校長室の窓から No.48

        平成24年3月5日

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はじめに

いよいよ年度最後の月に入りました。3年生は卒業証書授与式を迎えるとともに、一般入試で私立大学の合格発表があり、続々と吉報が届きましたが、これからさらに受験に臨む生徒もいます。1・2年生は学年末考査を終えたばかりです。それぞれ進路実現と進級という目標は違いますが、最後まで粘り強く校訓の一つ「根性」を発揮してくれるものと信じています。

第64回卒業証書授与式を挙行

2月29日(水)午前10時から、第64回卒業証書授与式を挙行いたしました。

当日は朝方まで雨が降っていましたが、皆様が参会される頃には晴れ上がりました。64回生の精進の良さが表れているかのような感じでした。例年よりも多数のご来賓、保護者の皆様のご臨席を賜り、誠にありがとうございました。

式は、以下のような式次第でした。

式次第
1 開式のことば
2 国歌斉唱
3 卒業証書授与(代表 中前 遙)
4 学校長式辞(校長 柳迫 敏博)
5 同窓会長祝辞(会長 石井 良昌)
6 来賓紹介、祝電披露(中学校長等42名)
7 在校生のことば(生徒会長 前田 孝之)
8 卒業生のことば(代表 濱崎 修一)
9 卒業生の歌 「Best Friend」
10 校歌斉唱
11 閉式のことば         (敬称略)

とくに、「卒業生のことば」で代表生徒(前生徒会長)が、「漠然とした不安があることも確かですが、手探りでも一歩一歩足下を確かめ、前へ進んでいくしか方法はありません。そしてどうせ進んでいくのなら、自分を信じて、夢や理想を持って未来に進んでいきたいです。……この学舎に対する思いと、皆様に対する感謝の気持ちは尽きることはありませんが、それを次のステージでの意欲に変えて、今、卒業します。さようなら、県立尼崎高等学校。そして、ありがとう」と力強い言葉で締めくくったことが印象的でした。非常に頼もしく感じるとともに、卒業生それぞれが本校の校訓「自主・根性・聡明」を発揮して、幸せな人生を築いてくれることを願わざるを得ませんでした。

式は例年より少し長くなりましたが、厳粛に執り行われ、終わってから、来賓の方々から「立派な卒業式でした」「卒業生のことばに感動しました」とお褒めの言葉をいただいたこともうれしいことの一つでした。

