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第2学期始業式(H26.9.1)校長挨拶

 

  約40日の夏休みが終わりました。今年の夏は、台風や大雨によって各地で大変な被害が出ました。広島県では、8月下旬の大雨による土砂災害で、70人以上の方が亡くなりました。兵庫県でも、丹波市で大きな被害が出ました。自然災害の恐ろしさ、命の大切さを改めて感じる夏休みでした。

 さて、皆さんは、この40日間をどのように過ごしましたか。部活動のため毎日登校した人、就職試験に向けて講座への出席・企業見学・面接練習などを頑張った人、普段出来ない家の手伝いをしっかり行った人、中には、授業がない分、いつもより長い時間仕事をした人もいるでしょう。

 今日は、皆さんに、金子みすずさんという詩人の「わたしと小鳥と鈴と」という詩を紹介します。聞いたことがある人もいるかもしれませんが、次のような詩です。

 

         「わたしと小鳥と鈴と」  金子みすず 

わたしが両手をひろげても    お空はちっともとべないが
とべる小鳥はわたしのように  地面をはやくは走れない

わたしがからだをゆすっても   きれいな音はでないけど
あの鳴る鈴はわたしのように   たくさんな歌は知らないよ

鈴と小鳥と それからわたし   みんな違って みんないい

 

  私は、最後の「みんな違って みんないい」というところが、特に気に入っています。私も含めて皆さんには、それぞれ「できること、できないこと」「得意なこと、不得意なこと」があると思います。でも、それは当たり前のことで、自分には自分のよさがあり、「みんな違って、みんないい」のです。

 日本中を見渡しても、自分と全く同じ人間などいるわけがありません。自分は一人しかいない、かけがえのない存在です。だからこそ、私たちは、自分自身を大切にしなければいけないのです。

 それと同時に、自分の命だけでなく周りの人の命も大切にして欲しいと思います。7月末には、長崎県の佐世保市で高校1年生の女子生徒が同級生を殺害するというショッキングな事件がありましたが、このような事件は、二度と起こってはならないと思います。

 2学期は、文化祭などいろいろな行事があります。みんなで協力して一つ一ついい行事にしていきましょう。少し涼しくなってきましたので、授業もしっかり集中して聞いて下さい。また、9月16日からは就職試験が始まります。10月には進学の人の推薦入試も始まります。「かけがえのない自分」、「人と違う自分のよさ」をしっかりアピールして、是非合格をつかみ取って欲しいと思います。期待しています。