在校生送辞
第30回卒業証書授与式  送 辞

厳しい冬の中にも春の訪れを感じることのできる季節となりました。晴れてこの北摂三田高校卒業式を迎えられた三十回生の皆様、本日はご卒業おめでとうございます。在校生一同、心よりお祝い申し上げます。

私たちは先輩方から多くのことを学ばせていただきました。最も印象に残っているのは先輩方の何事にもまじめに、下を向かずに取り組む姿です。 春の文化祭では、全クラスがステージ発表で演劇に挑戦し、毎日遅くまで道具作りや練習をしていらっしゃる姿を見かけました。三年生になって受験勉強に本腰を入れ、さらに部活動も総体間際で忙しい方が多い中、文化祭の準備も疎かにせず、まじめに取り組んでおられる姿を見て、心動かされました。本番の演技では仲間と一致団結して一つのものを創り上げることのすばらしさを、実感させていただきました。 また、先輩方はいつでも明るく過ごされていました。生徒会活動では、どれほど忙しくても常に笑顔を絶やさず、私たちが大変そうにしているのに気づくと、私たちのことも笑顔にしてくださり、数多くの場面で救われました。また部活動においては、どんなに大変でもそれぞれの目標に向かって仲間と支えあいながら全力で、前向きに活動されていました。先輩方の引退の時が来て不安を隠せないとき、先輩方は笑顔で鼓舞してくださいました。あの笑顔を私たちは忘れません。私たちはそれを励みとして、今でも部活動に全力で取り組むことができています。

夏はあっという間に過ぎて受験の季節となりました。バスや電車で英単語帳を見たり、図書館ではひたすら問題演習をしたり。ひたむきに、まじめに勉強に励む先輩方から、進路希望を実現する厳しさと、夢に向かって頑張るという強い意志を感じました。私たちも先輩方を見習って、勉強でうまくいかないことがあっても、下を向かずに頑張ろう、絶対に夢を叶えてやろうという気になりました。 先輩方は北摂三田高校の生徒として、いつでも規律正しい行動をされていました。そのことを強く感じたのは全校集会の時です。私たち下級生よりも早く体育館に集合され、点呼の完了はいつも三年生が一番でした。すれ違う先生への挨拶をきっちりしたり、職員室への入室の際にドアを三回しっかりノックしたり、職員室内ではハキハキと用件を伝えたり、些細な所作にも先輩方の規律正しさが見られました。どんな状況でも目の前のことにまじめに取り組み、仲間と支えあいながら笑顔を絶やさずに努力する。それだけでなく、規律正しく、毎日を全力で過ごしていらっしゃる、そんな先輩方のようになりたいと思っていました。 入学したてで右も左もわからなかったとき、私たちの不安を拭うかのように優しく学校生活について教えてくださったこと。勉強や行事も、どちらも疎かにせず取り組んでおられたこと。また、私たちが悩んでいると、すぐに気づいて相談にのってくださり、どんな結果であっても、私たちが出した答えを笑顔で受け入れてくださったこと。失敗が多く、たくさんの迷惑をかけてしまっていた私たちを、責めることなく、優しく包み込むような笑顔で励ましてくださった先輩方は、いつだって私たちの目標でした。本当に感謝しています。

今、卒業生の皆様は、この北摂三田高校での三年間をどのように振り返っておられるでしょうか。なにげない日々の中で、かけがえのない貴重な体験をし、数えきれない思い出を作られたことと思います。 これから社会に出る方、大学に進む方、それぞれが自分の選んだ道を進まれると思います。そこでは想像を超えるような困難が立ちふさがり、自分一人の力では解決できず、挫折を味わうかもしれません。できない、諦めたい、と思うかもしれません。そんなときは北摂三田高校で過ごした仲間たちとの三年間の日々を思い出してください。文化祭で、忙しい中まじめに準備や劇に取り組んだこと、部活動で目標に向かって奮闘したこと、受験で志望校合格をめざして毎日努力したこと。どんなときでも同じ壁に立ち向かっていく仲間と、明るく頑張る先輩方を私たちは見てきました。先輩方ならどんな困難にぶつかっても、周りの人と協力し合って乗り越えられると信じています。高校を卒業しても、下を向かずに、明るく、周りの人と支えあって頑張ってください。

最後に、卒業生の皆さまのご健康と、さらなる発展を心よりお祈り申し上げ、送辞とさせていただきます。

平成30年3月1日

在校生代表 渡瀬 篤士