第64回卒業証書授与式式辞

この冬は非常に厳しい寒さとなりましたが、ようやく梅の花もほころび始める頃となりました。早春の息吹が感じられる今日の佳き日に、ご多忙の中、多数のご来賓並びに保護者の皆様のご臨席を賜り、兵庫県立尼崎高等学校第六十四回卒業証書授与式を挙行できますことは、この上ない喜びであります。
ただ今、卒業証書を授与いたしました二百六十名の卒業生の皆さん、保護者の皆様、ご卒業誠におめでとうございます。皆さんが入学して以来、一〇五八日目にあたる本日、無事に県尼を巣立っていく姿を晴れやかな気持ちで見送ることができることを教職員、在校生一同大変うれしく思っております。
さて、六十四回生の皆さんは、尼崎市内のすべての市立中学校から本校に入学してきました。期せずしてこの県尼で出会い同級生となり、同じ時、同じ空間、そして同じ想いを共有する仲間となったわけです。必ずしも学校生活が毎日楽しいものであったとは思いませんが、授業や部活動・学校行事などを通じて、多くの人たちに支えられ鍛えられ、人間的にも大きく成長してくれたものと思います。
とくに、本校は従来から体験的な学習を重視してきましたが、「セルフ=ナビ」での職場訪問や北海道修学旅行などのキャリア教育、大学の先生方による講義などの高大連携、校外清掃や「うんぱく」などの地域貢献活動等さまざまな学習活動に積極的に取り組んでくれました。また、教育総合類型は模擬授業の他、「こどもクラブ」での実習、環境体験学習など新しい試みに挑戦してくれました。まさに、皆さんは県尼の良き伝統の継承とさらなる革新をめざし前進させる力となりました。今日は、自分自身だけでなく県尼の変革も担った自分たちに誇りを持って、胸を張って卒業していってください。
そこで、卒業に当たり、私から皆さんへの最後のお話しをしたいと思います。
一つ目は、教育学では、学校とは青少年を社会化していく装置であると言われています。装置という表現はいかにも無機質な印象を与えますが、近代において子どもがいろいろな意味で大人になっていくためには、最も効果的・効率的な仕組みということなのだろうと解釈しています。では、大人になっていくということはどういうことなのでしょうか。俗に「一人前」という言葉がありますが、食べること、働くこと、自立することなどさまざまな意味で使われています。私は、他者から求められた一定の基準に達することで、その分野における組織あるいは社会の一員として認められる、ということではないかと理解しています。
ではどうすれば「一人前」になれるのか。今、皆さんは自分自身が社会にどのようにつながっていくかを真剣に考えなければならない年齢に到達しました。子どもと大人の境界線を通過しようとしていると言っても差し支えないと思います。まずは自己を確立することが第一だと思いますが、その自己は自分一人だけでは生存できないということも明白です。プライベート(私)とパブリック(公共)とを明確に峻別し行動できるようになってもらいたいのですが、その次に大切なのが、その両者の接続・バランスをうまく図っていくことだと思います。これがなかなか難しいことですが、私は、大人になっていくということは、他者・社会と関わっていく、つながっていくことだと思っています。他者との距離感を上手にとり、うまくつながっていく術を身につけていってください。
次に、常に学び続け向上を目指す人になってもらいたいということです。そのためには、あえて一言で言うならば、失敗から何を学び取るかが重要だと思います。幅広い意味での学力とは、知識を覚えることだけでなく、社会や生活の中から学び取る力、またそれを生活に生かしていく力でもあります。いわゆる「世の中」に入る前段階として、学校という集団・組織の中で、いろいろな学びの場面、それは授業や部活動あるいは学校行事であったり、それこそ友との何気ない会話や遊びであったりしますが、そこにおいて頭と心と体をフルに使って、失敗を乗り越えていくことで、学力はしっかり身についていくものです。
「失敗は成功の基」と言うではありませんか。パナソニックの創業者松下幸之助氏の「成功するためには、成功するまで続けることである」という言葉も同じ意味であると思います。卒業後も、失敗を怖れず積極的にいろいろなことにチャレンジしてたくさんの経験を積んでいってください。努力したことがすぐ報われるとは限りませんが、忍耐力を持って時間や労力を惜しみなく投資してほしいものです。人生全体で考えると必ずおつりが来ると信じています。昨今はすぐに結果を求める風潮が強いように感じられますが、その点では、教育はまさに息の長い行為です。この度卒業する六十四回生の生徒の一人が、最近ある短歌の賞を受賞しました。彼が詠んだのは、「成功は 失敗の中で できるもの だからあせらず 一歩ずつすすめ」まさにその通りだと思います。
言うまでもなく、人生には何が起こるかも知れません。思い起こせば、昨年の卒業授与式のしばらく後、三月十一日に東日本大震災が発生しました。それによって、数多くの尊い人命が失われ甚大な被害がもたらされました。その惨状は今もなお記憶に新しいところですが、現在もなお津波による被災だけでなく、原発事故の放射能汚染から避難生活を強いられておられる方々が多数おられます。おそらく、一時は落胆しうちひしがれて絶望の淵に立たされたことでしょう。しかし、それでも勇気を振り絞って、現在は復興に向けて大変ご苦労されています。人生は一回きりのものです。それをどう生きていくか、どんな苦境や困難に陥っても、生ある限り勇気と元気とやる気を持って最後は前を向いて生きていく、東北でがんばっている方々に負けない、そういう若者になってください。
そして、いつかは自分なりの人生観、世界観を築けるよう切磋琢磨し、自己の人格の完成を目指す、次には、何らかの形で他者の役に立てる人に、さらには社会全体に貢献できる人材に育っていってもらいたいものです。
保護者の皆様には、改めまして心よりお祝いを申し上げるとともに、これまで本校に賜りましたご理解ご協力に対しまして深く感謝申し上げます。六十四回生諸君は慈愛に満ちた保護者の皆様、献身的な担任団に導かれて今日に至りましたが、卒業後は保護者や教師からの独り立ちを覚悟して生きていかなければなりません。大げさにたとえるならば、どんなに激しい風雪にも一人で耐えられるような覚悟と体力と知恵が必要です。それらはまさに本校の校訓「自主・根性・聡明」そのものですし、卒業生諸君はきっとそれらを体得して巣立っていってくれるものと思っております。
最後になりましたが、ご来賓の方々にはご多忙にもかかわりませずご臨席を賜り、高いところからではありますが、厚く御礼申し上げます。本日卒業を迎えました六十四回生諸君は、高等学校を卒業したばかりであって、先ほどの言葉で言えば、まだまだ未熟で「一人前」にはまだ遠い存在です。その彼らが成長していくには、身近にモデルとなるべき良き人の存在が非常に大切だと思っています。年齢・性別・職業・経験など多種多様な人たちと交わり、その先達の方々が卒業生たちに良き刺激や影響を与え、人として、また有為な人材として成長を遂げられるよう促していただけることを期待しております。ぜひとも彼らに絶大なる応援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
ゴーギャンという画家の『われわれはどこから来たのか、われわれは何者か、われわれはどこに行くのか』という作品があります。非常に暗示的な作品で、どのようなとらえ方もできるかと思いますが、私はその作品になぞらえ、皆さんが絶えず自問自答しながら、過去の行いを振り返り、現在の自分に問いかけ、そして未来の姿をしっかり描いていってくれることを心から願い、六十四回生諸君を送る式辞といたします。

