T 親子でリラックス−小学校1年生を対象にした教育動作法の試み−
                                             明石市立二見北小学校 小川玉樹


要旨

 本研究は、小学校1年生を対象にストレスマネジメント教育の実践を試みたものである。「親子でリラックス体操をしよう」の単元名のもと、保護者の参加も求め、教育動作法によるペアリラクスセーションの授業を実施した。その結果、統計的にも、親子共にストレス反応が軽減することが明らかになった。また、保護者の授業後の感想からは、親子関係を見直す、貴重な経験になったことが報告され、家庭や教室で自主的に継続することも見られた。これらのことから「心の授業」の創造に向けて、ストレスマネージメント教育のモデルとして、親子での教育動作法の有効性が検証されたと考える。

はじめに
 従来、心の危機は、思春期を中心にしたものと考えられてきたが、いじめ、不登校、最近では低学年からの「学級崩壊」など、小学校においても心の教育の重要性は増してきている。
 しかし具体的な授業としては、読み物資料やテレビ視聴をもとにした道徳的価値観、道徳的判断力の育成を目指したものに偏りがちである。ソーシャルスキルトレーニングやストレスマネージメント教育など「ストレス社会を生き抜くための子ども自身の具体的な責任の取り方の育成」(冨永,1999)を授業目標とした実践は未だ少ないのが現状である。そこで、小学校の低、中、高学年を対象に、教育動作法、自律訓練法、内観法を適用した授業実践を試みた。ここでは、教育動作法を適用し「親子でリラックス体操をしよう」の単元名で小学校1年生と保護者を対象にした実践について報告したい。
 南(1999)は、小学校の中、高学年を対象とした実践で「ペアリラクセイションがストレス反応への対処法として効果があり、ストレスマネジメント教育に有効である」ことを検証し、今後の課題として、低学年での適用と導入の工夫をあげている。
 小学校低学年は、親への依存から徐々に友達など他者との関係を広め、社会性を培っていく時期である。子どもは、親の庇護のもとから、出たり入ったりを繰り返しながら成長していく。それだけに自立へ向けてのストレスの癒しの場として親子関係が、問い直され、重要となってくるといえよう。また子どもが小学校低学年の時期の親は育児・家事と自分の生き方の葛藤、社会的責任の増大などストレスの多い年代と考えられる。
 上記のような理由から、本実践においては、低学年への適用として親子でのペアリラクセイションが有効であろうと想定した。

1 授業の構想
(1)指導者 ゲストティーチャーとして久留宮 康之先生(兵庫リハビリテーション心理研究会理事・兵庫県立いなみ野養護学校教諭)を招聘した。  
(2)対 象 小学校1年生33名、保護者36名
(3)単元名  親子でリラックス体操をしよう
(4)指導日時 平成11年11月20日
(5)指導目標
・教育動作法の演習を行うことで、心身共にリラックスした状態を体感できる。
・教育動作法の演習で学んだことを、日常の生活の中で生かすことができる。
(6)指導計画 全2時間
(7)展開

学 習 活 動 支 援 活 動

1,イメージトレーニングを行う。
・ 床に仰向けに寝て、象に踏まれそうになる様子をイメージし、緊張とリラックス時の体の状態を体感する。

2,ペアトレーニングを行う。
・導入として、風船を使い、できるだけやさしくやりとりを行う。
・児童と保護者がペアを組み、肩の上げ下げを交互に行い、その時の感じを話し合う。
・腕上げコントロールを交互に行う。
仰向けになって、脱力した相手に優しく声をかけ、ゆっくりと腕を上げてもらう。
・おまかせ脱力を行う。相手に体をまかせ脱力することを体験する。

3,動作法の説明を聞く。
ゲストティーチャーを紹介する
・緊張感の強い児童や保護者に声かけを行い、参加意欲を高める。
・できるだけイメージのわきそうな語りかけを行う。

・児童の好きな風船を用意し、興味関心を高める。
・親子以外のペアづくりもすすめ、どの児童も、ペアとして参加できるようにする。
・話し合った内容を全体に広める。
・心を合わせることを強調し、援助者は動きを先行しないように説明する。

