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兵庫県立神戸高等学校

2学期 始業式 式辞

県立神戸高等学校 校長  中野 憲二  


 長かった夏休みも終わり、いよいよ今日から2学期が始まりました。

 まずは大きな事件や事故がなかったこと、そして、皆さんとともにこうして2学期の始業式を行うことができることを本当にうれしく思います。

 長い休業の後は、多少の差はあれ、誰もがしばらくは不安やストレスを感じるものです。大人であってもそうです。決して1人で抱え込まず、友だちや先生方を頼って早くリズムを取り戻して下さい。

 

 2つお話しをします。

 

 1つは神高生としての活動の報告です。

 本校生の頑張りを、全てではありませんが紹介します。

1 SSHの全国の生徒研究発表会があり、本校3年生の「アロマで香るダニ退治」の研究が「ポスター賞」を受賞しました。

2 部活動関係では、

 (1) 山岳部は、全国総体で昨年より順位を上げて準優勝を果たしました。連続の入賞です。

 (2) 部活動はありませんが、2年生の橋本さんが兵庫県代表の団体戦のメンバーとして出場した囲碁ですが、全国総文で、兵庫県合同チームは準優勝となりました。橋本さん自身も6戦5勝でした。

  次に、大会が続いていた部ですが、

 (3) 吹奏楽部が、神戸地区大会で金賞、県大会では銀賞と頑張ってくれました。

 (4) 合唱部は、

   ① NHK全国学校音楽コンクールの兵庫県大会で混声で銀賞、

   ② さらに、全日本合唱音楽コンクール兵庫県大会に女声で出場し金賞と頑張ってくれ、9月23日の関西合唱コンクールでは全国大会出場をねらいます。

 (5) 陸上部は、8月13日に89回目を数える伝統の神戸・兵庫・長田対抗陸上競技大会がユニバー記念陸上競技場であり、3位でした。

 (6) ラグビー部も伝統の、大阪の天王寺高校との定期戦、北野高校との定期戦があり、ともに本校が圧勝しています。

 (7) 野球部と合唱部は、第100回となる夏の甲子園に参加しました。野球部の前主将片岡君は開会式で横断幕を持って堂々と行進を、合唱部は開会式と閉会式で大会歌等を歌ってくれまし   た。また、開会式当日は、高校生8人が皇太子さまご夫妻と交流しており、本校合唱部の3年生の岩蕗さんはそのうちの1人として参加しています。その時の様子は、岩蕗さんにまとめてもらいました。HPの「校長室から」に掲載していますのでみて下さい。

 (8) 美術部ですが、「理美容甲子園」といわれる技術大会があります。その近畿地区大会のヘアデザイン画部門に出品した1年生の山田さんと小谷さんがともに優秀賞となり、全国大会に出品され審査を受けることになりました。結果は11月になるそうです。

 (9) ESS部を中心に、北野高校で堀川、奈良、膳所、彦根東と本校の6校で競う「即興型英語ディベート交流大会」に、2チーム6名が参加し、1チームが12チーム中6位、エクシビションディベーターに2年生の住さんが選ばれ、2年生の生田さんと1年生の軽部君が12名のベストディベーター賞の2人に選ばれたりと頑張ってくれました。

 

その他、新チームに切り替わって、多くの部が頑張ってくれています。今後、まとまれば、アセンブリなどの機会に紹介できればと思います。

 

また、行事もたくさんあり、

 ・ 部ではありませんが、日本生物学オリンピックに参加した、2年生の廣田くんが敢闘賞を受賞し、日本代表候補者に認定されています。今後、さらに日本代表を目指してくれます。

 ・ イギリスやシンガポールへの海外研修、国内では、東北ボランティアや、大阪サイエンスツアー、関東サイエンスツアー、東京キャピタルツアーといった研修にも取り組んでくれました。ラッフルズとの交流では、総合理学科の生徒、自治会の皆さん、ESS部、弦楽部、應援團が頑張ってくれました。

 ・ 総合理学科の説明会やオープンハイスクールでは、それぞれの生徒の皆さんの工夫された説明、自治会を中心に、放送委員会、箏曲部、合唱部が頑張ってくれました。あとのアンケートを見ますと、それぞれ皆さんの丁寧でウィットに富んだ皆さんの目線の対応、放送委員会制作のDVDや自治会の皆さんの工夫されたプレゼン、生徒の皆さんの笑顔や挨拶、丁寧な対応ぶりや活動、先生方の丁寧な施設案内が、非常に高い評価となっていました。おつかれさまでした。ありがとうございました。

 ・ 自治会はまた、体育大会や音楽会に向けて、夏休みの始めに合宿をしてフリートーキングを行い、企画や準備に取り組んでいます。もうしばらくすると成案が示される予定です。   同じ神高生として、このような活躍、活動を共有してもらい、お互いに刺激を受けながらさらに頑張っていってくれることを期待します。

 

 2つめです。

 「勝って兜の緒を締めよ」という言葉があります。誰が言ったかというと諸説ありますが、北条早雲の嫡男で北条氏綱が子の北条氏康に言ったという説があるようです。

 北条氏康は、戦にほとんどど負けた事がありませんでした。そんな氏康に父氏綱が、「戦に勝って、兜を脱いだ時、敵が襲ってくる。勝って兜の緒を締めよ」と諭したといわれております。

 

 この言葉を引用し、海軍の訓示に使ったのが東郷平八郎です。

 

 明治38年の12月、日露戦争を終え、連合艦隊は解散を迎えます。このとき、東郷平八郎司令長官は「連合艦隊解散の辞」で、平時、戦時の別なく任務に精励すること、鍛錬に努め装備の全能力発揮を図ること、一勝に満足し安閑としてはならないことなどを強調しており、結語を「勝って兜の緒を締めよ」と結んでいます。

 起草したのは参謀の秋山真之といわれており、名文のひとつともいわれています。

 

 当時のアメリカ大統領、セオドア=ルーズベルトは、この訓示はアメリカ海軍軍人も銘記すべき重要なことであるとし、海軍長官を通じて全部隊に文書で伝えたといわれているものです。

 

 全文は、長文ですので、最後の一文を紹介します。

「神明(しんめい)ハ唯(ただ)平素ノ鍛錬ニ力(つと)メ、戦ハズシテ既ニ勝テル者ニ勝利ノ栄冠ヲ授クルト同時ニ、一勝ニ満足シテ治平ニ安ズル者ヨリ直(ただ)チニ之ヲ褫(うば)フ、古人曰ク勝(かっ)テ兜ノ緒ヲ締メヨト。」

 

 意味は、神は平素ひたすら鍛錬に努め、戦う前に既に戦勝を約束された者に勝利の栄冠を授けると同時に、一勝に満足し太平に安閑としている者からは、ただちにその栄冠をとりあげてしまうであろう。昔の人も教えている「勝って兜の緒を締めよ」と。 というものです。

 

 皆さんにはそれぞれの目標があると思います。高校時代という短いスパンであったり、大学や大学院の卒業後を見通したもう少し長いスパンであったり、もっと長い人生というスパンであったりするかもしれません。努力を重ねて皆さんの持っているそれぞれの能力を十分生かし、一時の勝利や途中の結果に安閑とせず、大きな目標に向かうステップとする充実した学期になることを期待して、始業式の式辞とします。


 

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2018.9公開

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