マラソン大会を実施

今年度からマラソン大会が復活しました。

いろいろな事情があり、長らく中断していたのですが、2月1日(水)武庫川左岸河川敷で女子5km、男子10kmのコースで行いました。ここに至るまで、周到な準備は重ねてきました。それでも、直前になってのインフルエンザの流行や天候等の不安材料もありましたが、教職員・生徒の協力もあって無事実施できました。

当日は、開会式の後、女子からスタートし、30分後に男子がスタートしました。事前に1月中は体育の授業で持久走をして走り込んでいましたので、大半の生徒たちは随分とタイムを上げていたように思います。

とくに、女子のトップ争いは飛び抜けた2人の大接戦のデッドヒートとなりました。また、男子のゴール付近では、走り終えた女子が列んで声援を送っていました。完走後は、PTAから全員にスポーツドリンクをいただきました。ありがとうございました。

私としては、きっと走るのが苦手な生徒もいたと思いますが、走り終えた後、爽快な笑顔の生徒が多かったように見受けられました。また、実施後の生徒アンケートでは、「運動ができなくて、最初はしんどいと思いましたが、走り切った時はとても感動しました」 「順位に関係なく完走できてよかった」 「ただ寒くてしんどいだけだと思っていたが、応援し合ったりして意外と楽しかった」 「次は上位を目指す」 等前向きな回答が多く、運動能力の向上をはかり、心身ともに耐久力をつけるという目的は十分達成され、実施してよかったと思いました。

ゴールヘ 表彰

成績・記録
女子の部 優勝  三宅花奈 (1年4組) 記録21分08秒
  〃   第2位 多田結香子(1年7組) 〃 21分12秒
  〃   第3位 木村果菜 (1年7組) 〃 23分15秒
男子の部 優勝  山田悠斗 (2年7組) 記録36分42秒
  〃   第2位 水谷竜平 (1年4組) 〃 38分19秒
  〃   第3位 畑 雅也 (2年4組) 〃 38分31秒
                        (敬称略)

1年「セルフ=ナビ」スピーチ発表会

2月22日(水)6限に1年「セルフ=ナビ」スピーチ発表会が行われました。

「セルフ=ナビ」とは、本校において実施する総合的な学習の時間のことを言います。キャリア教育の中心的な部分として、第1学年から第3学年まで継続して実施し、3年間を通して進路に対する意識や意欲を高め、より良い勤労観や職業観を育成し、社会人としての資質を磨いていくことを目的としています。とくに、1年生では高校生就業体験事業とリンクした形で、生徒自らが進路を考える機会を増やすために、地域の事業所や施設などの職場訪問、また社会人・地域の方々・卒業生などの体験談を聞く班別講演会を実施しています。

その主な内容としては、まず1学期には相互紹介をしたり、夢作文を作成しました。7月には職場訪問(自分でアポ取りから始めて、3日間各職場で見学や仕事を体験し、終了後にはまとめの壁新聞を作成して発表、最後に礼状を出す)、2学期には班別講演会(1クラス2班に分かれて自分たちで企画運営し、各分野の社会人に来ていただいて仕事や職業の話を聴く)がありました。3学期には、集大成として各自が1年間のまとめをしました。

そして、その中からクラスで優秀なものを2編選んで、学年全体の発表の場としてスピーチ大会を行いました。今年も生徒たちの司会で始まり、生徒たちは全部で1時間を超える発表に真剣に聴き入っていました。以下に、発表者、成績と私の感想を載せます。詳しくは、66回生学年通信第38号をご覧ください(本校ホームページにも掲載してあります)。

発表者一覧(敬称略)

 クラス 発表者    題  名
 1組   兼城 亜弓  これからを考えるために
 岸田 智哉  セルフ=ナビで見つけた夢
 2組   大迫 杏菜  今の自分とこれからの自分
長井麻都華   一歩踏み出す勇気
 3組   鶴巻ひなの  夢を諦めない!
 西  彩奈  「今」を精一杯生きる
 4組   牧野由佳子  この学校の生徒が幸せだと思う理由
 三宅 花奈  「働く」ことによって得た大切なもの
 5組   大砂 由美  充実した体験~セルフ=ナビを通して~
 八木 純菜  保育士への道のり
 6組   池内 永遠  僕にとってのセルフ=ナビ
 矢三 健吾  今年の1年間
 7組   木村 果奈 職場訪問で“夢”を実感
古川 佳代  笑顔の大切さ 

