みなみんの教え ~偏差値20アップする魔法の習慣~ 
                                     (作なおみん
)        
毎週木曜更新

現代文解答法

紗保里は返って来た国語総合現代文の答案用紙を見ながら首をひねっている。

「ねぇみなみん。現代文のテストって何で間違ってるかわかんないのがあるよね。読み方、感じ方なんて人それぞれなんだしさぁ。」

「どこが間違ったみんか?」と答案を覗き込んだみなみんは言葉に詰まった。

「よ、45点?」大げさに引くみなみん。

「そうよ。それが何か?」開き直る紗保里。

「さっきのセリフは80点以上取ってからのセリフだみん。漢字も書けてない、語句の意味も間違ってる、空欄補充も、指示語もできてない、教科書を一から読み直しだみん!」

「ふぇ~。で、でもここ、この問題はどう?
〔二〕問六
夏目漱石『夢十夜 第六夜』で、運慶の鑿と槌の使い方は『大自在の妙域』と言ってるけど、それを端的に表現した連続する二文を抜き出せ、という問題。
 『運慶は今太い眉を一寸の高さに横へ彫り抜いて、鑿の歯を縦に返すやいなや斜に、上から槌を打ち下ろした。堅い木をひと刻みに削って、厚い木屑が槌の声に応じて飛んだと思ったら、小鼻のおっ開いた怒りの鼻の側面がたちまち浮き上がってきた。』が正解じゃないの?自在に鑿と槌をふるって、素晴らしい彫刻をしてるでしょ。」

「違うみん。正解はその後の『その刀の入れ方がいかにも無遠慮であった。そうして少しも疑念をさしはさんでおらんように見えた。』だみん。」

「ええ~どうしてよ。私の抜き出した文のほうが『大自在の妙域』をよく表現してるじゃん。少なくとも両方正解でいいんじゃないの。」

「正解は1つだみん。問題文をよく読むみん。『端的に表現した』と言ってて、『具体的に』じゃない。
 『具体的』ならさぼりちゃんが正解。
 でも、『端的』とは『要点だけをはっきりと示す様子』だから、後の文が正解となる。」そこでみなみんは咳払いを一つすると改めてこう言った。

「みなみんの教え31『国語のテストの正解は一つだけ。正解が一つに絞れるように問題は作られている。感覚を研ぎ澄ませて問題文も本文も真剣に読むべし。』
 もちろん本文は、例を挙げたり強調したり、繰り返し同じことを言っている部分があるみん。でもそれを一つの正解に絞るように問題は作られているみん。選択肢だってそう。すぐに間違いとわかる選択肢は作らない。一部しか言ってないもの、途中にちょっと違うことが入っているもの、本文でぼんやり言っていることを決め付けているもの、本文よりももっと理想的なことを言っているもの、などが混じっていて、本文をよく読んでちゃんと理解してないと正解を選べないようになっているみん。感じ方や読み方は自由だなんてぼんやり読んでると、一つも正解できないし、そもそも筆者の言っていることを深く理解できないみん。現代文の問題は一字一句に気を遣って、すごく緻密に作られているみん。」

「ふーん。でもさぁ、いろんな感じ方をして、みんなで話し合うのがアクティブラーニングじゃないの?読み方を押し付けないでよ。」口を尖らせてうそぶく紗保里。

「アクティブラーニングの意味を取り違えてるみん。本文を十分理解した上で、つまり、テストで聞かれるような内容は共通理解した上で、もっと深く読み味わうために話し合いがあるみん。マニアや研究者同士が意見交換をして、視野を広げたり、考えを深めたりする感じ。ただの雑談じゃ深い学びにはならないし、知識や技能の習得が疎かになる恐れがあるみん。さぼりちゃんは知識の習得ができてない。さっさと間違った問題をもう一回やるみん。」

第35回