みなみんの教え ~偏差値20アップする魔法の習慣~ 
                                     (作なおみん
)        
毎週木曜更新

意志の力で上機嫌

ふっと顔を上げ、虚空を見つめたみなみんは、啓示を受けた人のようにつぶやいた。

「『モテる人になる』という目標達成のために必ずやるべきことがあるみん。それは、フランスの哲学者アランが『幸福論』の中で語っているみん!」

快刀乱麻の定理を発見した様子のみなみんに「マジ?」と気おされ気味の紗保里である。

「『すべての不運や、つまらぬ物事に対して、上機嫌にふるまうことである。上機嫌の波はあなたの周囲にひろがり、あらゆる物事を、あなた自身をも、軽やかにするだろう。』つまり、どんな時も上機嫌でいることだみん。」

「ええ??女の子は表情がくるくる変わって、プッと膨れたり、コロコロ笑ったり、急に泣いたり、わがまま言ったりするところがかわいい、ツンデレもたまらないってアニメやドラマでよく出てくるけど、そういう子がモテるんじゃないの?」口角を下げ、半眼で首を傾げる紗保里。

「それは中学生まで。または付き合って半年までの話だみん。さぼりちゃんはそんな友達がいたらどう?ずっとかわいいねぇって付き合ってられる?」

「確かに振り回されて、疲れそう。でも、感情が豊かなんじゃないの?それに無理して笑うのはよくない、自分に正直に生きろって言うし。」

「感情が豊かというのは、美しい景色や出来事に感動したり、他人の不幸を一緒に悲しんだり、不正や悪事に対して、きちんと怒って批判することであって、感情の起伏が激しいこととは違うみん。大人になるということは、一時的な感情をコントロールする能力を身につけることでもあるみん。」

紗保里は、まるめこまれるものかと反論に打って出る。

「ふーん。黙ってがまんして大人のルールに従えってことね。」

「それは違うみん。例えばさぼりちゃんが、自分の意志を通したいことがあるとする。感情にまかせて行動しても、実現はむずかしい。感情を抑えて考え、筋道立てて話をし、仲間を作り、訴えかけると実現の可能性は高くなるみん。」

「めんどくさいなぁ。」ふてくされる紗保里。

「それに、無理して笑うのはいいことだみん。アランはこうも言ってる。『幸せだから笑うのではない。笑うから幸せなのだ。』無理して笑うと幸せになれるみん。モテる人になるための基本姿勢はこれだみん。」

みなみんは立ち上がるとくるりと回転し、右手を上げて高らかに言った。「みなみんの教え34『意志の力で感情をコントロールし、いつも笑顔でいるようにすべし。』そうすれば、周りに人が集まってきて、モテる人になるみん。」

「ええ~?何をされても何が起こってもへらへらしてるなんて、バカにされそう。」紗保里はあくまでも抵抗を続ける。

「何にも考えずに笑ってるんじゃないみんよ。みなみんの教え10で『自分の頭で考える』って教えたみんね。深く考えて、状況を理解した上で、余裕で笑ってられるように訓練しろってこと。」

「ここ。」と言って額の辺りを指しながら、「眉間に花を咲かせるみんよ。」みなみんは鼻息荒く胸を張った。

紗保里は「みなみんの眉間ってどこよ。眉なんかないし。」と言おうと思ったが、お正月だから黙っておいてあげた。

第38回