにこの地球にやってきたのです。人生は短いし、すぐ目の前を過ぎてしまいます。命よりも高価なものは存在しません。」
皆さんもホセ・ムヒカ大統領の言葉の意味を、少し考えてみて下さい。

 今日で平成26年度が終了します。1年間いろいろなことがありましたが、4月からは新しい年度が始まります。新入生も入学してきます。また、新しい出会いが待っています。皆さん、4月8日の始業式には、新たな気持ちで元気な姿で集まりましょう。

 以上で、3学期の終業式の話を終わります。