第2回 育友会教養講座『北三茶論(サロン)』

 12月9日(火)、本校社会科教室にて、第2回 育友会教養講座『北三茶論(サロン)』が開催されました。
 今回は長山正二先生(地歴公民科)を講師にお迎えして、『結婚について哲学的に考える~哲学者カントの生き方をヒントに~』と題して講演していただきました。
 多くの哲学者の中から、長山先生は特にカントについて研究されてきたそうですが、話はカントについてだけでなく、ソクラテス、プラトン、アリストテレス、J.S.ミル、キルケゴール、サルトルと多岐にわたり、それぞれの人生や結婚について、興味深いお話を聞くことができました。
 表題にあるカントは、早くに両親と死に別れ、多くの兄弟を養いながら大学に入学した、苦労の多い人生だったようです。自身は生涯独身だったそうですが、カントの思想に沿って結婚を考えたとき、「義務を果たす」「相手への尊敬の念を持つ」「幸せな結婚を目的とするのではなく、幸せな結婚に値する人間になることを目的とする」といったことなどを考えたであろうとの長山先生のお話でした。「Es ist gut(エス・イスト・グート。これでよし。)」という言葉で人生を閉じたカントの思想や世界観をもう少し詳しく学んでみたいと思わせる楽しい講義でした。

 




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