(1)授業用指導案の作成

 
授業用指導案の作成に当たっては、教育プログラムモデルをもとに、各学校の状況、子どもたちの実態や発達段階に応じて、学習・体験を組み合わせることが必要である。
16頁の第U部実践編「実践編の構成と活用方法」に示したように、授業実践に向けて授業のねらいを決め、中心となる学習・体験を選択し、目標分析表、目標構造図、学習指導案、振り返りカードからなる授業用指導案を作成する。

○目標分析表    雛形 雛形
授業用指導案の作成に当たっては、各学校の状況、子どもたちの実態や発達段階に応じて、単元や時間ごとのねらいを明確にする必要がある。つまり、子どもたちに学習・体験をとおして、どのような力をつけたいのか、どのような姿勢や態度を養いたいのか等の到達目標を明確にするのである。そして、こうした目標を具体的に洗い出し、目標分析表を作成する。
目標分析表には、縦軸を小単元(次)ごとに区切り、横軸に「感動の体験」「感性を育む」「想像力の育成」という指導のポイントを設けている。また、子どもたちの状況を把握し、事後の子どもたちの心の動きや振り返りがねらいや到達目標から見て十分なのかどうかといった「先生の振り返り」の項目も設けている。この目標分析表の作成は、単元の教育活動全体に目を配り、そこでのポイントを精選、構造化するための基礎作業となる。

○目標構造図    雛形 雛形
単元の主要な目標を洗い出した目標分析表の中で、特に重要なものを精選し、構造化したものが目標構造図である。目標構造図の作成をとおして、活動の全体構造とそこでのポイントや系統性を明確にすることができる。
(1)中核目標の抽出
これだけは絶対にはずせないという本質的な意義を持つ中核目標を1〜3個選び出す。
(2)基礎目標の相互関係の設定
中核目標以外のものを、中核目標を支える基礎目標とし、これらを論理的に分析して構造化し、中核目標の達成との関係がはっきりするような形で位置づける。
(3)前提目標の設定
学習・体験をすすめるに当たっての前提として、理解や定着を再確認しておくべきことを前提目標として設定する。
どの目標を中核目標にするか、基礎目標との間にどのような構造を設定するかは、目の前の子どもをどうとらえ、どのように命の大切さを実感させようとしているのかによって異なってくる。

○学習指導案    雛形 雛形
目標分析表、目標構造図にもとづいた学習・体験活動を小単元(次)ごとに示したものが学習指導案である。

○振り返りカード    雛形 雛形
子どもたちが学習・体験の後に、振り返りカードへの記入をとおして、自分の活動内容や心の動きを振り返ることが必要である。
振り返りカードには、「感動の体験」「感性を育む」「想像力の育成」のそれぞれの目標(めあて)をあげている。子どもたちは、このカードへの記入をとおして、学習・体験の目標(めあて)と照らし合わせながら、自分の活動内容や心の動きを振り返っていくのである。そして、それぞれの振り返りの後、全体を振り返っての感想を記入する。その後、教員と家庭からコメントをもらい、それらを蓄積することにより、このカードをポートフォリオとして活用することができる。

【参考・引用文献】
・ 梶田叡一『絶対評価<目標準拠評価>とは何か』小学館2004
・ 人間教育研究協議会編『真の学力向上のために』金子書房2005
・ 加藤明『評価規準づくりの基礎・基本−学力と成長を保障する教育方法−』明治図書2003