・保護者に、動作法の簡単な説明を行い、家庭でも継続しようとする意欲を高める。


2 授業効果の分析の方法
(1)方法

児童 感情チェックリスト 6項目(小國,2000)
保護者 中学生用ストレス反応尺度12項目(岡安ら,1977)

(2)手続き

  児童には、授業前と授業後に感情チェックリストを配り、児童全員が質問内容が的確に把握できるよう、説明を加えながら一斉にシールを貼る方法をとった。 保護者には、前日に封筒に入れた無記名によるストレス反応調査を依頼し、当日、箱に入れてもらうかたちで回収を行った。また授業後、同じ調査用紙に感想欄を加えたものを配布し記入をお願いした。

3 授業の経過と内容
(1) イメージトレーニングの教示文(小國,2000)
 今、みんなとってもいい気持ちで横になっています。目を閉じてもいいですよ。ゆったりと落ちついた気持ちでいます。すると、目の前にアフリカのジャングルや大草原が浮かんできますよ。目を閉じたままでも、ジャングルが浮かんできますよ。ジャングルには、木がいっぱい茂って、周りは緑の草がいっぱいはえています。とってもいい気持ちです。ちょっと深呼吸をしてみましょう。ゆっくり息を吸って.........,はいて.........,もう一度............,そうそう、上手ですね。とってもいい気持ちですよ。
 いい気持ちで寝ていると、向こうの方に象さんが見えてきました。のっしのっしと歩いています。小さな子象です。どうやらこっちの方へ歩いてきているみたいです。のっし、のっしと子象がこちらへ向かって歩いています。あらあら、こちらに近づいてきましたよ。
 だんだん近づいてきます。のっしのし、どんどん近づいてきます。ああ、どうしようこのままでは踏まれてしまいそうです。もう逃げる時間はありません。踏まれても大丈夫なように、体をぎゅっと固くしましょう。石みたいにかたくなりましょう。体がかたくなったら、踏まれても大丈夫ですよ。はい、ギュー.......。
 体をぎゅっとしていると、子象はみんなの体の横をすり抜けて通り過ぎていきましたよ。もう大丈夫。ふわーと体をゆるめましょう。はい、ふわーっ.........。ああよかった。ホッとしたねえ。今、体はどんな感じかな? あれあれ、安心していたのに、また子象が近づいてきたよ。それもさっきより駆け足でやってきたよ。どしんどしん、どんどん近づいてきたよ。それもさっきより駆け足でやっ てきたよ。どしんどしん近づいてきたよ。あーそこまで来ている。踏まれそう........。 体をぎゅーっと,さっきよりかたくし てみましょう。ぎゅーっ.........。

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象さんに踏まれる、体をかたくして 行ってしまった。ああよかった 子象は、運良くみんなの体をまたいでいってしましました。あーよかった。ホッとしたね。今、体はどんな感じかな?
p19.jpg (150448 バイト) 子象が通りすぎたら、今度はお母さん象がやってきましたよ。子象より少し大きなお母さん象です。どしん、どしんとこちらに近づいてきますよ。どしんどしん、だんだん近づいてきます。どんどん近づいてきます.........。ああどうしよう。このままでは踏まれてしまいそうです。もう時間がありません。踏まれても大丈夫なように、体をぎゅっとかたくしましょう。大きな岩みたいにかたくかたくなりましょう。体がかたくなったら踏まれても大丈夫ですよ。はいぎゅーっ..........。
 体をぎゅっとしていると、お母さん象は、みんなの体の横をすり抜けて通り過ぎていってしまいましたよ。もう大丈夫。体をゆるめて。はい、ふわーっ..........。ああ良かったホッとしたね。今体はどんな感じかな?
 あれあれ安心してたのに、またお母さん象が近づいてきましたよ。どしん、どしん、どんどん近づいてきたよ。あーもうそこまで来ている。踏まれそう............!!体をぎゅーっとさっきよりかたくしてみよう。ぎゅーっ.........。
 あー、お母さん象は運良くみんなをまたいで行ってしまいました。ふわー........よかった。 ほっとしたね.........。どんな感じかな?
 お母さん象が通りすぎたら、今度は大きな大きなお父さん象がやってきましたよ......。 お母さん象より、ずっとずっと大きなお父さん象です......。どしん、どしん、とこちらに近づいてきますよ。どしん、どしん、だんだん近づいてきていますよ。どしん、どしん、だんだん近づいてきます.......。どしん、どしん、どしん、どしん、駆け足で近づいてきます。どしん、どしん、どんどん近づいてきます。あー、もうそこまで来ている。踏まれそう.......。踏まれても大丈夫なように、体をぎゅーっとかたくしましょう。さっきよりも、ずっと、うーんと、うーんとかたくなりましょう。はい、ぎゅーっ..........。
 体をぎゅーっとしていると、お父さん象は、みんなの体の横で止まりました。あれ?みんなの顔を見ているようですよ。少し体をゆるめておきましょう。あらお父さん象もにっこり笑ってくれましたよ。うわあ、うれしい。ふわーっと、体をゆるめましょう。はい、ふわーっ............。ホッとしたね。とってもいい気持ちです。ふわーっ........。体も心もホッとしていい気持ちです......。
 ゆっくり目を開けてください。静かに起きてください。「体をかたくしたとき、どんな感じだったかな?」「ふわーっとしてホッとしたとき、体はどんな感じだったかな?」


