ICT活用授業実践事例報告書 


                                                   2010年
 学校名  姫路市立高丘中学校  
 教科(科目等)  理科  学年  2年生 
 単元名  大気中の水
ICT活用の様子
 指導計画 本時 2/5 
第一次 地表をめぐる水(1時間)
 第二次 霧や雲はどのようにしてできるのか(2時間)
 第三次 なぜ冷たいコップに水滴がつくのか(2時間)  
 本時のねらい  空気が冷やされたとき、空気中の水蒸気が小さな水滴や氷の結晶になって、目に見えるようになったものが霧や雲であることを理解させ、雲の発達が降水の原因になることを理解させる。
 活用したICT機器  PC プロジェクター スクリーン 実物投影機   
 コンテンツの準備   
 ・ 写真
 ・ 積乱雲ができる様子の動画(NHKデジタル教材)
 ・ 断熱膨張による雲の発生の動画(理科ネットワーク)
授業でのICT活用の目的(意図)   
 ・ 教科書の図だけではなく、プロジェクターを使って実際の写真や動画を見せることによって、雲ができる原因をより深く理解させようとした。
 ICTを活用した場面及び主な活用方法   
 □導入 ■展開 □まとめ
 ・ 雲ができる原因になっている身近な現象を説明した。まず、現象1として空気が冷やされると水滴が生じることを説明した。その際、氷水の入ったペットボトルを見せ、ペットボトルの外側が濡れていることを確認した。実物投影機を用いてコップを拡大して見せたり、前の席の生徒にコップをさわらせたりして確認した。
 ・ 次に、現象2として空気が上昇すると膨張することを説明した。その際、プロジェクタを用いて実際に標高の高い位置でポテトチップスの袋がパンパンに膨らんでいる写真を拡大して見せた。
 ・ 最後に現象3として空気が膨張すると気温が下がることを説明した。その際、ペットボトルに圧力をかけた状態から手を離したときに、ペットボトル内に雲ができる実験を演示し、それを実物投影機で拡大して見せた。また、断熱膨張による雲の発生の動画も見せた。

 □導入 □展開 ■まとめ
 ・ まとめとして、現象1〜3より、地上付近の空気が上昇すると空気が膨らみ、温度が下がり、水滴ができることを説明し、それが雲であるとまとめた。そして雲と霧の違いを説明し、授業の最後に積乱雲が発達していく様子を動画で見せ、空気が上昇すると雲が発達する様子を確認した。














 ICT機器を活用するメリット   
 ・ 教師の説明を聞いくだけでは上昇気流で積乱雲が発達していく様子をイメージしにくい生徒も、映像を見ることで理解しやすくなる。
 ・ 演示実験に関しては、拡大して映すだけなので、教師の事前準備の負担も軽減でき、効果的に見せることができる。
 ・ 動画や写真は教材を共有しやすく、教師の負担を軽減できる。
 活用のポイント  
 ・ 動画はダウンロードして準備しておく方がトラブルが少ない。
 ・ NHKデジタル教材はダウンロードできないので、授業の前にすぐに再生できる状態で一時停止にしておくとよい。
 ・ ペットボトルの中に雲ができる演示実験は、実物投影機で映すと見えにくくなる。背景に黒い板などを置き、遮光カーテンを閉めて蛍光灯の光の下で映すと見やすい。
 ・ 本校には50インチのデジタルテレビもあるが、後ろの席の生徒からはやや見づらい。プロジェクタを使用する方がより拡大して見せることができる。
 担当教科等でICT活用授業が効果的であると思われる単元及び指導内容について   
 ・ 細胞分裂の様子等、生徒が自分で観察することが難しいものを、実物投影機を使用し、顕微鏡の像を拡大してみせる。
 ・ 生徒が行うことが難しい実験を教師が演示する、又は映像で見せる。
 ・ 「地球と宇宙」の単元で太陽や星の動きを見せたり、「生きている地球」の単元で火山が噴火している様子を見せる等、言葉で説明しても生徒がイメージすることが難しいものや実物を見せることが難しいものを映像で見せる。