校長室の窓から No.37

        平成23年4月11日

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はじめに

この度の東日本大震災で、亡くなられた方々に対し心よりお悔やみ申し上げるとともに、被災された方々にお見舞い申し上げます。

また、多くの方々が避難所等での大変困難な暮らしを強いられていることを思いますと、切なく心が痛みます。とりわけ、阪神淡路大震災の経験がある私にとって、その記憶がよみがえるからでもあります。ご家族やご友人などを喪った上に、同じご苦労をされると思うと、どうしても暗澹たる気持ちに陥ってしまいますが、希望を失わず頑張っていただきたいと願わざるを得ません。阪神淡路大震災でも多くの人たちの協力・助け合いで何とか復興を果たすことができました。本校では、生徒・教職員と相談しながら、できるだけの支援協力をさせていただきたいと思っております。

3月23日の3学期終業式では、生徒教職員全員で哀悼の黙祷を捧げるとともに、そのようなことを生徒たちに話しました。また、災害時だけでなく、普段の学校生活の中でも、互いの生命や安全そして人権・気持ちを守り大切にしながら、しっかり学習に取り組み目標を持って成長を遂げていこうとも話しました。

このような悲しい出来事がありましたが、本校は平成23年度の新学期を迎えました。とくに今年度は、県教育委員会から研究指定された「学力向上プロジェクト」校の最終年度になりますので、3年間の成果を総括できるよう取り組みを一層強化してまいりたいと思っております。また、新しいスタッフも加わり、生徒、教職員がいっしょになって、「元気な県尼」をキャッチフレーズに頑張りたいと思いますので、ご支援ご協力をよろしくお願い申し上げます。

第66回入学式を挙行

4月8日(金)午後2時から、第66回入学式を挙行いたしました。

当日はあいにくの雨にもかかわらず、多数のご来賓、保護者の皆様のご臨席を賜り、誠にありがとうございました。

式は下記にあります私の式辞の後、新入生代表福井菜々さんの宣誓、ご来賓を代表して本校PTA会長津田加寿男様からご祝辞を賜り、無事終了いたしました。

入学しました66回生諸君には、これから始まる県尼での生活が楽しく充実したものになるよう、式辞にも述べましたように何事にも精一杯頑張って取り組んでくれることを期待しています。また、関係者の皆様方には、彼らへのご支援ご指導をよろしくお願い申し上げるしだいです。

第66回入学式式辞

まず冒頭に、この度の東日本大震災で亡くなられた方々、被災された方々に心よりお悔やみとお見舞い申し上げます。阪神淡路大震災で同じ思いをした者として、被災された方々には、ぜひともくじけず頑張っていただきたいと願わざるを得ません。また、物心両面での、いち早い復旧復興が叶うようお祈り申し上げます。本校といたしても、できるだけの支援協力をいたしたいと思っているところです。
しかし、このような悲しい出来事がありましても、日々季節は巡り、私たちの生活にも新しい息吹・鼓動が始まる時期となりました。本日は大変ご多忙の中、多数のご来賓並びに保護者の皆様のご臨席を賜り、兵庫県立尼崎高等学校第六十六回入学式を挙行できますことは、誠に喜ばしいことであります。
ただ今入学を許可いたしました二百八十名の新入生諸君、保護者の皆様、ご入学おめでとうございます。皆さんを本校県尼にお迎えすることができ、教職員、在校生一同大変うれしく思っております。

さて、この県尼は地域の伝統校として八十七年の歴史を持っております。卒業生には有為な方々が多数輩出し、皆さん幅広く社会で活躍されています。そこで、入学された新入生諸君には、その伝統を引き継ぎ、ぜひとも「文武両道」をめざしていただきたいと思っております。

「文武両道」とは言い古された言葉ではありますが、ここで言う「文」とは、当然学業のことです。なかなか勉強を好きになるのは難しいものですが、努力してそれをものにすることで、必ずや将来自分の人生を充実させてくれるものになると信じております。この県尼でしっかり勉学に励んで下さい。武とは運動部とは限りませんが、部活動や生徒会活動、学校行事にも精一杯取り組んでいただきたいということです。