2)ペアトレーニングの教示文
 風船のやりとりをしますよ。だいじに、ていねいに。そうやさしーく、なんかいもー ふわーとやりとりをしましょう。
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 次は、風船にかえて、心のやりとりをしましょう。  かたに手をおいてもらって、 かたにぎゅーっと力を入れてみましょう。ふーっとかたの力をぬいてみましょう。だらーっとね..........。どんな感じがしたか、 話し合ってみましょう。詳しくね。 かたに手をおかれたら、どんな気持ちになったかな。(力を入れたとき、抜いたとき) 手をおいていたら、どんな感じがしたかな。(力を入れたとき、抜いたとき) 今度は、交代してみましょう。話し合いもしてみましょうね。
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次は、腕上げコントロールをしてみましょう。
@だらーっと力を抜いて寝てもらいましょう。  A優しく声をかけて、少しずつ腕を上げてもらいます。
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Bひじをまげないで、ゆっくりとゆっくりと腕を上げていきます。   C指先をじっと見つめてゆっくりと腕を上げていきましょう。
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D腕を耳に付けて、じわーっと上げていきましょう。心を合わせて......。    E指先が見えなくなっても、ゆっくり上げましょう。とんと床に着くまでね。
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F二人で上手に心を合わせたら、指先だけで腕上げができますよ。お家でもやってみましょうね。
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G体をまかせられるようになったら、だらーっとおまかせ脱力ができますよ。ああ、いいきもち。
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4 授業分析の結果
(1)児童の統計結果
 合計得点の平均値と標準偏差を性別、時期(授業前、後)ごとに整理したのが表1である。

表1 性、時期別の平均値と標準偏差

  授業前 授業後
男子(17名) 平均 21.118 22.765
標準偏差 2.632 1.554
女子(16名) 平均 22.000 23.438
標準偏差 2.179 0.788

 以上の結果に基づき、2(性)×2(時期)の2要因分散分析を行ったところ表2に整理したような結果を得た。

表2 性、時期別の分散分析結果

  F値
A:性 1.681
B:時期 19.957 ****

**** は統計的に意味のある変化である.
これは、統計的に男女差は見いだすことはできなかったが、授業前と授業後では、意味のある変化が認められるということである。

 さらに詳しく分析を行うために児童の授業前の得点をもとに、群別に分けその平均値と標準偏差を群別、時期ごとに整理したのが表3である。

表3 群、時期別の平均値と標準偏差

    授業前 授業後
高得点群
(11名)
平均 23.818 23.818
標準偏差 0.386 0.386
中得点群
(11名)
平均 22.273 23.455
標準偏差 0.618 0.498
低得点群
(11名)
平均 18.545 22.000
標準偏差 1.725 1.651

以上の結果に基づき、3(群)×2(時期)の2要因分散分析を行ったところ表4に整理したような結果を得た。

表4 群、時期別の分散分析結果

  F値
A:群 48.579 ****
B:時期 43.495 ****
A×B 18.712 ****

**** は統計的に意味のある変化であるp<.001

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 これらの結果から、元々ストレス度の低い高得点群においては、事前事後の変化は見られなかったが、中得点群は、事後では、高得点群と有意差がなくなるほど変化していた。また、最もストレス度が高い低得点群は、他の群より最も急激な変化を示し、より効果的であることが分かった。

