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第7話

ロストファンタジーワールド

作者:ヤマト

第七話 「剣と魔法」

ジャーッ
ランは口の中を洗っている。
「うへぇーっ、なんだよー、まるで×××のよーに××××みたいだったなー。」
「アハハハ、大丈夫?」
ミユキとアミが笑っている。
「大丈夫なわけねーだろッ!お前ら食べたんじゃねーのッ!?」
「いーえ、いえ、うまいって言ったのはこれを売ってる人からでーす!私達は別に食べたなんて言ってませんよー!」
「うん、その通りだよね、アミちゃん。」
「お前ら、性格悪くなってきたな、ちくしょーーーー!」
ランは部屋に行く。
「はーっ、やっぱりからかうの面白いわ。」
「そーだね、あ!魔法、魔獣はどーやって使うんです?」
「それはねーー・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「そーいえば知らなかったんだったわーッ!!」
「どーするの?」
「アーリーさんに聞いてみましょ!」
「うん!」
トテトテ・・・・・・・
「あっ!アーリーさん!」
「おや、ミユキにアミさん、どーしました?」
「魔法と魔獣どーやって使うか教えて欲しいんだけど?」
「ああ、それならさっき、地図を書いて来ましたので、それに沿って行ってみて下さい。」
アーリーは街の地図を渡す。
「アーリーさんも一緒にーー・・・・・・」
「私はドームとランに用がありますので、二人だけで行ってみて下さい。」
「わかりましたぁ〜。」
アミとミユキは宿屋を出ていく。
「さて、行きますか。」
ランとドームの部屋に行く。
「開いてます?」
「開いてるよー」
アーリーが来る。
「何?」
「今から練習を始めますので、竹刀を用意して下さい。」
「はーい・・・・・・・・・・・・って、ええッ!?」
「だから練習です。」
笑顔のアーリー。
「・・・・・・・・・・」

―――――戦闘店の裏側―――――
「へぇーーーーーー裏側にこんなのあったんだーー」
「あなたはGW社に渡るでしょう?」
「まぁ・・・・・・そ−だけど?」
「断っておきますが、今の腕では無理です。私達の足手まといになるだけですからね。」
足手まといという言葉にビクッと来た二人。
「そーか・・・・・・・・・、やってみよーじゃねーか!」
ランとドームは竹刀を構える。
「行くでェ〜!」
ランが先に走り出す。
「ランが先・・・・・ですか?」
「おおおお!」
横から竹刀を振る!
しかし、簡単に受け止められ、体当たりして来る!
バァンッ
「ぐあっ!」
飛ばされる。
「すげ・・・・・・・速くてわかりにくい・・・・・」
「ドーム、君も来なさい!」
「おーし!」
ダッシュする。
アーリーは鞘で閉まっている剣を振る!
ドームはそれに反応し、しゃがむ。
「見え見えですよ!」
もう一振りするとジャンプする。
「スキだらけですよ!」
と、上を見ようとすると、そこにはドームはいなかった。
「えッ!?」
ゴィンッ
小さな音がした。
「何・・・・・・!?」
ドームはいつの間にか後ろにいた。
「いつの間に・・・・・・・・!?」
「へへっ、俺の勝ち―――――!」
竹刀を振り下ろす。
「どうやって後ろに・・・・・・・?」
さすがのモンスターハンターアーリーでも驚く。
「まぁ、幻想を作り出した・・・・・・・・ってトコかな?」
「幻想を・・・・・・・!?」
(バカな・・・・、素人でそうやすやすと出来る事じゃない・・・・・・!武術の達人でもかなり苦労して、やっと修得できる技なのに・・・・・・・・)
「ドーム、それを何処で覚えた?誰かに教わった?」
「いや、自然に出来るよーになったんだよ。」
「自然に・・・・・・!?」
(教えてもらうとかそういう以前の問題じゃないか・・・・・・)
「さすがだな!ドーム。」
「ラン、飛ばされる前に自分から飛んだほうがダメージを半減できるよ。」
「ま・・・・まあ、それはわかってるけど、体に反応するのが遅いから無理だった〜」
「ラン、ドームそれぞれ自分であみ出した技を持った方がいいいと思うよ。」
「へぇー必殺技かぁー」
「僕のは華蓮滅、相手に無数の斬りつけをする、僕にしか出来ないオリジナル技さ。」
ランは思った。
(必殺技があっても倒される奴って説得力ねーなー)
「では、ランに使います。」
「へっ?なんでオレなの!?」
「その鎧をつけてるし、手加減しますから、大丈夫です。」
「・・・・・・・・」
ランは思った。

鎧買ってから災難ばっか・・・・・・・・・・。

「では、行くよ!」
「あ・・・・・・・あわわわ・・・・・・」
「華蓮滅ッ!!」
ヒュン
ヒュンッ

「!!!」

それぞれいくつかの剣がランの鎧を切り裂くッ!!
「速え〜!」
もち、ランは痛くてコロがっている。
「どうです?」
「驚いたなぁ、剣を振るとき、少しのブレを重ね、無数の剣に見えるようにしかけるとは・・・・」
「ーーーーーーーーえっ・・・・・・・?」
「あれっ?違う?」
ドームが一回見ただけでネタをすぐに明かした。
(なんでわかるんだ・・・・・・・?)
「確かにそー見えたんだけどなぁ〜?」
アーリーはさりげなくドームの後ろに回る。
そして、殴ろうとすると、
ドームが一瞬で手首をつかみ、投げ姿勢に入る!
「いきなり何するんだよ〜?」
アーリーは確信した。
(間違いない・・・・・・・・!体術を修得している・・・・・・!)
「ん?どうしたんだ?」
「やっぱり、ドームは誰かに教わっている!体術と反射は天性からそう出来るわけがない。
体術は人に教わってから出来るようになる極めて難しいものだ。」
「じゃあ・・・・・・」
ランが寄って来る。
「やっぱり5歳になるまでの失った記憶に関係あるんじゃないかな?」
「記憶?」
「ドームは五歳からの記憶しかないんだ。五歳になるまでの記憶は一切ないんだよ。」

