みなみんの教え ~偏差値20アップする魔法の習慣~ 
                                     (作なおみん
)        
毎週木曜更新

言葉」が成長する

「おはよう夷川(えびすがわ)さん。昨日の詩、よかったよ。前から投稿してたの?」紗保里は鞄を置くと、本を読んでいる夷川桜子に声を掛けた。

「うん。たまに投稿してるんだ。私、脚本家志望だし。」「脚本家かぁ。すごいね。」

「遠藤憲一主演のドラマを書くのが夢なの。」(遠藤憲一って誰?)と思っていると、
「遠藤憲一の右手を上げたポーズって、かわいいよね。」と網嶋美奈代ちゃんが話に入ってきた。右手を上げたポーズといえば、みなみんの決めポーズしか浮かばない紗保里だったが、話は盛り上がり、お昼のお弁当も3人で食べることになった。

お弁当を食べながら「バレンタインチョコ買った?」と紗保里が聞くと、
 夷川さんはサンドイッチを食べながら「醤油チョコを作ってみようと思う。」と真顔で言った。(罰ゲーム?)と思っていると、
 美奈代ちゃんが「えびちゃんのサンドイッチって、何をはさんでるの?」と尋ねた。

「羊羹だよ、醤油味の。」と夷川さんは平然と答えるが、紗保里はその斬新な発想に内心舌を巻き、醤油チョコが本命チョコかもしれないと考え直した。

「ようかんサンドかぁ。今度やってみよう。で、今日はパティシエなの?」美奈代ちゃんが聞くと「醤油職人」とえびちゃん。
 紗保里の怪訝な顔に気づいた美奈代ちゃんが、「えびちゃんは時々、ある人物になりきるのよ。」と説明すると、「今、放射能汚染により醤油麹アスペルギルスが突然変異して、人類滅亡の危機に陥るんだけど、醤油職人が敢然と立ち向かうって話を書いてるんだ。だから、主人公になって考えたり行動したりしているのじゃ。」と夷川さんは落ち着き払って答えた。「・・ふ・・、ふ~ん。そうかぁ~。だから醤油チョコとかなんだぁ・・。」

「ねぇみなみん、今日夷川さんとお昼食べたけど、ちょっと変わったおもしろい子だったよ。」

「どう変わってたみんか?」消しゴムの上で、片足でバランスを取りながらみなみんが聞く。

「今日は脚本を書くために、70代の醤油職人になりきって『手を抜いたところから麹は死んでいくんじゃ。一つ一つを丁寧にせんといかんのじゃ。』とか言ってた。」

「ふーん。夷川さんはずいぶん大人だみん。」両手を広げて片足を上げ、消しゴムの上で飛行機のポーズを取りながら、みなみんが言う。

「なにやってんの、みなみんって暇なの?もっとインナーマッスル鍛えないとよろよろじゃん。それに、えびちゃんは全然大人じゃないよ。見た目はおかっぱ頭で、三戸なつめちゃんみたいな感じ。彼氏もいないし、持ち物は『バムとケロ』グッズだし。」

「内面が大人だという意味だみん。では、(消しゴムから飛び降りて右手を上げる。)
 みなみんの教え39
『内面の成長は言葉に表れる。』
 話をすればその人が、人として成熟しているか、未熟かがすぐにわかる。
 例えば、何にもすることがない時、内面が子供なら、言葉を知らないから『遊んで』とぐずる。高校生なら『めっちゃ暇』。大人なら『暇をもてあましている』。みなみんなら『無聊をかこっている』と言うかもしれない。つまり、どんな言葉を使うかで、成長の度合いがわかるってことだみん。」「だからいろんな言葉を知っている夷川さんは大人だってことか。」

「さぼりちゃんも本をたくさん読んだり、いろんな経験を積んだりして、語彙を増やして、表現力を身につけるみん。そうすれば、そのスカスカの内面でも成熟して見えるし、その内、内面も充実してくるみん。」「スカスカってどういうことよ!」と怒った紗保里であったが、そこから反論の言葉に詰まり、語彙力のなさを痛感するのであった。

第43回