平成29年度 講演会


北海道大学大学院教授 森 傑先生講演会


1月16日(火) 北海道大学大学院 建築都市空間デザイン部門 空間計画分野建築計画学研究室 教授 森 傑先生(本校41期生)による講演会が行われました。

まず、高校時代は水泳部で活躍され、現在の道に進まれた経緯などをお話しくださいました。高校生の時は、大学の教員になりたいと思っていたわけではなく、おじいさまが建築関係だったこと、物づくりが好き、理系だったことなどから、建築に興味を持たれ、大阪大学工学部へ進まれたとのことでした。「高校の時に明確な目標を持っている人は少ないと思うけれど、自分の選択に納得できる形でその時々を頑張ることが大事」とおっしゃいました。また、環境が、使う側に出す情報であるaffordanceのことなど、実例を挙げて説明していただきました。モノが持っている情報を適切にデザインすることが大切であるとのことでした。

次に、東日本大震災で被災した気仙沼市の小泉地区の高台移転についてお話しされました。プラニングに二年を費やし、二週間に一度、地元の方々と話し合いを持たれたとのことです。集落に意図的に袋小路や行き止まりを作るラドバーン方式で、子供とお年寄りに優しい移動環境を作ることを目指されました。集団が元々のつながりを失わずに、継続していける環境を作ることに尽力されていることがよくわかりました。「建築の仕事は3割が設計、7割がコミュニケーション。自己満足のために奇抜なデザインを考えることではなく、人間生活を支えること」、「どんな職業でも、相手の言うことを理解して自分の意見を的確に伝える能力が求められる」とお話しされ、とても感銘を受けました。

"Girls and boys, be ambitious!" 大志を抱いて頑張ります。森先生(先輩)、示唆に富むお話、ありがとうございました!