−なぜ、五歳になるまでの記憶が無いのか−−?−−

「本当なのか?」
「ああ、何一つも覚えていない、ただ一つ気がかりな事がある。」
「それとは?」
「雨の日、俺はなぜか路上で1人泣き崩れていた。」
「・・・・・・・・それからの出来事は覚えていて、それ以前の事はないってわけか?」
「その通り、そこに問題があると思う・・・・・・・・」
「謎が多いなドームの場合」
「・・・・・・・・・」
そこでランはピーンとくる。
「もしかしたら、俺らがこの世界に来たのも、ドームに原因があったりして・・・・・・・・」
「まさか、それやったらますます迷宮入りじゃないのか?
「そーだよなー。」
「ま、とにかく今日中に必殺技編み出そうよ。」
「おーーーーー!」
張り切るドーム。
「ふぇぇ〜い・・・・・・」
痛い思いはもう嫌、と思ったランであった。
『ドームが原因』、ランがそう言った事はいずれわかってしまうだろう・・・・・
今は、静かな平和らしい時間がゆっくりと流れようとしいる・・・・・

「ーーーーーーーで、ここなの?」
看板にはこう書いている。
<これであなたも一人前の魔法使いに!ただし、覚悟が出来ているならば・・・>
「なんか妖しいゾ、この看板」
一応、警戒するアミ。
「ねぇー、行ってみようよ。」
興味津々のミユキ。
「わ・・・・わかったわよ。」
ドアを開けてみる。
「すいませーん、誰かいませんかぁー・・・・」
暗闇の中にドアップで現れる背後霊のような顔。
「き・・・・・ぎゃあああああッ!!!」
泣きながら逃げていくアミ。
「どーしたのよ〜?」
ミユキは動じてなかった。
「おやおや、お嬢さん、よく怯えなかったね。」
「え?うん!あなたがマホー教えてくれる人ー?」
「そうだよ、ついておいで、あそこにいる腰抜けと一緒に。」
逃げている途中に腰が抜けて倒れていたアミだった。
「・・・・・・・・」

−魔法屋の中−

「うわぁ〜、厚い本がいっぱい〜」
おばあさんは椅子に座る。
「二人の職業は魔導士かね?」
「ちがうよ、アミちゃんが魔導士で私が魔獣士!」
「ほう、珍しいね、滅多にいないよ魔獣士は。」
「そーなんですか?」
「よっぽどモンスターが好きなんだね。」
「え?え?」
アミが質問してみる。
「ミーちゃん、家にペットとか飼ってる?」
「うん!犬や猫や鳥だよ。」
「好きなわけだわ・・・」
「イヌ?ネコ?トリ?なんじゃそれは?」
「知らないんですか?」
「知らないよ、新しい新種のモンスターかね?」
「モンスターじゃなくて動物だよ。」
「ドウブツ・・・・?何処の名前だい?」
話のつじつまが合わない。
「もういいから魔法を教えてくださいな!」
ミユキの口を塞ぐ。
「もがっ・・・・・」
「いい?ここでは地球の知識は通じないから!」
小声で言う。
「ううっ・・・・・・・わかったよぉ・・・・」
少しがっかりするミユキ。
「さぁ、どーやったら魔法が使えるんですか?」
「簡単な事だよ、頭に魔法の言葉とイメージを入れるんだ、それが出来たら目標に向かって叫ぶ。
簡単でしょ?」
「なーんだ、簡単じゃーん!じゃあ、何か魔法教えてよー」
「はいよ、この本一冊100アス!」

※100アス=約200〜300円

「高っ!!」
アーリーからもらっているので買った。
「次はミーちゃんね!」
「うん」
「ああ、魔獣はこの魔導指輪をつけて、その指輪にやどっている魔獣を呼び起こすんだ。」
「すっごーい!使い方は?」
「素質があればその魔獣の名前を呼ぶことでいつでも召喚出来る。」
「その指輪いくらします?」
「1000アス。」
血の気が引くアミ。
(なんやねん、この差は・・・・)
でも、その分の金はあったので買った。
「アミとかいったね?」
「はい?」
「魔法の本をよく読みなさい、使う数が限られているから、それを越えたら精神崩壊するから」
「つまり・・・死に至るってわけですね?」
「そうじゃ。」
「わかりました。」
「おばあさん!この魔獣の名前は何ですかー?」
「ああ、そう言えば言ってなかったね、”ケルプチ”だよ。」
「へぇーなんかかわいいね!」
「ありがとう!おばあさん!」
「ああ、また機会があれば来ておくれよ。」
「うん!」
アミとミユキは宿屋に戻る。
おばあさんは首を傾げる。
「はて?遠くの昔にもこんなことがあったような?」
「じゃあ、この本読んでみよーか?」
始めの一ページを開いてみる。
<熱いよ!熱いよ!この魔法!あっ、暑いではないよ!>
バタンッ・・・・・・・・
本を閉じる。

−第7話・完−

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