学力とは何か - キラリ☆個性! 兵庫県立伊丹北高等学校-兵庫県の総合学科高等学校です

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学力とは何か~卒業生が語る伊丹北で身につけた力~

 学力向上プロジェクト(平成21年~23年)事業の一環として、2012年1月に卒業生を交えて座談会を行い、本校での教育成果の評価を行いました。

 本校が考える「学力」について、ぜひご理解ください。

座談会参加者

Aさん(小学校教諭、本校総合学科3期生)

Bさん(四年制大学理学部学生、本校総合学科8期生)

Cさん(四年制大学芸術学部学生、本校総合学科8期生)

D教諭(本校教諭、コーディネーター)

座談会 学力とは何か

D教諭:まず、みなさんが現在取り組んでおられる事についてお話を聞かせてください。

Bさん:今大学2回生でまだ本格的な専門の勉強は始まっていないのですが、物理に関する様々な事を勉強しています。それと同時に、うちの大学特有の制度で、専門課程に入る前に研究室に入ってそこで自分の考えた研究をさせてもらえるという希望者対象のプログラムがあり、そこでバンデグラフという加速器を使って、成分元素の分析をしています。面白い応用として、枝豆の産地がわかったりするんですよ。

Cさん:大学というところは値段の非常に高い賃貸マンションのようなもので、容れ物は用意してくれても中身は自分でんとかしないといけないんですよ。そこで大学で学ぶだけではなくて、学んでいることに関係する職場で、アルバイトという形で学んだことを実践して確かめるようなことをしています。放送局関係の仕事で、北高時代にやった自主体験学習を一人でやっている感じです。

Aさん:私は小学校で音楽の専科教員をしているのですが、勤めている神戸市の小学校には連合音楽会というのがあって、たまたま今年自分の学校が北区の代表として出ることになっています。それに向けて歌のほか楽器や振り付け、演出まで含めて、1月の発表会に向けて取り組んでいます。ほかにも毎日の授業で取り組む曲のアレンジを自分でして、今までほとんどしたことが無かった作曲をし、それが子供たちの表現を通して形になっていくのがとても面白いと感じています。

D教諭:北高時代に学んだことで何か今の活動に生きていると思うことはありますか?

Cさん:今日この会場に来る時に通った事務室前の電話を見てとても懐かしく思いました。自主体験学習をしたとき、自分で探してきた職場体験先にみんなあの電話を使って緊張しながらアポを取っていました。今考えると、あの体験は社会との出会いだったような気がします。今半分社会に足を踏み入れてみて、いろいろな人とコミュニケーションをするのに非常に役立っていると感じます。

Aさん:私も自主体験学習が大きかったと思います。先生が段取りしてくれるのではなく自分たちに任されていて、ポイっと放り出される感じだったじゃないですか。そこが中学でやった「トライやるウイーク」とは違うところです。私は小中学校時代に所属していた合唱団の先生のところに行ったのですが、そこで音楽を職業とするための具体的な道筋を教えてもらうことができました。夏にその話を聞いて、秋から音大を目指すレッスンを始めました。自主体験が現在の私につながる大きなきっかけになったと思います。あれが無かったら今の職業に就くことはできていないと思います。

Bさん:3年生で取り組んだ課題研究が役立っています。音を電気エネルギーに変換する研究をしたのですが、結果としてはごくわずかしか出力できませんでした。しかし、自分でスケジュールを組んで、材料から集め、どうやって研究を進めていけばいいか、一度やってだいたい分かっているというのは、今すごい強みになっています。

Cさん:大学に行くと全国のいろいろな高校から集まってきているのですが、人の前で話す力とか、プレゼン能力、物事をまとめる力といったものには差を感じます。

Aさん:3年間とにかく自分の頭で考えさせられ続けたように思います。受け身ではなく、自分で考える力が身に付くのが北高だと思います。

Bさん:たとえば産社で「2分間スピーチ」をやりましたが、みんなが一生懸命原稿を書いて覚えて練習してきます。それぞれが苦労しているので前で発表する人の話はみんなよく聞くし、人の前に出て何かやってくれる人がいる時には自然と協力しようと思うわけです。大学で感じるのはそのような態度を養えないまま大学生になってしまっている人が多いということです。

Cさん:それはありますね。北高生ならそんなことは当たり前だろうということが出来ていなくて、「一度北高行ってきたら」と思ってしまうことがあります。でもこれは卒業してからじんわりと気づくことなんです。今改めて自分が北高で学べたことを本当に良かったと思うし、母校に誇りを持てるというのはすばらしいことだと思います。

