保護者のみなさまへ

 2週間に及ぶ臨時休業措置が解除されました。

 5月16日(土)に新型インフルエンザの感染が確認されて以来続いていました休業措置が、本日をもって解除される旨、県教育委員会より通知がありました。

 最初は22日まででしたが、29日までに延期され、大半の高校の教育活動が再開される中、本校は今日までの休校を余儀なくされました。22日までは感染者が確認され続いたため、致し方ない措置だとはいえ、まことにつらい決定でした。

 今回の新型インフルエンザの感染力は強く、22日まで感染確認者が発生しましたが、感染後しばらくすると熱も下がり回復し、今はすべての生徒に登校許可がでております。また、インフルエンザ様の症状を呈する生徒もいなくなりました。学校の消毒も今日で終わり、生徒を迎える準備が終わりました。

 2週間の休校中、県教育委員会や保健所、マスコミと忙しく対応をする中、いろいろなことを考えました。学校の社会的責任、インフルエンザにかかり隔離された生徒の不安感やその保護者の気持ち、大半は元気な生徒であるが家にいなければならないことなどいろいろな要素がありました。校長として守るべき第1は、生徒の安全や命だと思います。日頃の点検や保健所との緊密な連携などの必要な場面が多々ありましたが、現実の感染症との戦いはなかなか厳しいものでした。その意味でも休校は有効だったのかもしれません。守るべき第2は、生徒の先生への信頼だと思いますが、担任の先生のメッセージをホームページに掲載したり、細かい学習の指示を出したりするなど、この2週間、教員は様々な工夫をし、この間のホームページの充実は目覚ましいものがありました。守るべき第3は保護者や地域からの信頼感だと考えますが、学校の社会的な責任と外出が許されない生徒たちの気持ちのはざまで苦しい局面もありました。

 しかし、私たちが励まされたのは生徒からのメッセージでした。生徒たちは、休校で外に出られないのは苦しいけれど、家の人と話す機会が増えたとか、日頃できなかった苦手な勉強を計画的にできたとか、部活動が忙しく社会的な関心もなかったけれど裁判員制度などの話も手伝いをしながらできたなど、休校のマイナスをプラスに変える声が先生に寄せられていました。なんとも健気な兵庫高校生だと感心しました。

 臨時休業の間、保護者のみなさまには学校の対応につきまして格段のご理解とご協力をたまわりました。厚くお礼申し上げます。また、生徒たちもほんとうによく頑張ってくれました。感謝します。明日、学校は再開しますが、新型インフルエンザが収束したということではなく、学校としても手洗いやうがいの励行、体調不良の申し出の徹底など、引き続き生徒・教職員の健康・安全の確保を最優先に行ってまいります。ご家庭におかれましても今後ともお子様の健康観察についてご協力をお願いします。

 これから学校におきましては、様々な行事が控えています。私ども教職員は、生徒のみなさんが元気で活気ある学校生活を過ごせるよう、心のケアなどの教育相談体制を強化するとともに学習の充実に全力を尽くしてまいりたいと思っておりますので、今後ともご理解、ご協力をお願いいたします。

平成21年5月29日
県立兵庫高等学校長
江  本   博  明