私は、誰しも若い時に(必ずしも高校時代とは限りませんが)、学校生活の中で勉強以外にスポーツでも何でもよいから、何か一つ夢中になって打ち込むものを持っていた方がよいと考えています。と言うのは、その時はがむしゃらにやるだけで、訳がわからなくても、時がたつにつれて、それがもたらしてくれたものに感謝する時が来ると思っているからです。自分の生き方に大きな影響だけでなく、充実感や自信、あるいは人とのつながりなどさまざまな人生の豊かさを与えてくれるすばらしい贈り物となります。

そのような取り組みをすることで、この県尼で過ごす三年間の大半はきっと楽しい学校生活になると思いますが、時には悩み苦しむこともあるはずです。しかし、自己否定と自己肯定の狭間で揺れ、試行錯誤・失敗を重ねながら答えを探していく過程こそが青春だと思いますので、決して逃げないで下さい。若いのですから、やる気・元気・勇気を持って、友人と語らい、ともに成長していく学びの場を作り上げていってくれることを切に願っています。

そのためには、安全で安心できる学習空間でなければなりません。私たち教職員は、全力でそれを守っていきたいと考えております。また、生命や安全はもちろん、人としての成長や人権も尊重され保障されなければなりません。いわゆるいじめは絶対に許さない覚悟で取り組んでいきます。
ですから新入生諸君も、与えられた命をしっかり生き抜いていって下さい。

東日本大震災では多くの若い命が失われましたが、皆さんもっと生きたかったに違いありません。君たちには、いろいろな人に生かされているという自覚を持って、悔いなく人生を歩んでいってほしいと思います。そして、そのためには力をつけなければなりません。

そこで、本校の校訓について述べておきたいと思います。正門の脇に、「自主・根性・聡明」と刻まれた校訓碑が建っています。これについて、私なりの解釈をいたしますと、

「自主」とは、安易に他人に頼ることなく、問題から逃げ出したりせず、現実を直視することで自らの課題を見つけ、それを解決するための具体的な方策を自らの頭で考え、自らの意志で判断し、勇気を持って実行する問題解決能力のことです。さらに、大事なことは、たとえ失敗しても決して他人のせいにせず自分で責任をとることです。

「根性」とは、自分で決断しやり始めたことは、最後まで諦めず粘り強く努力することです。苦境に陥った時こそ、その人の真価が問われます。その時、最初から限界を設け、言い訳をしたり、すぐに諦めてはなりません。くじけない心を持ち、地にしっかり根を張り最後まで我慢強くやり抜けば、必ずや解決の糸口が見えてきます。また、自分の伸び代も増えます。目標達成まで頑張る忍耐力、強い精神力を身につけて下さい。

「聡明」とは、他人の話をよく聴き、物事をしっかり洞察し、創造力を持って考える力のことです。また、単なる知識だけでなく、幅広い教養やよりよく生きる知恵を身につけるには、学問も大切ですが、人の話をよく聴き話し合うことができるコミュニケーション能力が問われます。決して独善的になるのではなく、必要な自己抑制をすることができ、協調していくことで多くの友人も得られるはずです。また、多くの人たちと交わることでいろいろな見方や考え方を学ぶことができ、周囲とよく協力することで大きなことを成し遂げることも可能でしょう。

私が本校の校長として、新入生諸君につけていただきたい力とは以上のようなことです。
皆さんが大人になった時、この県尼で一生の友達ができ、楽しい青春を過ごした学校として、懐かしく誇りを持って思い出される学校として、また自分に自信と勇気を与えてくれた学校として記憶に残るよう、お互いに精一杯頑張りましょう。

また、保護者の皆様には改めまして心よりお祝いを申し上げます。これは、毎年申し上げていますので恐縮ではありますが、新入生諸君は皆様が苦労して育ててこられた皆様の宝ものです。ただ、それだけでなく、地域を担う宝であり、これからの日本を支えていく宝でもあります。したがって、自己実現をはかるだけでなく、広く社会貢献を志す人材として育ってほしいと願っております。それだけに私たち県尼の責任は非常に重く、全力で新入生諸君を教育していくことをお誓い申し上げますが、実は私たちのできることには当然ながら限りがあります。生徒たちはもちろんですが、学校、家庭、地域の協力関係においてどの一つが欠けても、社会貢献どころか、自己実現さえ叶うものではありません。生徒たちを真ん中に据えて、三者がサポーターとして連携していけるようご理解ご協力をお願い申し上げる次第です。

