校訓 克己自立、敬愛協同、日新創造

校 訓

校訓碑



克己自立――克己心・自立心を培う。
 日常生活のあらゆる機会において、健全な倫理観と豊かな人生観を養い、困苦にも堪え抜く生活習慣と生活態度を培う。
敬愛協同――敬愛と協同の精神を養う。
 学校は人間教育の場である。教育活動を通して温かい人間関係を結び、自ら重んずるとともに、他人を尊重し、協調しながら、互いに研鑽努力する精神を養う。
日新創造――日新創造の習慣をつくる。
 「温故知新」の精神に立脚し、新しい時代の開拓者として必要な学力を培い、広く、深く学び続けることによって創造力の基本の育成に努める。

校 名

兵庫県立尼崎稲園高等学校

 校地の「猪名寺(いなでら)」は、旧町村制の「園田村」に属するが、一方「しなが鳥猪名野を来れば有馬山夕霧立ちぬ宿(やどり)は無くて」《「万葉集」巻七》、「有馬山猪名の篠原風吹けばいでそよ人を忘れやはする」《「小倉百人一首」大弐参位》などの歌にみられる「猪名野」は、近傍の地であり、古来著名な歌枕である。
 「猪名野」は、伊丹市南部の伊丹台地の古称とされ、猪名川から武庫川に至る西摂平野一帯の地をさして呼び、奈良時代以来、貴族の遊猟地とされたことを考えれば、校地のあたりも広義の「猪名野」に属するとみられる。
 さらに東北方には、猪名寺廃寺跡や田能遺跡などがあり、古代文化の栄えた地域でもある。近代工業地域化した「尼崎」にあって、古代のすがたを想望する意味をこめ、かつ「猪名寺」の「猪名」と音の上で通じ、謙虚さ、厳しさ、豊かさと、天地をめざして力強く伸びるすがたを象徴し、生命の糧でもある「稲」の文字を用い、前述した「園田」の「園」と合成して、「稲園(いなぞの)」とし、これに「尼崎」の二字を冠して「尼崎稲園」とした。
 現代と古代、工業地域と田園の対照は、同時に、新しい文化の創造の願いを示す。

校 章

[校章の由来]
 本校の校章は、校名にちなみ、学校の所在する旧園田村の「園」を図案化した文字の中心に「高」の文字を配し、これらを包摂するかたち全体で「稲」を象徴的に表す図柄としたものである。
 「稲」の「籾殻(もみがら)」をはじいて、成熟した「実(ミ)」「米」のなる姿は、同時に、無限の天空を目指し、悠久の未来へ向かって生々発展する生命力と創造力をあらわし、理想の教育を実現しようとする学園のすがたを象徴している。
 基底部は基礎的な態度・姿勢を、両側に広がった部分のうち、内側の直線部は厳しさ、外側の円弧部は豊かさをそれぞれ表し、二つの弧を延長すれば円となり「人格の完成」を示し、二つの直線を延長すれば広がりとなり、「無限の発展」を示す。
 厳しさに耐え抜く強固な意志力と、豊かな情操をつちかい、「知」「徳」「体」の調和的に発達した人格の形成者として、不断に努力精進し、社会の発展に真に貢献し得る人物の育成をめざす本校教育の願いをこめたものである。
 制作にあたっては、元武庫川女子大学教育学科教授・元兵庫県立のじぎく養護学校長・元創元会会員中西清氏に、特にその労を煩わしたことを記し、深い謝意を表する。