(2)保護者の統計結果
アンケート調査の合計得点の平均と標準偏差を時期別に整理したのが表5である。

表5 保護者の時期別の平均値と標準偏差

    授業前32名 授業後30名
保護者 平均 21.118 22.765
標準偏差 2.632 1.554

以上の結果に基づき1要因分散分析を行ったところ表6に整理したような結果を得た。

表6 群、時期別の分散分析結果

  F値
A:時期 5.514 *

* は統計的に意味のある変化であるp<.05

 さらに詳しく分析するために、意欲、身体、不安、情緒の因子ごとに分析を行ったところ、身体と情緒の得点の変化に有意差が見られた。(表7

表7 因子別の分散分析結果

  F値
身体 10.810 ***
情緒 5.476 *

**** p<.005  * p<.05

 この結果から、統計的にリラックス体操(動作法)が、保護者のストレスの軽減に効果があることが明らかにされた。さらに、「身体」「情緒」といった内容において、効果がより見られることが明らかになった。

(3)保護者の感想文
参加成人33名中25名が記入

・良かったです。ありがとうございました。またやりたいです。
・子どもとふれあいながら毎日を過ごしていきたいと思いました。手からの温かさ、大切なんですね。 今日はありがとうございました。
・子どもとのふれあいができて、とても楽しかったです。
・ふだん子どもと手を取り合って体を動かすこともないので、今日は楽しく遊べました。
・家事と育児に追われる毎日でしたので、リラックスということを思い出すことができました。家に帰っても子どもたちとのふれあいをもっとしたいと思います。ありがとうございました。
・子どもと体操を通じてコミュニケーションを取っていきたいと思います。
・いい勉強をさせていただきました。ふだんこんなふうに子どもとふれあうことは少なくなってきています。こういうふれあいの大切さを改めて感じました。さっそく意識的にさせていただきます。どうもありがとうございました。
・初めてあった男の子と仲良くできて楽しかったです。
・リラックスできると思いますが、子どもとうまくいけるか分からない。
・親子一緒に楽しくできました。気持ちがすっきりし、リラックスできてとても良かったです。ありがとうございました。
・身体のふれあいと言葉を通じての心のふれあいの大切さが実感できて良かったです。
・ホッとしました。
・少しの体操で、暖かくなるのが不思議でした。
・小さい子がいて、あまり接することができなかったのでいい機会ができたと思います。
・動作法はどういうものか楽しみに来ました。ふだんの子どもの接し方にも共通点があり、とても良かったです。これから心がけてやりたいです。
・体が少し楽になった。
・本当にリラックスした感じになりました。
・いつもとは違う形で親子とふれあえ、また親の方も毎日いらいらの連続でしたが、やさしい(あたたかい)気持ちになれたように思います。時にこういう機会は必要かと思います。ありがとうございました。
・どんな体操かなと思いながら参加しました。とても簡単で、手軽な運動でした。家庭の中でする様にと心がけます。親のリラックスが大切ですね。今日はありがとうございました。
・体を動かしながら言葉をかけていく中で、心の交流が生まれていくのだと分かりました。自分の子どもでもまた一緒にしてみようと思います。とてもいい経験をさせていただきました。ありがとうございました。
・とても楽しかったです。体に力を入れたり、抜いたりすることで、体が楽になってリラックスできます。会話したら親子体操というのはスキンシップができて、とてもいいことだと思いました。
・とても気分がすっきりしました。肩こりも楽になりました。家でもしてみたいと思います。
・大変勉強になりました。力を抜くだけで、身体の感じ方が全然違うのに気がつきました。これからは時間があれば子どもと一緒にしていきたいと思います。
・スキンシップの大切さが分かりました。もう少し長い時間でも良かったと思います。子どもの体に触れながら、子どもの気持ちを感じていきたいと思います。
・自分の子ではなく、他の子どもとのふれあいで、初めての子どもでしたが、なんだか自分の子どものように暖かい、何ともいえない気持ちになりました。とても楽しかったです。

