ICTを活用した授業の向上を図るためのポイントを紹介します。
 
◆まずは、簡単な教材の提示から始めましょう。

 ICT活用に慣れた教員であれば、自分でオリジナルのデジタル教材を作成することができるかもしれませんが、ICT活用に慣れていない教員が同じことをしようとすると、かえって時間がかかってしまい、準備に膨大な時間を要してしまいます。

 最初は、無理をせず、写真等の教材を提示するだけのレベルからでもICTの活用を始めてみましょう。
 
 これだけでも、授業の有効な場面で使えば、子どもたちの理解を十分に深めることができます。
 
◆ICT機器をいつでも使えるように、常設しておきましょう。

 授業の前に、プロジェクタやパソコン等のICT機器を教室に運んだり、セッティングしたりするのはとても大変です。

 それだけで、ICTを活用した授業をすることをやめようと考えてしまうでしょう。

 ICT機器はできるだけ教室に常設し、簡単にいつでも使える環境を整えるようにすることが大切です。

 また、簡単な使用マニュアルを用意しておくと、自分で操作ができて便利です。
 
◆ICTを活用した授業を公開しよう。

 ICTを活用した授業の経験が浅い教員は、実際にどのように使えばいいのか分からないものです。

 ICTを活用した授業が上手くなるためには、何度もICTを使って授業をやってみるだけでなく、授業を他の教員に見てもらったり、授業を見せてもらいましょう。

 特にICT活用の経験が豊富な教員の授業を見ることは、ICT活用授業の向上に大いに役立ちます。

 このような環境を学校で作っていくことで、その学校の教員の授業力はアップしていきます。
 
◆児童・生徒に感想を聞いてみよう。 そして、授業の改善へ。

 ICTを活用した授業を行った後、児童・生徒に対して自分の授業の感想を聞いたり、アンケート等で確認することも大切です。

 児童・生徒の声や他の教員からのアドバイス等は、教材の改良とともにICTを活用した授業の改善を図る上での参考になります。
 
◆校内研修会を実施しよう。

 ミニ研修や全体研修(教科別研修)など、校内研修には様々な方法があります。

 しかし、放課後のまとまった時間に研修会を実施しようとしても、すべての教員が集まることが困難な場合があります。

 研修時間を会議の前後の短時間に設定する等の工夫をしたり、教員のICT活用授業の実施報告等を校内で蓄積・共有してみましょう。
 ◆授業力の向上を目指そう。
 
 教科指導における目標を達成するためには、ICTの教材を授業のどの場面でどのように見せれば、子どもたちの理解を深めることができるのかを考えることが重要です。

 教材を見せるタイミングや教員の発問・指示・説明の方法が違ってくると、同じ教材を使ってもICTの効果は異なってきます。

 ICT活用の効果を高めるためには、教員の授業力を向上させることが重要です。