「命の大切さ」を実感させる教育プログラム 実践事例集U
ホーム 実践事例集 実践事例集V

はじめに

平成20年3月

『命の大切さ』を実感させる教育プログラム開発研究委員会
委員長 冨永 良喜
兵庫県立教育研修所 心の教育総合センター所長


いじめを苦にした子どもの自殺、少年による凶悪事件、子どもが犯罪に巻き込まれる事件などが報道される中、二度と蘇ることのない「いのち」の大切さを、公教育の中で、取り上げなければならない時代がきていることを痛感する。誕生を育む性の営み、誕生、成長、災害、被害、事故、病、老い、死。「命を大切にする」とは、それぞれの営みや出来事に、真摯に向き合い、「喜と楽」を真に味わい、「怒と哀」を人を傷つけない適切な表現に変えることかもしれない。
兵庫県立教育研修所心の教育総合センターは、「心の教育授業実践研究」「学校のストレスマネジメント研究」「暴力防止プログラム研究」等を刊行してきた。その集大成という試みが、「命の大切さを実感させる教育プログラム」である。このプログラムは、これまでの心の教育授業実践を包含するプログラムである。心の教育授業実践が、主に、臨床心理学の最近の知見を参考に構成されていたのに対して、命の大切さを実感させる教育は、教育そのものであると同時に、実践者の生き方そのものが問われている。
本実践事例集の内容も多岐に渡っている。小学校編は、児童間の人間関係を積極的に取り上げた実践と、保育園児との交流や子守歌をとおして育ちに注目した実践である。中学校編は、阪神淡路大震災・沖縄の歴史・死にかかわる絵本からの実践、台風23号豪雨災害での人と人の絆を取り上げた実践である。高等学校編は、犯罪被害者遺族の話や救急法のグループワークの実践である。いずれも、全15時間程度の授業実践である。  また、授業プランとして、命の絵本、ストレス、メール・ブログといった視点から構成した授業案等も織り込んだ。
今後もさまざまな実践を積み重ねていかなければならない。誕生を育む性の営みを取り上げた実践や、自殺防止教育は、まだ事例集に収められていない。また、国際的な視点からの命の大切さの実践も、これからであろう。実践事例集Uをもって終わりとすることなく、「命の大切さを実感させるさまざまな教育実践」がこれからも集積されることを願ってやまない。
目次
第1章 実践事例集の活用について
第2章 実践事例−小学校編−
第3章 実践事例−中学校編−
第4章 実践事例−高等学校編−
第5章 「命の大切さ」を実感させる教育プログラム 授業プラン
設置要項、委員名簿等資料
全データ
心の教育総合センターへ

   All Rights Reserved. Copyright (C) 2008 Hyogo Prefectural Board of Education