5 考察
本実践は、昨年度の「小学校におけるストレスマネージメント教育の試み」南敦浩 を参考に、小学校低学年での実践を試みたものである。筆者は、小学校低学年においては、親子でのペアリラクスセーションが有効であろうと考えた。その結果について以下に考察を行いたい。

(1)統計的結果からの考察
児童・保護者ともに授業前と授業後では、統計的にも意味のある、良い変化が見られた。児童では、高得点群が、変化がないのに比べ、中得点群は、高得点群と、統計的に差がないところまで変化していた。また、低得点群も、統計的にもきわめて意味のある良い変化が見られた。このことは、親子でのペアリラクスセーションが、ストレス度の高い児童ほど、効果的であるといえよう。 保護者の統計結果からは、親子でのペアリラクスセーションによって、特に「身体」「情緒」の面で、良い変化が見られた。このことは、動作法が、体への気づき、ゆっくりとした動きを強調している点と符合して興味深い。しかし親子で、大人と子どものペアで行ったことが、大人同士、子ども同士で行った場合と、どの程度の違いがあるのかは定かではない。今回、調査法が、無記名のため対応のある統計と出来なかったこと、質問紙の内容からも仕方のない事柄ではあるが、今後さらに調査法を工夫して、分析してみたい事柄である。

(2)保護者の感想文からの考察
統計の結果と照らし合わせながら、感想文の内容について考察をしてみたい。「体が少し楽になった」「とても気分がすっきりしました。肩こりも楽になりました。」「親の方も毎日いらいらの連続でしたが、やさしい(あたたかい)気持ちになれたように思います。」など、統計の結果からも明らかなように「身体」「情緒」面での気づきが多く書かれていた。
次に、統計では明らかにできなかった親子関係など関係性への気づきについて見てみたい。
・ふだんこんなふうに子どもとふれあうことは少なくなってきています。こういうふれあいの大切さを 改めて感じました。
・子どもの体に触れながら、子どもの気持ちを感じていきたいと思います。
・身体のふれあいと言葉を通じてのふれあいの大切さが実感できて良かったです。
・体を動かしながら言葉をかけていく中で、心の交流が生まれていくのだと分かりました。
・他の子とのふれあいで、初めての子どもでしたが、なんだか自分の子どものように暖かい、何ともいえない気持ちになりました。

など体を通して、言葉を通してのふれあいの重要性を自分の体と心を通して再認識したという文が多かった。 このことからも、小学校の低学年において、親子でのペアリラクスセーションを行うことが有効であるといえるのではないかと考えられる。

(3)今後の課題
 今回、指導者は、ゲストティーチャーとして専門家を招き、担任はT.Tの役割をとった。 そのことは、学外の教育資源の活用、ティームティーチングの実践として意味あることだったと考える。また今後、総合的な学習の一環として、あるいは保健体育の授業の中でも効果的に活用して実践を行うことが可能であろう。さらにストレスがたまりやすい教職員のメンタルヘルスの面でも実践が望まれる。
 最後に、南(1998)のいうように「この方法は、極端に指導者を選ばなくても結果を得られる」に同感であるが、筆者の実感からいえば、指導者の指導のあり方によって効果にかなり差が出るような気がしている。今後、教師を対象とした講習会などに参加し、自分自身の力量を付けていきたいと考えている。

文献
・南敦治 1999 「小学校におけるストレスマネジメント教育の試み」『心の教育授業実践研究』1,18-26 兵庫県立教育研修所 心の教育総合センター
・成瀬悟策 1992 「教育臨床動作法」『現代のエスプリ』至文堂
・小川玉樹 1996 「母親のアイデンティティに関する研究」兵庫教育大学修士論文
・岡林春男 1997 『心理教育』金子書房
・岡安孝弘・嶋田洋徳・坂野雄二 1977「中学生用ストレス反応尺度の作成の試み」 『早稲田大学人間科学研究』5(1),23-29
・冨永良喜 1999 「心の教育と心の授業」『心の教育授業実践研究』 1,112-128 兵庫県立教育研修所 心の教育総合センター
・冨永良喜・山中寛1999 『動作とイメージによるストレスマネジメント教育ー展開編』 北大路書房
・小國有加 2000 「幼児へのイメージと動作を用いたストレス・マネジメント教育プログラムの開発と効果について」兵庫教育大学修士論文

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