みなみんの教え ~偏差値20アップする魔法の習慣~ 
                                     (作なおみん
)        
毎週木曜更新

模試漢文の解き方
 
 
10月2日日曜日、紗保里が朝ご飯を食べながら、何気なくテレビをつけると、姫路南高校が映っていた。びっくりして見ていると、それは「ひょうごワイワイ」という朝8時30分から放送しているサンテレビの番組で、南校のテニスコートとソフトボールコートにふるさと納税でライトがついたことを紹介しているのだった。練習風景をバックにリポーターがソフトテニス部の生徒にインタビューしているが、インタビューを受けているのは、幼馴染の小林拓人だった。

「へぇ、こうやって見ると、まきちゃんが言うように真剣佑に似てて、けっこうカッコイイかも。」

サンデーモーニングを見終わって、紗保里はしぶしぶ、この前の模試の復習に取り掛かった。答え合わせと、間違いの訂正が宿題に出ているのだ。が、例によってすぐに飽きて、みなみんを呼び出した。

「ねぇみなみん。模試の漢文が全然できなかった。全部勘で答えたら、1つしか合ってなかった。」

「だめだめだみん。模試や入試の漢文の解き方、教えてあげてもいいけど?」

「て言っても、漢文の句形を覚えて、何度も読んで、漢文に慣れるしかないって言うんでしょ?それができてりゃ、こんな惨状にはなってないわよ。」

「ふふん。ちょっと違うみん。まぁ、正攻法でこつこつ勉強するのがベストだけど、模試や入試漢文の場合、ちょっとしたコツがあるみん。」上目遣いでもったいをつけるみなみん。

「ええ!そうなの。教えて教えてみなみん様。」身を乗り出して食いつく紗保里。

「楽する方法には目がないみんねぇ。じゃぁ、今回の模試の漢文で、(注)を活用しながら、わかるところだけを言ってみて。」

「盗賊が夜、趙咨の家に盗みに入ろうとした。うー。老母は80歳病気が重い。えーっと、少し衣糧を置くことを乞う。うーっと、盗賊はみな恥じ、嘆き、跪き。無礼、賢者を侮辱したと。うーん。ますます名を知られた。」

「そこから話の筋を推測するみん。」

「盗賊が趙咨の家に盗みに入ろうとした。趙咨は病気の老母がいるので少しだけ衣糧を置いていってほしいといった。なんかわかんないけど、盗賊は改心し、趙咨は名を知られた。」

「次に、漢文は基本、2字4字に分けて読む。例えば最初の部分は『盗嘗/ 夜往(注)劫之/ 咨恐/ 母驚懼、』大体の意味は漢字から考えて、『盗賊は嘗て 夜行って、(注)趙咨の家に盗みに入ろうとした。趙咨は恐れた。母が驚き懼れることを。』長い漢文は読む気にならないけど、2字か4字なら読めるみん。それと、漢文は基本、言っていることは1つだけだみん。どこか一箇所解れば、1つのオセロで全ての黒が白にひっくり返るように意味が全部理解できる。だから、その一箇所を求めて辛抱強く読むみん。」「ふ~ん。」

「まとめると、みなみんの教え22
『模試や入試漢文は、言っていることは1つ。一箇所読めたら全てが推測できる。読み方は、2字4字に区切って読むべし。』

 夜7時、どこかに遊びに行ってしまった銀時朗(王子と呼んでかわいがっている猫)を探して、紗保里は家の裏庭から田んぼをいくつか越え、公園までやって来た。池のほとりの草原、ピンクのコスモスが揺れる横で、銀色のマントを月の光に輝かせ、端然と座っている王子を見つけた。抱き上げて帰ろうとすると、隣のテニスコートから、壁打ちの音が聞こえてきた。見ると、ほとんど見えないくらいコートで小林拓人が一心に壁打ちをしていた。

第24回