みなみんの教え ~偏差値20アップする魔法の習慣~ 
                                     (作なおみん
)        
毎週木曜更新

本はカッコつけるために読め

「さむ~い!」紗保里は部屋に入るとホットココアとトーストを机の上に置き、急いでエアコンとヒーターとホットカーペットを点けた。みなみんはお皿を覗き込みながら「あいかわらず、高カロリーで腐るほど甘いものばっかりだみん。」とあきれている。

バターを塗ったトーストの半分には、2センチほどの厚みのイチゴジャム、残りの半分には練乳がたっぷりと掛けられている。サクッと音を立ててかぶりつき、熱いココアで流し込むと、「うーん。おいしい。」幸せを噛み締める紗保里であった。

お腹が一杯になった紗保里は、鞄から本を取り出して読み始めた。

「何を読んでるみん?」

「学校の図書館で借りてきた『なめてんの?』ってケータイ小説。ツンデレイケメンがかっこいいんだ。『風と共に去りぬ』がおもしろかったから、最近図書館でよく本を借りてるの。」

「本を読むのはいいことだみん。」

「でもさぁ。本ってたくさんあるけど、どうやって本を選べばいいんだろう?」

「教えてほしいみんか?」

「読んで、つまんないと時間の無駄って感じで、がっかりするからなぁ。教えてみなみん。」

みなみんは机の上でくるりと回ると右手を上げてポーズを決めた。

「みなみんの教え37
『本を選ぶ時はブランドにこだわれ。かっこつけるために難しい本を読んでみるべし。』
 本はライトノベルでも、ケータイ小説でも、漫画でも何でもいい。読者を感動させ、人として成長させる本はジャンルを問わないみん。でも、難しい本を無理して読むことも大事だみん。さぼりちゃんは友達がドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』や『源氏物語』の原文を読んでたらどう思う?」

「うーん。かっこいい、すごいって思う。」

「時間の波に洗われてきた古典や、世界中で読まれている名作、みんなが価値があると知っているブランド力のある名著は、やっぱり読み応えがあるし、学ぶことが多いみんよ。」

「でも、難しくって、おもしろくなさそう。本が嫌いになりそう。」

100万円のエルメスのバッグ、50万円のカルティェの時計、1億円のバイオリン、ブランド力のある物は手に入れるのが難しい。でも、人からすごいって思われる。難しい本も同じで、そんな名著を読んでるなんてすごい、教養があると思われる。だから、自分をかっこよく見せるために無理して読むみん。そういう不純な動機で読んでも、名著は必ず人生に役立つものを読者にくれるし、この本を読み終えたという自信は一生の宝になるみん。」

「つまり、かっこつけるために難しい本を読めってことね。」

「そうだみん。」「例えばどんな本を読めばいい?」

「ドストエフスキーの『罪と罰』なんかどう?みんなタイトルは聞いたことあるし、殺人事件が起きるドラマティックな話だみん。」「ふーん。」

「ただし、ロシア人の登場人物は、名前が複数あるみん。ラスコーリニコフ(ロージャ)とかアヴドーチア(ドーネチカ、ドーニャ)とか」

「ふええ・・。む、無理。」

「じゃあ、カフカの『変身』にするみん。朝起きたら巨大な毒虫に変身していた話。」

「・・・・。」名著なのにそんな変な内容なの?と言葉に詰まる紗保里であった。

第41回