新入生への説明会 校長のことば

県立尼崎北高等学校長の大内でございます。

 まずはじめに、昨日、緊急事態宣言が出されたことにより、本日は新入生への説明会となりましたことをご理解いただきたいと思います。このように異例な形での年度の始まりとなりましたが、まず何よりも、自らの健康と安全、そして、家族や周囲の人の健康と安全を守るため、できる限り人との接触を少なくするよう注意して行動するようお願いします。

 あらためまして、新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。本日、二百八十名の皆さんが、尼崎北高校の一員となりました。尼崎北高校を代表し、皆さんの入学を心から歓迎します。保護者やご家族の皆様におかれましても、さぞお喜びのことと拝察いたしますとともに、衷心よりお祝い申し上げます。

 さて、今、人類は新型コロナウイルス感染症と戦っています。グローバル化が急速に進展している時代であるからこそ、世界的な感染拡大が発生した訳です。自分と世界がつながっている時代を生きている自覚を、我々は今、より一層強く求められています。

 そのような中、皆さんは義務教育を終え、高等学校に入学されました。知的成長や肉体的成長はもとより、これからは、内面的成長即ち精神的な成長が、皆さんにとって何よりも重要なものとなります。

 本日、皆さんの新たな門出に、三つの言葉をお贈りします。一つは、「行動は嘘をつかない」という言葉。もう一つは「神は細部に宿る」という言葉。最後の一つは、「学校は勉強部だ」という言葉です。

 これらの言葉の中身は別の機会にお話することとし、本日は、「人間にとって行動というものが持つ意味の重さ」を、今一度深く考えていただきたい、ということをお伝えするに留めます。

 加えて一つ、法律に関係する話をします。平成三十年六月の民法改正により、成年年齢が二十歳から十八歳に引き下げられ、それが二千二十二年四月一日から施行されます。これにより、皆さんは、高校三年生の時に新成人となります。

 ピンと来ないかもしれませんが、法的立場が大きく変わる極めて重要な転換期に自分が立っているのだ、ということを認識してください。この事実を各自がどれほど深く認識して学校生活を送るのか。この違いによって、新成人となる二年後以降の皆さんの姿は大きく変わるでしょう。

 高校入学を機に、心新たに走り出そうと、多くの人が胸をふくらませていることと思います。人間が走るには、そして走り続けるには、まず何よりも、心と体が健康でなければなりません。食事と睡眠を十分にとることができる生活リズムを維持してください。これがあらゆる活動の基盤です。

 保護者の皆様、本日から三年間、大切なお子様をお預かりいたします。三年後には尼崎北高校に入学させて良かった、と思っていただけますよう、全職員、心一つに職務に精励する所存です。

 お子様の成長には、ご家庭や地域の皆様のご協力が不可欠です。学校、家庭、地域が力を合わせ、お子様の健やかな成長を支えていきたいと考えております。

 最後になりましたが、お子様のご入学にあたり、保護者の皆様に重ねてお喜びを申し上げますとともに、今後のご支援とご協力をお願い申し上げ、校長のことばといたします。

 

令和二年四月八日

兵庫県立尼崎北高等学校長 大内 一浩