兵庫県立西宮今津高等学校図書館へようこそ

 

ランガナタンの図書館学の5法則

ランガナタンが提唱した図書館学五原則は以下のとおりである。

1.本は利用するためのものである

2.本はすべての人のためにある。または、すべての人に本が提供されなくてはならない

3.すべての本をその読者に

4.読者の時間を節約せよ

5.図書館は成長する有機体である

 

ユネスコ学校図書館宣言
――すべての者の教育と学習のための学校図書館――
(School Library Manifesto Ratified by UNESCO)

1999年11月 第30回ユネスコ総会において批准(原文は英語)

 学校図書館は,今日の情報や知識を基盤とする社会に相応しく生きていくために基本的な情報とアイデアを提供する。学校図書館は,児童生徒が責任ある市民として生活できるように,生涯学習の技能を育成し,また,想像力を培う。

学校図書館の使命

 学校図書館は,情報がどのような形態あるいは媒体であろうと,学校構成員全員が情報を批判的にとらえ,効果的に利用できるように,学習のためのサービス,図書,情報資源を提供する。学校図書館は,ユネスコ公共図書館宣言と同様の趣旨に沿い,より広範な図書館・情報ネットワークと連携する。

 図書館職員は,小説からドキュメンタリーまで,印刷資料から電子資料まで,あるいはその場でも遠くからでも,幅広い範囲の図書やその他の情報源を利用することを支援する。資料は,教科書や教材,教育方法を補完し,より充実させる。

 図書館職員と教師が協力する場合に,児童生徒の識字,読書,学習,問題解決,情報およびコミュニケーション技術の各技能レベルが向上することが実証されている。

 学校図書館サービスは,年齢,人種,性別,宗教,国籍,言語,職業あるいは社会的身分にかかわらず,学校構成員全員に平等に提供されなければならない。通常の図書館サービスや資料の利用ができない人々に対しては,特別のサービスや資料が用意されなければならない。

 学校図書館のサービスや蔵書の利用は,国際連合世界人権・自由宣言に基づくものであり,いかなる種類の思想的,政治的,あるいは宗教的な検閲にも,また商業的な圧力にも屈してはならない。

財政,法令,ネットワーク

 学校図書館は,識字,教育,情報提供,経済,社会そして文化の発展についてのあらゆる長期政策にとって基本的なものである。地方,地域,国の行政機関の責任として,学校図書館は特定の法令あるいは施策によって維持されなければならない。学校図書館には,訓練された職員,資料,各種技術および設備のための経費が十分かつ継続的に調達されなければならない。それは無料でなければならない。

 学校図書館は,地方,地域および全国的な図書館・情報ネットワークを構成する重要な一員である。

 学校図書館が,例えば公共図書館のような他館種図書館と設備や資料等を共有する場合には,学校図書館独自の目的が認められ,主張されなければならない。

学校図書館の目標

 学校図書館は教育の過程にとって不可欠なものである。

 以下に述べることは,識字,情報リテラシー,指導,学習および文化の発展にとって基本的なことであり,学校図書館サービスの核となるものである。

● 学校の使命およびカリキュラムとして示された教育目標を支援し,かつ増進する。
● 子ども達に読書の習慣と楽しみ,学習の習慣と楽しみ,そして生涯を通じての図書館利用を促進させ,継続させるようにする。
● 知識,理解,想像,楽しみを得るために情報を利用し,かつ創造する体験の機会を提供する。
● 情報の形式,形態,媒体が,地域社会に適合したコミュニケーションの方法を含めどのようなものであっても,すべての児童生徒が情報の活用と評価の技能を学び,練習することを支援する。
● 地方,地域,全国,全世界からの情報入手と,さまざまなアイデア,経験,見解に接して学習する機会を提供する。
● 文化的社会的な関心を喚起し,それらの感性を錬磨する活動を計画する。
● 学校の使命を達成するために,児童生徒,教師,管理者,および両親と協力する。
● 知的自由の理念を謳い,情報を入手できることが,民主主義を具現し,責任ある有能な市民となるためには不可欠である。
● 学校内全体および学校外においても,読書を奨励し,学校図書館の資源やサービスを増強する。

 以上の機能を果たすために,学校図書館は方針とサービスを樹立し,資料を選択・収集し,適切な情報源を利用するための設備と技術を整備し,教育的環境を整え,訓練された職員を配置する。

職 員

 学校図書館員は,可能なかぎり十分な職員配置に支えられ,学校構成員全員と協力し,公共図書館その他と連携して,学校図書館の計画立案や経営に責任がある専門的資格をもつ職員である。