感 想

私は毎年この発表の審査員をしていますが、今年は粒ぞろいで全体的には今までにない最高の出来でした。それぞれの発表には個性があり、内容も多彩でした。聴いていて心を動かされるすばらしいスピーチが何本もありました。正直言って、採点するのが本当に難しかったです。ただ単に体験した事実だけを述べるのではなく、そこから自分が何を考え、何をしたいのか、そのためには何が必要なのか、が語られていました。挨拶・言葉遣いや笑顔の大切さから、ものを作る喜び、向上心、積極性、人との関わり、感謝の思い、責任感など多種多様の言葉で表現されていました。

また、しっかり前を向き落ち着いて堂々と話しているのが印象に残りました。自分の体験を人前で話したり、文章にして書くことで、自分の想いがはっきり認識でき、それが自分の考えとしてまとまり、具現化する道筋も見えてきます。これからもその思考を停止させずに、ゆっくりでいいですから自分の夢や目標を温め膨らませていってほしいと心から願います。

短信

高大連携による連携科目受講が終了

6月に本校と高大連携協定を結んでいる関西国際大学との間に、高大連携科目等履修生受け入れに関する協定が締結されました。

それを受けて、教育総合類型(2年7組)40名が学校設定科目「教育体験」の一部として、教育学部川村光准教授の「教職概論」を9月から約半年間受講していました。この講義は本校生のために特別に開講されたものではなく、本校生が関西国際大学の一般学生に混じって受講する本格的なものです。その最終講義が1月26日(木)ありましたので、私も聴講に行ってきました。

まず、最終講義を迎えて、これまでの講義の感想を大学生とともに本校生が発言を求められました。やはり、大学生の方が具体的な例を挙げて述べていました。次に、翌週に実施する論文テストの予告をした後、「義務教育が危ない」というDVDを視聴しました。これについて、8班に分かれて、大学生と本校生が混じってグループディスカッションを行い、各グループで出た意見を黒板に書きました。その後、川村准教授の指名で、各班の本校生がそれについて細かく発表するという形をとりました。うまくまとめられなかった生徒もいましたが、何事も練習です。このような作業を繰り返すことで、他人の意見を聞きながら、自分の思考を鍛え、的確に表現する技術を身につけていく、まさに大学のレベルに近づいていくわけです。

最後に川村准教授は、教育を通じて子どもたちが日本のよりよい将来を築けるようにする使命があるという言葉で講義を締めくくられました。私の感想としては、本校生にとっては少しレベルが高かったかもしれませんが、教職をめざす者として必須の体系的な知識や理論を吸収し、教育の実相やプロとして求められる専門性の高さについて学ぶという所期の目的に近づけたのではないかと思いました。改めて関西国大学のご協力に感謝申し上げるとともに、次年度もプログラムを継続していきたいと思います。

平成23年度特色選抜(教育総合類型)を実施

本校平成24年度特色選抜(教育総合類型)を2月13日(月)に実施し、無事終了しました。

ご協力いただきました関係者の方々に心より感謝申し上げます。今回は募集定員40人のところに、64人の出願があり、1.6倍の倍率でした。昨年に続き高倍率で本校教育総合類型に対する期待や認知度が高まってきていると実感すると同時に、その責任の重さを痛感しています。

40人の合格者の皆さん、合格おめでとうございます。これからの3年間、本校でしっかり学んでください。まずは、課題等がありますので、入学までの準備を怠らないようにしてください。

残念ながら合格に至らなかった皆さんには、次の受検(本校、あるいは本校以外でも)ではがんばっていただき、ぜひとも良い結果が出ることをお祈りしています。

PTA役員定例会での地域清掃活動と1年校外清掃

2月4日(土)PTA役員定例会に先だって、PTA役員と教職員が地域清掃活動を行いました。この時は、野球部の諸君が全員で手伝ってくれました。ご苦労様でした。
また、2月8日(水)には、1年生全員で6限LHRの時間を使い校外清掃を行いました。時々小雪が舞い散る肌寒い日でしたが、真面目にかつ楽しく取り組んでくれました。




予告

複数志願選抜(学力検査)について

尼崎学区複数志願選抜(学力検査)を3月12日(月)に実施します。詳しくは、本校ホームページに掲載しております募集要項をご覧になってください。なお、願書受付、志願変更はともに終了いたしました。

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