英語授業研究サークルとは
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 皆さん、こんにちは。英語授業サークルのホームページへようこそ。簡単ですが、当サークルの紹介をしたいと思います。

 
メンバーは、兵庫県の中学校・高等学校の英語教員が中心となり、兵庫県立教育研修所の指導主事やIT研修員、大学教員、民間企業の方々で構成されています。サークルのねらいは、互いに協力し合い、アクション・リサーチの手法を用いて、英語授業のあり方を研究し、ICTを有効に活用することで、授業を改善していこうというものです。

 
母体は、2002年より2年間、兵庫県立教育研修所の現職英語教員研修の講座(平成14年度:国際理解のための英語研究講座、平成15年度:英語科教育研修講座)で知り合った仲間が中心となり、その他ICTを用いた英語教育や、授業研究に興味・関心がある意欲的な先生方が集まり、2004年4月にサークルが立ち上がりました。本サークルは研究講座の中で取り組んだアクション・リサーチを土台にした継続的研究であるとともに、文部科学省の平成16年度教育情報共有化促進モデル事業の指定を受けております。教育の情報化は進み、学校にもICTが入ってきましたが、それを授業内外でどのように活用するのかの実践がまだまだ少ないようで、特に英語教育における研究が急がれています。アクション・リサーチを大きな柱とし、日々の授業改善と質の向上を目指す中でどのようにICTが関われるのかを考えていこうという研究サークルです。また、担当委員として日本福祉大学の影戸誠教授にも助言をしていただきました。更に今年度は、企業のサポートを頂き、(株)神戸製鋼所の皆様にはコンテンツやツールの作成、ビデオ撮影や録音などの技術的支援、シリコンオーディオの貸与などをしていただき、(株)パイオニアさんよりプラズマディスプレイをお借りするなど、多くのご協力を頂きました。

 
活動内容は、各自が勤務校を対象に、アクション・リサーチを行い、現状を分析し、課題を見出す。次に、指導案を立て、授業をし、ビデオに撮り、ジャーナルなどによる内省を行い、皆でビデオや指導案を見ながら検討会を行い、新たな課題に挑戦するといったものです。具体的には月に1回程度、兵庫県立教育研修所の施設などをお借りして、研修会を開いたり、MLやHP、掲示板、TV会議などで意見を交換して研究を進めてきました。

 我々は、やはり教師は授業が一番だと考えています。一昨年に文部科学省から英語が使える日本人の育成のための戦略構想・行動計画が出され、英語教師の英語力と指導力の向上のための研修が5カ年計画で行われていますが、実際に一人一人の先生方の意欲・熱意と向上心がなければ成功するものではありませんし、その中でも授業研究は大きな位置を占めると思われます。授業の中で生徒と向き合い、教科指導をとおして行い、教育をする上での人間関係、生徒との信頼関係を形成し、最終的には人間教育をすることができると考えます。そして何より、先生方ご自身が日頃の授業の中で問題点を見出し様々な課題をかかえ、変わりたい、変わろうとされるその教師の自律と成長のサポートがこのサークルでできればと願っています。

 
実際に自分の授業を見つめ、ジャーナルを書き、深いリフレクションの中から気づきを生み出し、授業を改善していく一連のアクション・リサーチの過程では、自己開示や自分を見つめる不安や挫折感を味わったり、どうしてよいのか分からなくなったり、また自分が変わることにより、授業や生徒が変わることが時間をかける中で感じられた時の喜びは言葉では表せない大きなものがあると思います。私自身その過程を担当し見守らせていただく中で、先生方のジャーナルや感想、発表やまとめを通して、本当に感動したり教えられることばかりでした。アクション・リサーチに終わりはありません。授業がある限り続くものです。

 もともとアクション・リサーチ、その基となるKASA(knowledge, awareness, skill, attitude)はSIT(School for international teacher training)のDiane Larsen-Freemanが1983年にtraining perspectiveからeducation perspectiveの発想が大切だとし、意識を高める、積極的な態度を養う、知識の蓄積、技能の習得を挙げています。またその後アクション・リサーチによる授業研究の意義はNunan、Freeman、Richards、Bailey、Curtisなどの研究者や日本でも90年代後半多くの方々が取り上げ、その広がりを見せております。

 まだまだ不十分な駆け出しのサークルですが、我々の研究成果が皆様の何らかのお役に立ち、自分もやってみようというヒントにしていただければ幸いです。またご意見などございましたらどしどしお寄せください。

英語授業研究サークル 代表
泉 惠美子(京都教育大学助教授)


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