 学校図書館員の役割は,国の法的,財政的な条件の下での予算や,各学校のカリキュラム,教育方法によってさまざまである。状況は異なっても,学校図書館員が効果的な学校図書館サービスを展開するのに必要とされる共通の知識領域は,情報資源,図書館,情報管理,および情報教育である。

 増大するネットワーク環境において,教師と児童生徒の両者に対し,学校図書館員は多様な情報処理の技能を計画し指導ができる能力をもたなければならない。したがって,学校図書館員の専門的な継続教育と専門性の向上が必要とされる。

運営と管理

 効果的で責任のもてる運営を確実にするためには,

● 学校図書館サービスの方針は,各学校のカリキュラムに関連させて,その目標,重点,サービス内容が明らかになるように策定されなければならない。
● 学校図書館は専門的基準に準拠して組織され,維持されなければならない。
● サービスは学校構成員全員が利用でき,地域社会の条件に対応して運営されなければならない。
● 教師,学校管理者幹部,行政官,両親,他館種の図書館員,情報専門家,ならびに地域社会の諸団体との協力が促進されなければならない。

宣言の履行

 政府は,教育に責任をもつ省庁を通じ,この宣言の諸原則を履行する政策,方針,計画を緊急に推進すべきである。図書館員と教師の養成および継続教育において,この宣言の周知を図る諸計画が立てられなければならない。

(共訳・ながくら みえこ : 実践女子大学,ほりかわ てるよ : 島根県立島根女子短期大学)

 

学校図書館メディア奉仕宣言

ユネスコと学校図書館メディア奉仕

国際連合教育科学文化機構(ユネスコ)は、人間の精神の働きを通じて、平和と福祉を推進するために創設された。この宣言は、学校図書館メディア奉仕が、すべての児童および青少年の効果的教育に欠くべからざるものであり、かつ、教育は人間と人間、国と国との間の理解を深めるためにきわめて重大な手段であることを声明する。

学校図書館メディア奉仕

 効果的な学校図書館メディア奉仕は学枚の教育計画の達成にとっても、また、総合図書館奉仕の必要な構成一要素としても、欠くべからざるものである。効果的学校図書館メディア奉仕は、指導および学習計画に継続的な支援を与え、教育的変革を促進し、可能な限り広範囲のリソ−スと奉仕への到達を最大限に可能にし、児童・生徒が広範な領域のリソースと奉仕を確保、利用する基礎的技能を習得させ、レクリエーション、情報取得、継続教育のために図書館を生涯を通じて利用するように児童・生徒を指導する。
これらの目標達成のため、学校図書館メディア奉仕には、教育および図書館学の専門的資格を有する職員と、それを補佐する十分な補助職員が要求され、適切な印刷資料および視聴覚資料による十分な所蔵資料が必要とされ、資料を収蔵し、提供し、奉仕を行うための施設・設備が要求される。

奉仕の範囲

リソース奉仕は、以下のものを提供しなければならない。     

a)多種多様の印刷資料および視聴覚資料。これらの資料は、不必要な資料の重複を避け、利用を確実にし、提供を可能にするために、適切な方法によって評価され、選択され、収集され、組織化されなければならない。
 印刷されたことばは、知識、思想、情報の記録された伝達媒体として古くから受け入れられてきた。今後とも、図書、雑誌、新聞は、学杖図書館のもっとも重要な資料であり続ける。しかしながら、科学技術は新しい記録形態を出現させ、それらが学校図書館資料で占める割合は増大している。これら新しい形態には、蓄積や転送に便利なように縮小された印刷物、フィルム、スライド、レコード、録音テープおよび録画テープ、触覚資料、教材キット、模型が含まれる。 

b)英才児および遅習児の特別な必要性、ならびにさまざまな環境にある児童の特別な必要性に応える資料。

c)個人および集団としての利用のための施設、設備、資料。

d)個人的な楽しみ、レクリエーション、想像力を鼓舞させるさまざまな機会。

e)研究を促進し、学習スキルを発達させるリソース。

f)教師の専門的発達を助け、カリキュラムの開発、実施、評価を支援するリソース の選択と生産に必要な資料。                

リソース・シェアリング

この宣言は、地域社会全体ぐるみの関与が総合図書館奉仕計画において必須であることを確認する。このような関与に際しては、関心を持つすべての関係団体がこれに参加できるようにせねばならない。学校図書館メディアセンターは、そのリ−スの範囲内で、地域社会の総合図書館奉仕に貢献できる図書館ネットワ−クの一構成員とみなすべきである。しかし、その第一の目的はやはり児童・生徒および教職員の必要性に応えることとすべきである。

〔1980年11月 ユネスコ正式文書として採択〕