最後になりましたが、ご来賓の方々にはご多忙にもかかわりませずご臨席を賜り、高いところからではありますが、厚く御礼申し上げます。今申し述べましたように、県尼は地域とともに歩み成長してまいる所存です。この学舎で学ぶことになる新入生諸君も同じであります。私たちを温かく見守っていただき、時には厳しくご指導ご鞭撻を賜れば幸いに存じます。よろしくお願い申し上げます。
六十六回生諸君が「あかさたな」(明るく、賢く、幸多く、正しく、仲良く)学校生活を送ることを心から願って、式辞といたします。

「インターピープル」を開催

3月11日(木)に、本校恒例の「インターピープル」が開催されました。

「インターピープル」とは、地域における世代を越えたふれあいをテーマに、本校が中心となって地域の老人施設、知的障害者施設、小学校、保育所などによびかけ、お互いの親睦や交流を深める文化発表会のことです。とくに、昨年からは教育総合類型クラスの実習の一環として、保育園児との活動を取り入れました。

今年度は、金楽寺老人クラブ「粋心会」の皆さん、西長洲保育所の園児の皆さん、PTAのOBの皆さんなどに来ていただきました。本校生徒も含めて観覧だけでなく、それぞれ出演していただき、大いに楽しんでいただいたものと思っております。

生徒会執行部、放送部、演劇部がそれぞれ協力して司会、運営、進行を担当しました。まだまだ改良の余地はあるものの、自主的に取り組んでくれたことを大いに評価したいと思います。 

2時間30分にわたる交流の模様をかいつまんで紹介しますと、まず、ステージでは、西長洲保育所園児の演技やPTAの0Bの皆さんによる「エイサー踊り」が行われたほかに、本校生徒の出演としては、オープニングの吹奏楽部の演奏、1年女子有志のダンス(体育の授業での優秀チームによる)のパフォーマンスがあり、トリを飾ったのは軽音楽部でした。その幕間には、2年7組(教育総合類型クラス)制作のミニシアターを上映しました。

園児演技 エイサー踊り


柔道場では、関西を中心に活動しておられる紙芝居師小笠原優さん(元小学校長)の紙芝居が行われました。なお、小笠原さんには本校教育総合類型クラスの特別非常勤講師としてご指導いただいています。

また、剣道場では、1年7組(教育総合類型クラス)が保育園児と遊戯をして楽しいひとときを過ごしました。

紙芝居 園児と遊戯


とりわけ、今回は総合的な学習の時間「セルフ=ナビ」のスピーチ大会で優勝した前徳ななさんが「人との関わりのなかで学んだこと」、同じく優勝者の後藤菜摘さんが「ペットショップで学んだ命と言葉の大切さ」と題して、スピーチを行いました。内容は、昨年7月に実施した3日間の職場訪問(本校における就業体験事業)の経験を踏まえた発表でした。これについては、私はけっこう出色だと思っています。

そのほか、体育館内のコーナーでは、茶道部のお茶・茶菓子のサービスもありました。
生徒諸君にとっては、準備から含めて何かと大変だったとは思いますが、充実した半日だったのではないでしょうか。このようにいろいろな世代が一堂に会して、活動をともにするという経験は非常に貴重だと思います。生徒たちが今回の行事から自分たちの年代以外の人たちとのつながりを意識し、コミュニケーションをはかる手立てを身につけていけることを期待しています。同時に、本校としても地域の教育・文化の中心的なセンターとしての役割を果たし、有形無形に地域に貢献していけたらと思っています。

最後になりましたが、ご来場いただいた皆さんには感謝申し上げます。


短信

平成23年度学力検査終わる

尼崎学区複数志願選抜(学力検査)を3月14日(月)に実施し、無事終了しました。

ご協力いただきました関係者の皆様には、心よりお礼申し上げます。募集定員240名のところ、受検者数は291名となりましたので、倍率は1.21倍でした。

合格発表は3月21日(月)に行いました。これで、特色選抜(教育総合類型)を含めて計280名の入学者が決まりました。合格者の皆さん、おめでとうございます。県尼は君たちを心よりお待ちしています。それぞれの夢や目標をしっかり抱いて入学して下さい。

本校は明るく楽しく、生徒たちの仲が良い学校です。なおかつ、勉学や生活指導にも厳しい学校です。やる気・元気・勇気を持って、ともに県尼を盛り上げていきましょう!!

