在校生答辞 |
|
第28回卒業証書授与式 答 辞 厳しい冬の寒さも、日ごとに緩み、柔らかな春の日差しが北摂の木々を包み込むこの佳き日に、私たち28回生278名は北摂三田高校を卒業いたします。 ご多忙の中、ご来賓の方々をはじめ、先生方、保護者の皆様、在校生の皆さんにご臨席(りんせき)を賜り、卒業生一同、心からお礼申し上げます。 今、北摂三田高校で過ごした日々を思い返すとあっという間の三年間だったように感じられます。 いろいろな人々と出会い、共有した時間を懐かしく、充実した日々を過ごすことが出来たと思う一方で、少しさみしさも感じられます。 私たちがこの学び舎で出会ったのは2013年。富士山が世界遺産に登録され、2020年の夏季オリンピックの開催地が東京にきまり、「おもてなし」という言葉が流行語になった年でもありました。 |
|
部活動が忙しい時期であったこと、また意見が合わないことが原因でクラスが一つになれない時期もありましたが、本番では、悔いのないものを創り上げ、賞を取れたクラスも取れなかったクラスも、賞以上のものを得ることが出来たように思います。 そして、進路の決定を迫られる時期となりました。 時間に追われ、なかなか伸びない自分の成績に焦り、気がつけば勉強勉強の毎日。とても平常心でいることが出来ない日々が続き、信じられるのは自分一人だと思う時もありました。 私たちの中には、国公立の後期試験や私立の3月入試に向けて、今も、自分との戦いの最中という人もいます。 学年団のある先生は私たちにこうおっしゃいました。 「受験に魂を奪われるな」。 私は初めどうして先生がこのようにおっしゃったのかがよく分かりませんでした。受験一色の中目の前のことしか見えていなかったのです。 私たちは何のために今こんなに頑張っているのでしょうか? 単に大学に入学すること、就職することだけではありません。幸せになるためです。 その先生は、「受験だけでなく、今しかない高校生活、目先のことだけでない大切な何かを大事にしなさい。」そう、おっしゃりたかったのだと今では思います。たった1度の人生、たった1度の高校生活。 先生の言葉のお陰で、私は、改めて周囲の方々との関わりの大切さに気づき、高校生活を送ることが出来ました。 この3年間、一番近くで支えてくれた家族の存在は本当に大きなものでした。朝起こしてもらったり、お弁当を作ってもらったり、悩み事を抱(かか)えていた時には、相談相手となってくれたり、当たり前のように自分のそばに居てくれ、今更、面と向かっていつお礼を言っていいのかと思うと、恥ずかしいですが、本当に感謝しています。 これからもきっと迷惑をかけることが沢山あると思います。それでも、少しでも自分たちが家族の支えとなれるように、成長していきたいと思います。これからもよろしくお願いします。 先生方には一人一人が、自らの目標に向うことが出来るように熱心にサポートをしていただきました。 授業ごとに用意していただく沢山のプリント、毎週の単語テスト、入試に向けての対策、進路相談、そして、受験以上に大切な事も。そのどれもが今の自分と目標との距離を大きく縮めてくれるものでした。 こうした手厚いサポートがあってこそ、私たちは自分の限界と向き合い、それを乗り越えて成長することが出来たのだと思います。 卒業は終着点ではありません。 3年間不安な事、辛い事を乗り越えて掴んだ成長の証です。これからの人生で迷う事や不安を感じる事があると思います。しかしきっと大丈夫。この証がこれからの人生の糧となり、心のよりどころとなって私たちを支えてくれます。だからあきらめず、自分の信じた道を力強く、一生懸命に生きていきます。 在校生の皆さん。先程は心の温まる送辞をありがとうございました。私たちはみなさんにとって憧れの先輩だったでしょうか。頼れる先輩だったでしょうか。これからはみなさんがこの学校を引っ張っていく番です。短くかけがえのない高校生活を精一杯楽しんでください。最後になりましたが今日まで私たちを支えてくださった皆様に改めてお礼を申し上げるとともに、北摂三田高校のますますのご発展を祈念し、答辞と致します。
平成28年3月1日
卒業生代表 嶋利 知也
|