ICT活用授業実践事例報告書 


                                                   2010年
 学校名   県立西宮香風高等学校
 教科(科目等)  理科(理科総合B) 学年   1〜4年 
 単元名  生物の移りかわり 生物の変遷
 指導計画   本時 7/8
 第一次 進化とその証拠(2時間)
 第二次 初期の生命と大気の変化(2時間)
 第三次 水中の生物から陸上へ(2時間)
 第四次 は虫類の時代(1時間)
 第五次 ほ乳類の時代(1時間) 
 本時のねらい   地球環境の変化と生物の進化の関係性について理解させる。
 活用したICT機器  PC デジタルカメラ 大画面表示装置(大型テレビ) 
 コンテンツの準備   
 ・生徒用のプリント: 柔らかいフォントで最低限、板書の穴埋めになるように作成し、かつ生徒ごとに自分なりにかけるようスペースを広めにとった。
・表示用のデータ: 教科書のPDFファイルからイラストや写真を抽出し、プレゼンテーションソフトでアニメーションをつけるなどをする。
・その他: 教科書にないイラストや写真、地図、CG、動画を準備した。その上で、スライド上にできる限りストーリーを作った。
授業でのICT活用の目的(意図)   
 ・教科書だけでなく、目を引くことやインパクトのある事象を取り上げ、地球環境と生物の進化の関係性に関するイラストや写真を大画面表示装置に表示することで、生徒の興味・関心を引き、授業内容の理解を深めることにも繋がると考えた。
 ICTを活用した場面及び主な活用方法   
□導入 ■展開 ■まとめ
  


 本時ではディスプレイと板書とに生徒の視線がほぼ同比率になるよう授業を構成した。導入には本時のキーとなることをディスプレイに提示し、展開ではそれに合わせ、スライドや動画をディスプレイに提示し、その内容を板書に整理し、その後、もう一度ディスプレイを用いて説明した。最後に本時のまとめをディスプレイに表示した状態で、その内容に関連した、論述問題を解く、という流れをとった。
 ICT機器を活用するメリット   
 本校は実授業時間数が少ないため、指導要領の範囲を終わらせるためには緩急をつけた授業展開が必要である。そのため、板書とノートやプリントだけでは、生徒の能力差に因り、待ち時間などの差が大きくなり、単調になりがちになってしまうため、ノートを採用せず空欄の多い板書プリントを用意し、待ち時間の差を小さくするとともに、カラー写真や動きのあるものを利用し、ディスプレイと連携させることで授業にメリハリがつくと考えている。
 活用のポイント  
 アニメーションを含め動画を使用するタイミング、カラーであることと拡大縮小が容易であることの2点が教材の質を大きく左右させると考えている。また、作った教材に縛られないよう、臨機応変に対応できる準備(非表示スライドの利用など)も必要になる。
 ワイヤレスマウスを使うことで、教室のどこからでも授業を行うことができるため、生徒にも緊張感が生まれやすい。ただし、この分野に限らず、ICTを効果的に利用した授業はわかりやすいと思われる。
 最初は授業の準備に時間がかかるかもしれないが、スライドを作りながら授業展開をイメージでき、また一度作ることで改良を重ね、授業・教材の質を上げることにつながるための投資と考え、継続して取り組むことが大切であると考える。
 担当教科等でICT活用授業が効果的であると思われる単元及び指導内容について   
 カラーのプリントが配布できない現状では、ほぼどの範囲にも利用できると考えている。その中でも効果的だと思われるのは、マクロ的視点や動きが重要となる分野である。理科総合Bにおいては地球環境の形成に関する分野・進化や分類に関する分野で効果的であると考えられる。