みなみんの教え ~偏差値20アップする魔法の習慣~ 
                                     (作なおみん
)        
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古 文 勉 強 法

「『伊勢物語』の『東くだり』をやってるみん?」3Dみなみんは、机の上に広げた国語総合の教科書を上から覗き込んで言った。

「明日までに口語訳しないといけないのよ。えーっと『昔、男ありけり。その男、身をえうなき(何の役にも立たない)ものに思ひなして、京にはあらじ、東の方に住むべき国求めにとて行きけり。』でしょ。『昔、男があった。その男、身を何の役にも立たないものに思いなして、京ではなく、東の方に住むべき国求めにと行った。』」

「雑な口語訳だみん。単語を正確に訳してないし、助動詞が訳せてないみん。」

「大体の意味がわかればいんじゃない?」

「意味も正確じゃないみん。「『思ひなして』の『なす』は『ことさら~する。意図して~する。』の意味で、『自分自身を何の役にも立たないと思い込んで』となるみん。『京にはあらじ』の助動詞『じ』は教科書P148の表にあるように『打消しの意思 ~ないつもりだ。』だから『京には住まないつもりだ。』となって、男の失意の心情がわかるみん。」

「ふーん。」たいして感心した様子でもない紗保里に、みなみんは苛立ちを押さえて続ける。

「じゃぁ、この『住むべき国』ってどういう国だみん?」

「自分が住む国じゃないの?そんなのどーでもよくない?」

「助動詞『べき』に注目するみん。
『べし』には『すいかとめてか』の7つの意味
があって、その内のどれかをいつも考える必要があるみん。」
・・・実は『義務』ってのもあるけどこれはこの際、無視する・・・

「『すいかとめて』って何?スイカが転がっちゃったの?」

『推量、意志、可能、当然、命令、適当、勧誘』の意味だみん。この場合はどれ?」

「うーん。『住むのに適当な国』かなぁ。」

「そう、この場合は『適当』の意味だみん。そういう風にちゃんと訳すと、この男が、自分なんか役に立たない人間だと思い込んで、京都なんかには住まない、東のほうに適当な住む場所を探しに行こうと旅立ったという心情や背景が読み取れるみん。すると、後で出てくる未練たらたらの女々しい歌の気持ちがよくわかっておもしろいみん。助動詞をきちんと訳すと、古文はとてもよく理解できるようになるみん。」

「助動詞ってこの表でしょ?」

「そう、P148,149のたった2ページだみん。これをマスターすれば、古文の口語訳に、ずっと使える。だから早く覚えれば覚えるほど得だみん。」

そこでみなみんは「よっこいしょういち。」と紗保里にはわからないオヤジギャグを飛ばしながら体を起こし、右手を上げてポーズを決め、高らかに言った。

「みなみんの教え21『古文を正確に訳す肝(きも)は助動詞。助動詞は早く覚えれば覚えるほどずっと使えて得をする。』ついでに、
 助動詞『む』は『すいかかえて』
『推量、意志、仮定、勧誘、婉曲、適当』
だみん。」

「うぇー。『スイカ、スイカ』って。そんなに覚えらんないよ。」紗保里は机にばたりと倒れた。
第23回