みなみんの教え ~偏差値20アップする魔法の習慣~ 
                                     (作なおみん
)        
毎週木曜更新

いじめ対処法2

月曜日の朝、紗保里は廊下で背筋を伸ばして大きく深呼吸すると、「おはよう」といつもより少し大きめの挨拶をしながら教室に入って行った。7割くらいの生徒は教室にいるが、挨拶は返って来ない、少し視線が冷たい気がする。1時間目の教科書を鞄から出していると、網嶋美奈代ちゃんが近づいてきて、「うすき祭り、どうして先に帰っちゃったの?」と尋ねた。紗保里の心臓が跳ね上がる。呼吸が浅く速くなり、額に汗がにじむ。「ちょっと、用を思い出して」と小さな声で・・

などと、絶対に答えてはいけないと、みなみんにきつく言われている。紗保里はありったけの勇気を振り絞り、しかも一瞬アホになったように思考を止めて、みんなに聞こえるように言った。「私、うすき祭りに誘われてなかったから、一緒に行けなかった。」努めて普通に、冷静に、少し低い声で。

日曜の夜、みなみんは、机の上を歩きまわりながら力説した。「みなみんの教え26『いじめへの対処で、最も大切で、最も難しいことは、知らせるということ。できるだけたくさんの人に知らせる。感情的にならず、事実を冷静に知らせること。しかも知らせれば誰かが何かをしてくれると過度に期待しないこと。』」

「えっ?そうだったの。連絡するのを忘れてたのかなぁ。ごめんね。」美奈代ちゃんはすまなそうに言ったが、他のクラスメートは反応しない。紗保里は口角を上げて、大丈夫だと表現し、それ以上は何も言わない。 

「最初は、事実を知らせたら、それ以上、追求したり愁訴したりしないことだみん。」

昼休み、紗保里は一人でお弁当を食べる。食べ終わると、図書館から借りてきた『風とともに去りぬ』を読み始めた。

「『読書というのは、ひとりでしていて唯一みじめでない 行為です。はたから見ていても一人で本を読んでいる人は本当にカッコいい。本を読む習慣を持つことは、ひとりでいることの焦りや孤独から救われるっていうことなんです。』と、作家の林真理子は言っているみん。ひとりの姿をカッコよく見せるために。本を読むみん。」

『風とともに去りぬ』は抜群におもしろく、5時間目のチャイムが聞こえないくらいだった。そうして、みなみんの教えどおり無事に放課後まで乗り切り、部活に行こうと教室を出たところで、教室に戻ってきたまきちゃんとはちあわせをした。「まきちゃん、バイバイ、部活行ってくるね。」と言ったが、まきちゃんは無視した。「ねぇ、まきちゃん。どうしたの?」と思わず聞いてしまった。まきちゃんは振り返り、紗保里の顔を一瞥したが、そのまま黙って行ってしまった。

紗保里はショックで動けなかったが、みなみんの教えてくれた呪文を唱えて奥歯をかみ締めた。

「言っておくけど、いじめはすぐには解決しない。
くじけそうになった時に唱える言葉を教えてあげるみん。
『孤独上等』(こどくじょうとう)

第28回