在校生答辞
第29回卒業証書授与式  答 辞

 本日、私たち二九回生、二七六名の卒業式にご列席いただきました皆様、公私共にご多用の中、ありがとうございます。卒業生一同、心より御礼申し上げます。また、校長先生、ご来賓の皆様方の温かい激励のお言葉に、心より感謝申し上げます。
 今、卒業式に臨み、数々の思い出がよみがえってきます。

 三年前の春、新たな友人と共に緊張の中で迎えた入学式。その後まもなくのハチ高原でのオリエンテーション合宿。大自然の中での学習や野外炊飯、十キロウォ―キング、校歌コンクールなど、集団活動を通して次第にお互いのことが分かってきて、仲間意識が芽生えました。気付けば、入学時の不安もどこへやら。「北摂祭」ではクラス対抗で大いに盛り上がり、体育の部での競技や文化の部での合唱コンクールなど、仲間の大切さを身にしみて感じました。

また、オーストラリアからの留学生がクラスメイトだったことも、楽しく忘れられない思い出です。


高校生活にも慣れ、後輩が出来た二年生。学校創立三十周年という記念すべき節目の年でもありました。部活動でもこれまで以上に力を入れ、その努力が素晴らしい結果をたくさん生みました。修学旅行では、志賀高原でスキーを楽しむと共に、様々なキャリア研修を体験することができました。私は、日本の株式市場のど真ん中「東京証券取引所」に行きました。証券会社の新入社員の方のお話を聞き、非常に興味深い時間となりました。実際に現地に出向き、自ら見聞きし体験することに勝るものはないと思わせてくれる貴重な体験でした。

 そして、あっという間に三年生を迎えました。

 私たちにとって三度目の北摂祭のテーマは「THE HEROES OF HOKUSAN」。各クラス、一丸となって取り組みました。下校時間ぎりぎりまで、また、休日に登校して、準備や練習をするクラスもありました。時には、意見の衝突もあり、準備が間に合うのかどきどきすることもありました。こうしたことを自分たちで乗り越えていく中で、一体感が生まれ、本番ではどのクラスも最高のパフォーマンスをすることができました。生徒一人一人が、自分の役割を果たし、協力したからこそ、来校してくださった皆様にも楽しんでいただけたと自負しています。私たちはこのような経験を数多く積み、同じ目標に向かって協力することで、やり遂げることの大切さを学びました。秋の遠足では、現地集合、現地解散でUSJへ。この日ばかりは、「受験勉強禁止令」が出て、仕方なく、思いっきり楽しみました。三年間の遠足のおかげで、公共交通機関の利用にも慣れ、試験会場まで一人で行けるようになりました。

これらの思い出は今、私の財産となっています。そして、もう一つ、私が北三での高校生活において得たものがあります。それは「学ぶ楽しさ」を知ることが出来たと言うことです。北三の先生方の「目からうろこ」の「神ってる」授業を受けて、「なるほど!そういうことか!」「論理的で専門的なレクチャーがすごい」と、何度も感銘を受けました。そのたびに私は「もっと知りたい」「これはどうなんだろう」とわくわくしたのを覚えています。そして、友達と難しい問題の解法を「ああでもない、こうでもない」と議論し合う楽しさ。このような最高の環境の中で学べたことが大きな幸せでした。

 今、高校生活を振り返ってみると、私たちは常に周りに支えられてきました。二十九回生の仲間の努力する姿には、前に進む勇気をもらいました。先生方は、私たちの進路について、人生経験を含む多くのアドバイスを下さり、親身になって何度も相談に乗っていただきました。家族は、どんな時にも温かく見守り、接してくれました。たくさんの人たちのおかげで、私たちはこの「北三」でかけがえのない日々を過ごし、これからの人生を歩んでいく上で大切なことをたくさん学ぶことが出来ました。その一つ一つが今の私たちを形作っているのだと実感します。

 いつも見守り、支えて下さった皆様、私たちをここまで育てていただき、本当にありがとうございました。私たちはまだまだ未熟ですが、いつかきっと、世の中に貢献できる人間になって、恩返ししたいと思います。教え導いて下さった先生方、これからも何か困難にぶつかった時、相談に伺うことをお許し下さい。人生の先輩として、この三年間のように温かくご助言いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。在校生の皆さん、高校生活では多くの時間を自分のために費やすことが出来ます。尊敬できる先生方と信頼できる仲間と共に、一日一日を大切に、色々なことに挑戦し、充実した高校生活を送って下さい。そして、私たちの「北三」をさらに素晴らしい学校にしていってください。

 私たちは本日、言い尽くせない深い感謝の気持ちと共に、この北摂三田高校を巣立ちます。

 私は、誇りに思います。いえ、ここにいる卒業生誰もが、「北三」で学んだことを誇りに思っているでしょう。この誇りをこそ、人生を歩む糧にいたします。そして、「北三」の名を汚さぬよう、「志」を高くもち、胸を張り歩むことをこの場でお誓いし、これを答辞といたします。 北摂三田高校の今後益々の発展を祈念して。

平成29年3月1日
卒業生代表 揚田 崇文