Bさん:大学には、いわゆる「お勉強」ばっかりしてきたような人もけっこういるんですけれど、北高は「お勉強」の他にも求めているものがあるわけです。社会に出てから本当に必要になるのはそっちの力じゃないでしょうか。実際大学への関門を突破するためには「お勉強」も必要ですが、僕は塾や予備校には行っていませんでした。勉強する上で一番役だったと思うのは北高の雰囲気です。周りの人たちがそれぞれに目標を持って頑張っているんです。勉強でわからないことがあればとことん友達と議論しました。それでもわからない場合に先生に聞きに行く。そんな雰囲気が1 年生からの様々な取り組みを通して自然と作られていくのだと思います。モチベーションさえ上がれば、みんな自然に勉強しますよ。

D教諭:伊丹北では学力を幅広くとらえ、伸ばしていこうとしているのですが、みなさんは「学力」というのは何だと思いますか。

Cさん:学力って「力」という字が入っていますが、物体に力がはたらくと加速して進んでいきます。しかし、摩擦力や空気抵抗があるとうまく進むことができません。推進力が狭義の「学力」だとしたら、抵抗を減らして、正しい方向により遠くまで進んでいくようにするのが産社、総学、課研で身につける総合力だと思います。その全体を含めて学力なのではないでしょうか。

Aさん:生きていくうえで必要な土台が学力だと思います。将来はそれぞれに自分の専門に特化した力が求められるようになりますが、学校ではその基礎になる広い土台を作る必要があると思います。土台が狭くてはその上に高い専門性を築いていくことができません。それと、知識や技能は学力の要素には違いありませんが、それとともにその知識や技能を活用する力が無くては意味がありません。机上で学んだことを実際の場面で自分の力として生かす力が大切です。そこまでを含めて学力と言うのだと思います。

Bさん:自ら学ぶ力が学力だと思います。何かを知りたいと思った時、どうやったらそれがわかるのか、そのやり方を理解していて実行していく力です。この事については伊丹北でずいぶん鍛えられました。それから、友達との関係の中から生じる学ぶ力というのもあります。伊丹北では1,2年生では様々な進路希望の人がごちゃまぜのクラスでしたが、たとえばディベートをやったとき「こんな考え方の人もいるんだ」という刺激を受けたり、発表の機会が多いので他の人の発表で興味を抱き、それを自分でさらに調べてみたり、人間としての幅を広げてくれるのが他者との関係から学ぶ力です。

Cさん:大学では科目選択をしなければならないのですが、今それがちゃんと出来ない人が多いように思います。北高では1 年の時にすでにそれが求められました。シラバスを読んで理解し、現在の自分と将来の自分を見通して科目を選んで目的を持って学んでいく必要がある。与えられるのを待つのではなく、つかみ取っていく力が学力の大切な要素なんじゃないでしょうか。

D教諭:それでは、最後に北高に注文、というかこうすればより良くなるのになという点があればおっしゃっていただけませんか。

Bさん:いろいろな科目がカリキュラム表には置いてありますが、実際にはなかなか取れないという点をなんとかしていただきたいです。せっかく総合学科なんだから。特に僕のように国公立理系の進路希望だと受験科目だけで埋まってしまうんですね。そのためなら7 時間目や0 時間目というのも有りだと思います。

Aさん:課題研究をもう少しなんとかしたいですね。私は自分の反省でもあるのですが、あの時間を十分に活用しきれなかった気がします。

Cさん:取りたかった授業が取れなかった時には「課題研究」の時間を使って興味があることをすればいいと言われました。ただ課研は3 年でやるので、受験の時期と重なるわけです。受験勉強とのバランスは考えなければなりませんが、やり方や意識付けをもう少し工夫すればいいのではないでしょうか。

Bさん:先輩が課研でどんなことをしたかを知りたかったですね。代表者による発表は見ることができたのですが、どうやって1 年間を過ごしたのかとか、途中経過も含めて知ることができれば興味も湧くし、課研に対する生徒の考え方もよりよくなると思います。

D教諭:ありがとうございました。今日お話ししてくださったことを元に伊丹北の良い点はさらに伸ばし、改善すべき点はより良い方向へ変えていきたいと思います。みなさんのそれぞれの分野での活躍を期待しています。

卒業時生徒アンケート

過去7年間(総合学科4期生~総合学科10期生)のデータを平均したものをご紹介します。

なお、研究指定「学力向上プロジェクト」事業の一環として、「学力とは何か ~卒業生が語る伊丹北で身につけた力~」と題し、2012年1月に座談会を実施しました。そちらもぜひ、ご覧下さい。

Q1 中学生に伊丹北高等学校の総合学科を薦めますか

61%の卒業生が「自信を持って薦める」、「薦める」と回答しています。

Q2 「伊丹北高校の総合学科」で高校生活を送ることができて満足ですか

87%の卒業生が「非常に満足」、「満足」と回答しています。

Q3 「産業社会と人間」の授業は自分にとって意味がありましたか

79%の卒業生が「非常にあった」、「あった」と回答しています。