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序章

ロストファンタジーワールド

作者:ヤマト
挿絵:碧瑞鶏



序章 ― "始まり" ―

第1話  障害者

 ― 環境破壊、環境汚染 ―

  ― 人口増加 ―

   ― 戦争 ―

 それぞれ確実に破壊へと道を進もうとしている人間達……

 それぞれ確実に破壊へと道を進まされている地球……

 ― 第1次世界大戦 ―
     及び
 ― 第2次世界大戦―

 今でもたった1つの爆弾でも起ころうとしている
 ― 第3次世界大戦 ―

 ―― 人とは人間とは何なのか、神は本当にいるのか、
    そして生物とは……
    そして生と死の意味は…… ―

  人がいる……

  木や森……風……汚れる事のない奇麗な川……海……

   動物も小鳥も青白く広がる青空……

 そこに群がっている綿のような雲

  土の大地の匂いがする

   争いも平和もありうる……

  山の頂点に森に囲まれた小さな小屋

   その小屋のドアが開き、

  太陽に当たり光っている顔だち、

   少女は幸せに巡まれ、天使のような笑み、

 その大地を人は…異世界の人はLOST FANTASY WORLDと呼ぶ……

「おかあさん! 今日も行って来ます!」
少女は山を下り町に行く……。

― 一瞬、光が出て ―

周りにあるすべての景色が消えていった。

光とは爆弾のこと……

 少女は奇跡ながらも生きていたが、

    すべてが燃えている……

  黒く……赤く……変わる煙……

   少女は涙という悲しい水を流す。


   ― 必ずしも平和があるわけではない…… ―


 ― 地球 ―

― 10年前 ―

「ぐすん…… ぐすん……」
  ザー
   ザザー

 雨の日の出来事……
  雨に打たれ見知らぬ服が濡れている少年……
「ぐすん…… ぐすん……」
そこにある女が現れる。
「どうしたの?ボク」

   ほんの……偶然なのかも知れない……。

 そして10年後……


ジリリリリリッ
    ジリリリリリッ

 キラキラと輝く窓の光、
     目覚まし時計が鳴る。

「ねっっっみィ〜〜〜」
再び眠りにつこうとしている少年、
そのベッドの上には女……母がいた。
「起きなさいッ!!」
バァンッ
平手打ちを喰らう。
「兄ちゃん、朝から騒々しいね」
「ルッセー」
がつがつとパンを食べる。
ピンポーン
「おっ、今日は早いな」
「早く早く」
「へーへー」
着替えて靴を履き、外に出る。
「よ、嵐」
「おう、萄武」

 ― 中螺 萄武 ―
   この作品の主人公である。
         現在高一年

 ― 伽摩 嵐 ―
   萄武の友であり同じ高一年

 そして……
「ハイパーアターックゥ!!」
ドガーンッ
二人とも倒れる。
「ってェ〜〜ッ!」
「何なんだよハイパーアターックって!」
「へへ〜、今のは首にアタックするプロレス技」
「ってゆーかそれ、アタックボンバーだろッ!」
「あれ?そんな気がするなぁ」
「ったく……朝っぱらから騒々しいな……」

 ―   ―
   萄武の友であり同級生、
     最近、プロレス技にこってて、
    俺らを練習台にする……(クソッ)

1学期が終わり、今2学期の10月である。
「…………、中間テスト、やっと終わったと思ったら、
あと1ヶ月で期末テストかよ〜〜」
「まぁまぁ、クラブどーすんの?」
「………フッ、サボろう………」
「テメェ……」
嵐は萄武の首をしめる。
「ぐェェエエ……」
アミ(アダ名、通称:娃魅屡)はその技をメモ帳に書く……。
「いーから行こーぜ!チャイム鳴るぞ!」
キーンコーンカーンコォー……ン
「ゲッ……」
っちゅーことで三人とも遅刻………。

  ――― 教室 ―――

「はーい、はい、静かに! 今日は転校生が来ます」
教師が言う。
「てんっこーせぇ〜?」
萄武は初耳、そこで
「萄武、転校生は女だってよ」
嵐が言う。
「流石、情報屋No.1」
「エッヘン」
「でも、それを勉強に使ったら?」
アミが突込む。
「うっ………」
「どーぞ」
ガラガラッ
戸が開く。
その一瞬皆静かになる。
おばさんが若い女を連れて来た。
「……?」
「実を言うか、この子は視覚障害者なんだ……」
「視……覚……?」
先生がまた言う。
「目が見えないってコト、いつからでしたっけ?」
付き人が言う、
「私はこの子の母です。
 この子は五才の時に目の病気で視力を失いました。
 目は見えませんが、色々と教えてあげて下さい」
その子の目には包帯で巻かれている。
「………」
萄武はかわいそうだと思ったが、
「萄武、あの包帯をとれば美人ではなかろうか?」
嵐が言う。
「聞こえない聞こえない、お前なー、この場どう思ってんねん」
「さあ?」
「嵐……」
「名前を言って下さい」
教師が言う。
「内藤……御雪です……」
「えー、御雪ね……」
嵐はメモノートに書く。
「あのさー中学から長い間付き合っているけど、何なの、そのノート」
「企業秘密」
「いつになったら見せてくれんの?」
「いつか……だな、いつか……」
「えーっと席は……
 真能――!
 内藤を席まで案内しろ」
真能の席の隣りまで連れる。
キーンコーンカーンコーン。
チャイムが鳴る。
「よし、朝学活は終わりだ」
教師と内藤の母は去って行く。
「私、真能 娃魅屡、アミって呼んでね」
「フッ美しい人よ、僕の名前は伽摩 嵐、嵐と呼んでくれ」
「何なんだよっ!テメーは!
いきなり俺の目の前から消え、どーやって内藤の所に移動したんだよっ!」
「フッ、愛のテレポートさ」
「んなわけないでしょ!」
その面白さについ内藤も笑ってしまう。
「私のコト、これからはミユキってよんでね。
私、少し見えるの、あなたがアミちゃんで君が嵐君ね、もう一人は何処にいるの?」
「こっち」
その声に反応して顔を向ける。
「俺の名は中螺 萄武、別にどっちでも呼んでいいよ」
「今の声が中螺君ね、覚えたわ」
「そういや、どうやって勉強するんだ?」
嵐が訪ねる。
「それは……」
「内藤――――! いくぞ」
教師の声に内藤は立つ、
「第二会議室で別の勉強をするの、アミちゃん、連れて」
アミとミユキは教師と共に教室をでる。
「視覚障害かぁ〜、萄武、もう一度言う、あっ包帯とれば美人ではなかろうか」
ビュンッ
萄武も嵐と同じように一瞬で元の席に戻る。
「はっ? 何か言った?」
「テメェ……。」
萄武は思った。
「障害者か……」

―――― 第1話・完 ――――

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