第3回学校評議員会

今年度第3回の学校評議員会を、3月24日(木)14時より本校会議室にて評議員5名の方のうち、田中和典、三木右至、真柄容子、三宅奈緒子各氏のご出席をいただき開催いたしました。

なお、山本裕之氏は所用のためご欠席でした。学校側は校長はじめ教頭・事務長・部長・主任合わせて13名が出席しました。

最初に、校長から挨拶をかねて今年度の本校の取り組みについて報告を行いました。その主な内容は、予定していた教育活動はほぼ順調に実施することができている、今後もさらに学力向上を最大のテーマに取り組んでいきたい、というものでした。次に、各部長・主任から担当部署の今年度の自己評価及び成果と改善の方策についての報告を行いました。

それについて質疑応答を行った後に、評議員の方々からご発言がありましたが、それらをかいつまんでご紹介いたしますと、 「生徒のマナーや挨拶が大変良くなっている」 「卒業式はすばらしかった。また、各部署についても改善が進んでいる」 という肯定的な評価もいただきましたが、 「学校評議員会の持ち方や自己評価アンケートの仕方についてもっと工夫すべきだ。家庭学習の充実がまだまだ不十分である」 「広報についてもっとアイデアをこらすように」 という比較的厳しいご指摘もありました。

なお、今回の報告をもとに評議員の方々による学校関係者評価をしていただいた後に、自己評価の結果とともに本校ホームページ上に公表する予定です。4月中には掲載できると思いますので、ご覧になっていただければ幸いです。

第2回四者懇談会

今年度第2回の四者懇談会を、3月25日(金)13時30分より本校会議室にて開催いたしました。

この会は本校独自のもので、平成16年度より毎年2~3回程度定期的に開いています。四者とは、地域(本校に隣接する4つの社会福祉協会長〔町内会長のこと〕)、保護者代表(PTA役員)、生徒代表(生徒会役員)、教職員代表(校長、教頭、事務長、総務部長、生徒指導部長、学年主任)のことを指し、この四者が一堂に会して、さまざまなことを話題に意見交換する場です。同じ地域をともにするという基盤の上で、共通理解を深め、連携を密にして相互に発展していこうという趣旨で始まりました。

話題は校内の状況や生徒の通学の様子、地域から見た県尼の姿など多岐にわたり、昨年度はその話し合いの中から、生徒たちがアルミ缶のプルトップを集めて車いすを寄付する活動に参加協力するということも生まれました(ちなみにこの活動は現在も継続中です)。

今回は自己紹介の後、主に次のような発言がありました。

○ 地域から
 ・ 四者が仲良くして、県尼を良くしよう
 ・ 勉強、スポーツとも頑張ってもらいたい
 ・ 吉備彦神社(本校の近くにある)で通りがかりの県尼生がボランティアの清掃活動をしてくれたことは、近隣でもよく知られている感心な出来事である

○ 保護者から
 ・ 県尼は身だしなみや挨拶など本当に高校生らしい
 ・ プルトップ回収運動の取り組みは良い、PTAも手伝いたい

○ 生徒から
 ・ 県尼はいい学校でいじめもなく明るい、これからももっと良くしていきたい
 ・ 生徒たちは挨拶ができるし仲も良い、先生たちも親切だし安心できる
 ・ 東日本大震災の義援金の募金活動をしたい
 ・ 部活の活躍がまだまだ少ない

○ 教職員から
 ・ 生徒たちの発言を聴いていると頼もしい
 ・ 協力し合って自主的な活動をもっと盛んにしてほしい
 ・ 学習面ではもっと勉強しよう

その他の話題としては、地域の方からもっと他にも出席者をお願いしてはどうかという提案があったり、生徒からは「インターピープル」(本校主催の地域の方々との文化交流行事、今号に関連記事あり)の持ち方について改良を要するなどの指摘があったり、皆さん非常に前向きな発言が多く、それらがどう実現していくか、今後が楽しみな気配でした。

最後に、お忙しい中、お集まりいただいた方々には心より感謝申し上げます。

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