卒業生連続講演B
溝畑 智子氏
(第47回生/看護師)
「アフリカから見た日本」
―マラウイでの活動を通して―
2007/07/19(thu)

 創立110周年記念事業・卒業生による連続講演の第3弾は、47回生の溝畑智子さんによる講演「アフリカから見た日本」。2年生の生徒262名がお話をうかがった。
 溝畑さんは、中学時代にテレビで見て以来、アフリカでのボランティア活動に興味を抱き、JICAの青年海外協力隊に参加、2004年からの2年間、アフリカのマラウイで活動を行った。
 トゥンブカ語での自己紹介から始まった溝畑さんの講演。写真もまじえながら、マラウイの暮らし、文化、そして医療に関する状況まで、分かりやすく伝えてくださった。
 マラウイはアフリカ南東部にあり、北海道と九州を合わせたほどの面積を持つ。溝畑さんはその国の北部の病院に勤務し、主に「村回り」の仕事を行った。
 具体的な仕事内容は、乳幼児検診、栄養指導、母子健康指導や感染症対策など。アフリカ諸国はエイズ感染者が多いと言われるが、それは知識不足に因るところが大きい。溝畑さんは現地で、医療に関する知識の啓蒙、治療や健康・衛生管理に関する技術指導に当たられた。
   マラウイにおけるエイズに関するお話は、生徒にとって大きな衝撃であった様子だ。
 マラウイの平均寿命は現在39歳。しかしそれも、エイズの影響で年々縮んでいるという。しかし、溝畑さんは仰る。
 「先進国でエイズ感染者が激増しているのは日本だけ。意識の上では、マラウイより日本の方が遅れているのではないか」
 小・中学校以来教室で学び、知識としては知っているはずのエイズだが、溝畑さんの言われた言葉は、生徒の心を強く揺さぶったようだ。
 「生活や医療の原点を見ることができた」
 「豊かさと幸せとは比例しないと知った」
と、マラウイでの活動を振り返る溝畑さん。マラウイの人々は貧しいからといって必ずしも「不幸」なわけではなく、むしろ、いつも笑顔を絶やさず、歌い、踊っている彼らに比べ、金銭的には恵まれているはずの私たち日本人は、本当に「幸福」なのか。溝畑さんから投げかけられた大きな問いであった。
 最後には、これから進路選択へと向かう生徒たちに、「健康であること」「夢を持つこと」「多くの人と出会い、多くのことに興味を持つこと」と、メッセージを頂いた。